九州神経精神医学
Online ISSN : 2187-5200
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68 巻, 2 号
九州神経精神医学_68_2
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巻頭言
総説
  • ― ひきこもり支援の現状と今後の展望 ―
    久保 浩明
    原稿種別: 総説
    2023 年 68 巻 2 号 p. 39-46
    発行日: 2023/04/15
    公開日: 2023/10/17
    ジャーナル フリー

     社会的ひきこもり(ひきこもり)に関する厚生労働省のガイドラインが2010年に刊行され,ひきこもりを巡る施策や当事者たちの努力も相まってひきこもり支援が社会に広がっている。また,支援者の臨床やひきこもりの本態の解明を目指した臨床研究の蓄積も目覚ましい。本稿では,主にガイドライン刊行以降のひきこもりを巡る臨床と研究に基づき,近年のひきこもりの定義および支援の実際を含むひきこもり理解の変遷を整理した。併せて,近年のひきこもり支援施策に関連して支援がより身近になることへの期待と想定される課題について論じた。

研究と報告
  • 治田 倫孝, 石本 明実, 治田 彩香, 船橋 英樹, 石田 康
    原稿種別: 研究と報告
    2023 年 68 巻 2 号 p. 47-52
    発行日: 2023/04/15
    公開日: 2023/10/17
    ジャーナル フリー

     難治化した三叉神経痛にベンラファキシンを使用し良好な経過を得た1例を経験した。症例は72歳女性,三叉神経痛に対して複数の薬剤による投薬治療や神経ブロック,神経血管減圧術が施行されるも疼痛は再燃を繰り返していた。ペインクリニックを経て当科を受診し,ベンラファキシンと認知行動療法を併用し疼痛は軽減した。慢性疼痛は身体的要因に加え心理社会的要因が絡むことでより難治化する傾向にあり,薬物療法と非薬物療法を効果的に組み合わせて治療を行う事が肝要であると考えた。本邦ではベンラファキシンは疼痛性疾患への保険適応を有していないが,その効果は徐々に明らかになってきており,慢性疼痛治療において有用である可能性が示唆された。

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