関西造船協会講演概要集
最新号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 福谷 光雄
    p. 1
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    1.椅子席が縦向き配置のとき、その耐横揺れ性は良好であるが、その眺望性は不良である。この眺望性の悪さは、対象船について視野推定平面図及び断面図を描くことにより容易に理解される。
    2.耐横揺れ性と眺望性の両立は複数の横並び二人掛け回転椅子を縦横に配列することにより図ることができる。
    すなわち、海象が厳しい折は椅子席を縦向きとすることにより良好な耐横揺れ性を追求し、海象が穏やかな折は椅子席を横向きとすることにより良好な眺望性を追求する。
  • 山野 惟夫, 楠 芳一, 鞍谷 文保, 小川 武範, 池渕 哲朗, 舩野 功
    p. 2
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    トランサム船尾による波を減少させるための研究は従来も行われており,いくつかの軽減策が実用化されている.しかし,波の無いトランサム船尾形状については,今のところ明らかにされていない.そこで,本論文では,トランサム船尾に関するこれまでの著者らの研究の成果を基にして,波の無いトランサム船尾形状の設計法を検討した.明らかにした設計法を検証するために,模型試験を実施した.その結果,次のことを確認した:1)設計した波の無いトランサム船尾形状による船尾波はFr = 0.18 – 0.30の間でほとんど見られない.2)そのトランサム船尾形状による抵抗は.従来型のトランサム船尾に比べて,そのFr範囲で明らかに低い.
  • 椎井  宰, 八木 光, 藤井  昭彦, 野尻  武生
    p. 3
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    船舶の推進性能の向上が強く求められ,各種性能向上システムが考案,実用化されている.本研究では大型専用船を主たる対象として,船体のドジャー支持部材に装備することを目的としたコラム型の風力利用空気吸い込み型補助推進システムを提案する.その第1段階として,マグナス効果を利用した回転型,円筒周りの境界層制御篷を用いた空気吸い込み型の概念設計を示し,そのシステムについて,2次元円筒型物体の流場,循環等の基礎的な特性を煙風洞を利用して実験的に調査し,実用化に関するfeasibilityの検討を行ったのでその結果を報告し,批判を受けたい.
  • 西川 弘泰, 尾田 勇, 芹澤 久, 村川 英一
    p. 4
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    実機の溶接変形をシミュレーションで求めようとすると、大規模な溶接シミュレーションとなり、計算時間が膨大で実用には至っていなかった。そこで、実機レベルの大規模な溶接シミュレーションを短時間で計算できる手法を開発した。さらに実機に適用してその有効性を確認した。
  • 吉川 孝男, 和泉 和喜, 前田 正広, 吉村 健司
    p. 5
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    外圧を受ける補強円筒殻の全体座屈において、円筒シェルがリング補強材に対してどの程度の有効幅として剛性寄与しているかについては、決定的な評価式が提案されていない。そこで、半径/板厚比、補強材間隔、周方向の座屈波数、補強材間隔など種々のパラメータに対してどのように有効幅が変化するかを、非線形有限要素法を用いて調べ、この結果に基き、有効幅の簡易評価方法を構築する。さらに、この有効幅を用いて座屈強度を精度良く推定できる新しい簡易評価式を提案する。
  • 鈴木 博善, 加藤 直三
    p. 6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    一様流中,静水中において抗力型推進モードで作動する胸鰭運動装置周りの非定常流場をオーバーラッピング法を考慮したCFD解析の手法を用いて解析した.その結果と実験値の比較を行った.
  • 基本感情の表情評価モデルの構築
    有馬 正和, 池田 和外
    p. 7
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,表情による乗り心地の客観的評価手法の確立を目指している。既報では,量的な表現が困難であった表情の解析にフーリエ記述子法を適用することによって形状の特徴表現を行い,基本感情を表出した表情からその感情を推定・評価するための表情判別モデルを提案した。本報では,基本感情を表出した表情を第三者が見てその感情を推定・評価するための表情評価モデルの構築を試みる。モデルの作成に用いた表情データとは異なる表情データを用いて表情評価モデルによる評価を行った結果,人間の評価と表情評価モデルによる評価結果は比較的良く一致しており,提案した表情評価モデルの妥当性・有効性を確認することができた。
  • 乗り物酔い発症者の表情評価
    有馬 正和, 池田 和外
    p. 8
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,表情による乗り心地の客観的評価手法の確立を目指している。既報では,量的な表現が困難であった表情の解析にフーリエ記述子法を適用することによって眼・口の特徴表現を行い,基本感情を表出した表情からその感情を推定・評価するための表情評価モデルを提案した.本報では,船体動揺模擬装置(乗り心地シミュレータ)を用いた動揺暴露実験で実際に乗り物酔いを発症した被験者の表情にこの表情評価モデルを適用する。動揺暴露の開始直後から乗り物酔いの発症に至る表情の変化を調べ,表情評価モデルによる基本感情の評価と被験者本人の愁訴との関連を明らかにした。
  • 片山 徹, 武内 祐二, 池田 良穂
    p. 9
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    著者らは先の論文で,船体内部に多層甲板を持つ巨大客船(11万総トン数相当)を対象とした,縮尺50分の1の2次元模型を用いた損傷時浸水中間段階の運動計測実験を行い,浸水中間段階に大横傾斜が発生する可能性があることを示した.本研究では,縮尺の異なる3次元模型(125分の1)を用いて同様の実験を行い,2次元模型の実験結果の妥当性を検討した.その結果,先の実験と同様に大横傾斜が発生することを確認することができた.一方,これまでの結果をもとに実験方法について詳細な検討を行った.その結果,損傷破口,区画内空気交換口の大きさが浸水流入速度に影響を与え,また甲板間の階段室の大きさ,内部区画の作成精度,上部構造物の状態等さまざまなパラメターが実験結果に影響を及ぼす可能性があることがわかった.
  • 劉 平健, 小林 英一, 坂田 茉美
    p. 10
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
    会議録・要旨集 フリー
    貨物を輸送する際に消費されるエネルギーを少なくしCO2やNOXなど環境に与える影響を軽減するため、自動車による貨物運搬を輸送効率の比較的高い船舶に一部変更するいわゆるモーダルシフトが推進される機運にある。このモーダルシフトにより排気ガスの絶対量だけでなく拡散の様子も変わりその結果、人に対する健康影響にも変化があると考えられる。本研究では排気ガスに含まれる発ガン物質に着目し、モーダルシフトを行うことにより比較的広い地域について全体的な住民の発ガンリスクがどのように変化するかについて代表例について評価することを試み、その有効性を示した。
  • 池田 良穂, 原田 真帆
    p. 11
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/02
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    波浪中における船舶の横揺れを軽減する装置として,アンチローリングタンク(以下ART)が広く用いられてきたが,フィンスタビライザーに比べて性能上の欠点があることから次第に用いられなくなっていた.しかし,最近の痩せ型高速フェリーにおいて,追波中での横揺れが問題となり,抵抗増加を伴うフィンスタビライザーに代わり,再びARTを見直す気運が高まっている.本研究では,これまで検討されていないARTの減揺効果に及ぼす左右揺れの影響を実験的に調査した.ART模型を強制的に,横揺れ,左右揺れ,両揺れの連成運動をさせ,ART内の水の運動を調べ,左右揺れからの影響が大きいことを明らかにした.さらに模型船の波浪中運動実験を実施した結果,設置位置によってARTの効果がほとんど得られないことがあることを確かめ,これには左右揺れが影響していることを示した.
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