開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
ISSN-L : 2433-4618
16 巻
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  • 飯森 豊水
    2017 年 16 巻 p. 5-18
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    ウィーン古典派の作曲家J. ハイドンの研究においては、20世紀終盤に明確な変化があったことが一部で指摘されている。  ハイドン研究史を概観すると、19世紀後半にC.F.ポールによってハイドンに関する学問的研究が始まり、1930年代のデンマークの研究者J.P.ラールセンを先駆として、戦後には活発な資料研究が展開された。20世紀の後半は、組織的で体系的な資料研究と、その成果としての学問的校訂楽譜による「ハイドン全集」をはじめとする諸資料の刊行が中心的課題となった。その課題が一段落する世紀の終盤になって明確な変化が起こり、新たな研究の地平が拓かれた。しかしその目指すところはまだ明らかとはいえない。小論では、この変化を分析し、従来のハイドン研究にはなかった新しい研究の可能性を検討する。
  • -ポーランド、ティヒ市の調査から-
    菅原 祥
    2017 年 16 巻 p. 19-32
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿が検討するのは、ポスト社会主義の東欧諸国における社会主義の過去の「文化遺産化」、すなわち社会主義時代の遺物が保存・展示の対象となる「文化遺産」として扱われるようになるプロセスである。とりわけ本稿が着目するのは、そうした現象が地域のローカルなコミュニティの文脈でどのように起こっているのか、人々が自分たちの住む都市環境の中でこうした社会主義の遺物をどのように扱っているのかという問題である。こうした問題を考察するため、本稿ではポーランドの「社会主義都市」ティヒ市を事例として取り上げる。  ノヴェ・ティヒ(「新しいティヒ」の意)の建設計画は1950年に、当時のポーランドにおける「社会主義建設」の一環としてスタートした。1989年の社会主義体制崩壊以降、ティヒはしばしば社会主義体制下におけるモダニズム的都市計画の失敗例として扱われてきた。しかし、2005年のティヒ市博物館のオープン以降、こうした状況は徐々に変わりつつある。人々は、自分たちの都市の歴史やその建築物を、徐々に保存・記念・展示の対象として扱い始めたのである。  上記のプロセスの分析を通じて、本稿が指摘するのは、こうした社会主義の遺物の「文化遺産化」が直接起こるのではなく、むしろさまざまな「迂回路」や「言い訳」を通じて起こっているということである。あるときは人々は、伝統的で正統な「文化遺産」のカテゴリーをどんどん拡大していく中で社会主義の遺物をも「文化遺産」として扱うのであり、また別のときには、社会主義的な彫像を「脱イデオロギー化」することで、すなわちそれらの彫像に別の意味を与えることによって保存を可能にするのである。ここでは人々は逆説的にも、社会主義に直接言及しないことによって、社会主義の遺物を保存する実践を行っているのである。
  • 高橋 誠, 森本 哲介, 田原 直久
    2017 年 16 巻 p. 33-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    強みの活用感(Strength Use: SU)と強みの認識度(Strength Knowledge: SK)は,“強み(strengths)を中心とした介入プログラム(Strength-Based Program: SBP)“における主要な構成要素であると考えられる。本研究の目的は,SU とSK が,自己形成意識やキャリア探索に影響するプロセスについて探索的に検証を行うことであった。大学生88 名を対象に調査を実施した。パス解析を行った結果,SU からは自己形成意識の可能性追求因子と努力主義因子に、キャリア探索の自己探索因子と環境探索因子に肯定的な影響がみられたが,SK からは有意な影響が見られなかった。さらに,自己形成意識からキャリア探索には有意な影響がみられなかった。本結果より,強みの活用感は自己形成意識やキャリア探索に大きな影響があることが明らかとなり,強みの活用感を高めることは効果的な自己形成やキャリア探索の支援となりうる可能性について議論された。
  • -大学における批判的思考力育成への実践的応用に向けて-
    鳥越 淳一, 佐久間 祐子, 平久江 薫
    2017 年 16 巻 p. 41-54
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、部分的にアクティブラーニングを取り入れた批判的思考法の学修において大学生がどのように否定的反応を起こし、それに対して教員がどのように介入することが可能かを説明する理論生成を目的とした。1・2年生ゼミで批判的思考法を学修した学生18 名を対象に、授業担当者であり、授業における学習者の様子を観察してきた3 名の教員が半構造化面接を通して、批判的思考の学修に伴う体験のインタビューを行なった。その後、1 名の教員がインタビューデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて説明モデルを構築し、2 名の教員がそのモデルの生成プロセスが適切かどうか、また、学習者の学修プロセスのリアリティを捉えているかどうかを検討した。その結果、11 の概念と3 つのカテゴリー(授業による直接学修、自己の変容に対する葛藤、学修に対する反発)が生成され、全てのカテゴリーを通流する「認知的・言語的水準理解」と「体験的・非言語的水準理解」を中心に循環的に学修が進むというプロセスが示された。これまでの研究同様、本研究でも学習者が批判的思考の学修を否定的に体験していることが確認されたが、その反応は、これまでの直感的思考を行なってきた既存の自己と批判的思考を修得しようとする新しい自己との間に生じる認知的不協和を、授業という場を通して低減しよとする試みであると仮説立てた。また多次元的に学修プロセスを検討するため、感情体験尺度とPOMS の2つの質問紙を実施し、批判的思考がどのような集団の中で行なわれたのかを特定した。その結果、感情体験尺度では、感情の体験様式に多様性がある集団であったことが、POMS からは対象者の約4割が精神健康においてハイリスク水準に該当していたことが判明した。総合すると、アクティブラーニングの導入によって社会化された授業は、自己の感情を適切に取り扱えない学生にとって、新しい思考法を既存の自己に統合しにくくする可能性を孕んでおり、認知的サポートだけではなく、情緒的なサポートを必要とすることが示唆された。
  • -実習を取り入れた実践についての検討-
    寺本 妙子
    2017 年 16 巻 p. 55-66
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    親子の関係性に焦点化したNCAST(Nursing Child Assessment Satellite Training)プログラムの教材を活用し,大学生を対象に次世代育成意識を促進するための心理教育プログラムの実施と評価を試みた。プログラムの内容は,乳幼児のサインや親子の関係性についてのNCAST教材に関する講義・演習,及び子育て支援施設での実習から構成された。プログラム開始前,講義終了後,実習終了後に実施した評価テスト(養護性尺度)において得点の有意な上昇が認められたことから,本プログラムの有効性が示唆された。
  • ゴルシコフ ビクトル, ランギ エリザベス J.
    2017 年 16 巻 p. 67-85
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文は、英語コミュニケーションと国際理解を促進するための動機づけの問題に焦点を当てている。筆者らは国際交流イベントの一環として国際手紙交換プロジェクトを実施し、プロジェクトに参加した学生を対象に、「国際交流と英語教育に関する学生の意識調査」を行った。本調査から、国際手紙交換は統合的動機(integral motivation)及びオーセンティックな学習(実践学習、authentic learning)を展開するための有効な手段の一つであることが明らかとなった。さらに、本論文では英語教育、国際理解教育を促進する教育方法の導入及び語学教育における「実践の場」(authentic settings)を提供する必要性を指摘した。
  • ―『ハーレクィン・マンゴー』の歴史的重要性―
    安田 比呂志
    2017 年 16 巻 p. 87-103
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    1780年代後半のロンドンでは、黒人奴隷を主人公とし、当時の奴隷制度に対する批判と見なし得る内容を含む2作の演劇作品が上演された。ウィリアム・ベイツ作のパントマイム『ハーレクィン・マンゴー』(1787)と、トマス・ベラミー作の散文劇『友人たち、または慈悲深い植民者たち』(1789)である。1772年の有名なサマーセット判決の後、奴隷制度廃止に向けた運動が具体的な形を取り始めていた当時の時代的な文脈を考えると、これらの作品の上演は時宜を得たものであるように思われる。ところが、『ハーレクィン・マンゴー』が興行的な大成功をおさめている一方で、『友人たち』は大失敗に終わっているのである。本論は、同じテーマを扱うこれら 2作品の上演が、このように正反対の結果に終わった理由を、パントマイムと散文劇というジャンルの違いにあると考え、最初に、18世紀後半のロンドンで見られた奴隷制度を取り巻く様々な状況を簡潔にまとめながら、その中に『友人たち』を位置づけることにより、この散文劇が失敗に終わった必然性を明らかにする。次に、『ハーレクィン・マンゴー』に描き出されている奴隷制度に関わる種々の様相を、当時の黒人問題や奴隷制度にまつわるいくつかの議論との関連で検証する。そして最後に、この作品のハーレクィネードとしての特徴やその効果について検証することにより、『ハーレクィン・マンゴー』の、そしてパントマイムという演劇形式の性質や独自性の様相を明らかにする。以上の検証を通して、散文劇では不可能であった奴隷制度批判がパントマイムでは可能であった理由を明らかにするとともに、このパントマイムが担い得ていた歴史的重要性をも明らかにする。
  • —国連工業開発機関(UNIDO)の視点からの考察—
    大塚 孝夫
    2017 年 16 巻 p. 105-122
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    国際社会に於ける国家以外の行為主体(アクター)の代表的存在である、政府間国際組織の典型にして最大の国連に関する研究は、従来から国際機構論としてその目的・構成・機能等に的が絞られており、又その延長線上での「国連改革」であろう。しかしながら「国際関係」の舞台での国連の実相は目的・構成・機能を研究することだけでは探求できない。何故なら国連創設をめぐる諸般の世界情勢に端を発し、以来関係各国の思惑や国際政治力学・経済権益、全人類的課題への取り組み姿勢の相違等々、国際社会の様々な現象が国連諸機関の存在そのものの根源に深い影響を与えているからに他ならない。本稿では従って単なる表面上の事象だけではなく、まず国連創設時の時代背景を観察・分析した上で、国連の本質的側面を分野ごとに責任を持つ国連専門機関、なかでも国連工業開発機関(United Nations Industrial Development Organization – UNIDO「注1」)に焦点を当て、設立に到る経緯、特にその外的要因の分析を経て、担当責任分野であるところの国際経済協力・国際開発援助の主だった視点から国際関係, なかんずく多国間関係の本質を考察する。
  • ―国際バカロレアの初等教育プログラムの概念的思考の在り方を探究する―
    北村 克郎
    2017 年 16 巻 p. 123-162
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    国際バカロレアの四つの教育プログラムはアクティブ・ラーニングを基にしている。その中でも、初等教育プログラムには最もよくアクティブ・ラーニングの性格が表れている。  初等教育プログラムと他のアクティブ・ラーニングとの一番大きな違いは、教科の枠を超えたテーマについての探究と、概念的な学びである。特に概念的な思考と学びをアクティブ・ラーニングに活用するための可能性を探究することは、アクティブ・ラーニングを発展させることに大きく貢献すると考える。  ところで、初等教育プログラムの概念的な学びに用いられる八つの概念は、対象の本質の把握に向かって深化していく認識の、どの段階に相当するかが明らかではない。八つの概念は単に羅列されているに過ぎない。そこで、私はヘーゲルの論理学の推理論に依拠しつつ、各概念の妥当性と限界性を明らかにしようと考える。そして、各概念を用いて、「教科の枠を超えたテーマ」のセントラル・イデアに向かってどのような概念的思考が可能かを具体的に考察するつもりである。 翻って、各概念的認識には、どのような要件が必要かも併せて明らかになるはずである。
  • 専門教育とキャリア教育との接点
    柴原 宜幸
    2017 年 16 巻 p. 163-178
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本論で扱う研究は,専門ゼミが果たしている教育的効果に関する柴原(2010)の追調査を行ったものである。柴原(2010)では,卒業生は,ゼミでの学習内容については社会生活に活かされていないが,「学習に対する自発性」「対人関係の円滑化」「忍耐力」などがゼミ活動をとおして身につき,人間関係や思考の習慣化といった面で,現在でも役に立っていると認識していることが確認された。  前回の調査以降,ゼミの学習内容や展開方法において,学習内容を重視するよう変更を加えた。しかしながら,本研究においても,前回調査と同様,学習内容は社会生活には生かされていないという 結果となった。  本論は,以上の研究結果を踏まえ,専門ゼミという学部教育の中では非常に専門性の高い学習を経験したとしても,卒業後におけるその効果は,「人間力」や「社会人基礎力」といったところにみられていることを示した。その意味では,ゼミは「キャリア教育」としての意義を充分にはらんだ授業科目であることが示唆された。
  • 符 儒徳
    2017 年 16 巻 p. 179-189
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,社会を中心に企業と顧客を主軸にして得られた社会志向型経営戦略の構造モデルに関する考察を行う。そのために,既存の構造モデルと比較しながら,中核的な構成要素間の相互関係を明らかにするとともに,異なるタイプの構造モデルにも相互関係があることを明らかにしている。同じ経営理念の下で異なる志向の経営戦略の構造モデルの構築が可能であるという結論を求めている。また,メディア論的な視点から考察した構成要素の意味づけにも言及する。
  • ~講義反復練習型授業との学習効果の比較を通して~
    石田 修一, 戸塚 千穂
    2017 年 16 巻 p. 191-224
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
    小学校の歌唱教材、器楽教材をより短時間で効率的に学習するための教育方法について考察。小学校の音楽授業時数が削減されている中、短時間で効率的に学習することができれば子どもたちの感性をより高めることができる。そのためには、講義反復練習型授業とアクティブラーニング型授業を比較、歌詞の暗唱や旋律の記憶、歌唱、ハーモニーの判定等をより短時間に行うことのできる授業をデザインすることが必要である。両方の授業で子どもたちの感性をより高めることのできた教育方法を組み合わせ、子どもたちが音楽に興味関心を持てる授業開発を目的とする。
  • ―第2報―
    髙橋 早苗
    2017 年 16 巻 p. 225-235
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
  • 阿部 雄一
    2017 年 16 巻 p. 236-284
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル オープンアクセス
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