本研究は多孔板精溜塔に關する基礎的研究であつて,第1報では飛沫同伴現象を調べた。ガラス製円筒に網目板2段をとりつけ,下段に飽和食鹽水上段に水道水を流し,下部より空氣を送り,上段の水道水の鹽素イオンの増量によつて,飛沫同伴量を測定した。變化せしめた變數は空氣量,段間隔,溢流量および堰の高さである。本實驗の結果多孔板精溜塔においては,溢流液の速度および塔内空氣速度により板上の液の状態が變化することを認め,且つ飛沫同伴現象もそれに從つて樣子を異にすることを明らかにした。次に溢流液量,堰の高さは直接飛沫同伴の原動力には影響を與えないことが判つた。
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