凍結乾燥や粉砕を施さないさつまいもから抽出した食物繊維を用いて , 加熱ならびに加熱方法の違いが食物繊維の腸内発酵性に及ぼす影響を , ラットの盲腸内容物を用いたバッチ培養法によって検討した . さつまいもの総食物繊維を基質とした培養液の pH と全糖量の変化ならびに短鎖脂肪酸濃度を測定した結果 , さつまいもの総食物繊維は , セルロースよりも高い発酵性を示したが , さつまいもの加熱および加熱方法の違いによる腸内発酵性の差は認められなかった . 本研究は , 食物繊維の抽出で一般的に用いられる凍結乾燥や粉砕 , 熱乾燥といった機械的な処理を行わず , 摂取する状態に近い条件を採用したことで , 実際の食生活に近づけた状況を再現できたものと考えられた .
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