初期にはうつ病として治療され,経過中に幻覚・妄想状態,せんもう状態,パーキンソン症候がみられ,その後認知機能低下が出現した。剖検により脳幹・間脳に加えて大脳皮質にびまん性に多数のレビー小体(LB)がみられ,βアミロイドやタウ病理がほとんどみられなかったのでDLBの純粋型と診断した。DLBは,臨床病理学的に規定される疾患であるが,日常の臨床で神経病理学的検索が行われている症例は,必ずしも多くないと考える。臨床-神経病理学的概念をより確立するためにも一例一例の検討は必要と考え,13年間臨床経過を観察し,神経病理学的検索が可能であった症例を報告する。
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