新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の流行は精神医療の現場にも大きな影響を与えた。長崎県精神医療センターは県内で唯一の精神科救急入院料算定病棟を有し,県内の精神科救急医療の中心的役割を担っている。我々は,当院における流行前と流行後それぞれ2年間における各種診療実績を比較した。流行後において,時間外診療件数は有意に減少し,措置入院件数は有意に増加していた。また,他院への措置入院件数に有意な減少は認めず,長崎県内の措置入院件数そのものが増加傾向であった。COVID‐19流行に伴い,精神状態悪化に対する早期対応が行われにくく,重症化して緊急入院に至りやすくなった可能性が考えられた。
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