人間と環境
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40 巻, 3 号
人間と環境 第40巻第3号通巻105号
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原 著
  • ― 知床五湖利用調整地区導入における合意形成過程の事例 ―
    田中 俊徳
    2014 年 40 巻 3 号 p. 20-36
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル フリー
    本稿では,知床五湖における利用調整地区制度導入に至る合意形成過程を対象として,自然観光資源の管理をめぐる政策形成の動態について,順応的ガバナンスの概念を援用して論じる。利害関係者に対する聞取り調査及び「知床五湖の利用のあり方協議会」の議事録の解析から,知床五湖が利用調整地区制度の導入に成功した要因として,①土地所有者の合意が得やすかったこと,②ヒグマの安全管理という点で,被規制主体である観光産業の協力を得やすかったこと,③自然保護を重視してきた知床の歴史的背景と知床財団の存在,④合意形成過程における順応的ガバナンスの存在,の4点が明らかとなった。合意形成過程では,環境省の担当者をはじめ,観光協会や地域住民といった利害関係者が,自由に意見を出し合い,相互の立場を尊重しながら,柔軟に議論を進めており,多元的な価値を認め,試行錯誤しながら,制度や規範を地域の特性に適合させる「順応的ガバナンス」が,機能したことが明らかとなった。
  • 佐藤 輝
    2014 年 40 巻 3 号 p. 37-45
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル フリー
    発展途上国の家庭でも製作・利用できる簡易な箱型とパラボラ型の太陽熱調理器を設計した。これらを南太平洋のキリバス共和国とツバルにおいて実演しながら性能を試験した。箱型は,4枚の反射板(開口部が670 mm 四方),木製の長方形の箱およびガラスの蓋で構成され,その性能は晴天下で最大100ワットであった。一方,パラボラ型は,12枚の反射板(直径1,200 mm),金属製の鍋置きおよび木製の架台から構成される。その性能は,2009年9月に0.90 キロワット/m2の太陽放射下で180ワットを記録し,1,800 ml(10合)のコメを2時間で炊き上げることができた。また,住民に対して生活スタイルや調理用エネルギー利用に関するアンケート調査を実施した。
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