胃液分泌機轉二關シテハ, 純神経性・體液性及ビ膿液神経性ノ三機轄ニ依リテ螢マルハ汎ク諸家ノ認ムノレ所ニシテ, 一方又迷走神経ノ胃液分泌ニ封スル意義ノ重大ナルハ論チ侯タズ. 1906年Edkinsノ胃粘膜「エキス」「ガストリン」研究發表以來, 諸學者ノ胃液分泌催進物質ノ本態ニ關スル研究實ニ其ノ数多キテ加フルニ到レリ. Eisenhardt, Henning, Bach, 松井, 高橋, 吉田氏其ノ他諸學者ニ依リ胃液分泌催進物質ノ胃液中ニ存在スノレチ詔メラレ, 更二吾ガ教室ノ田島氏ハ試験食後竝ビニ「ヒスタミン」 注射後胃液中二於ケル胃液分泌催進物質・滑季筋刺戟性物質・血駆降下性物質ノ存在スルテ實験確沼セラレタリ. 傍ツテ余ハ上記物質ノ胃液申ニ含有セラル, トスルナラバ, 胃液分泌機能ニ最モ重要ナル迷走神経ト姐何ナル關係チ有スルヤノ考案ノ下ニ次ノ如キ實瞼チ行ヒタリ. 即チ横隔膜直下ニ於テ胃部迷走神経チ切断剥離セル健康胃櫻犬及ビ之ガ封照トシテ, 軍ニ胃縷ノミチ施セル健康犬ノ各胃痩ヨリ流出スノレ胃液ヨリ抽出作製セル胃液「エキス」及ビ各「ヒスタミン」注射後胃液ヨリ抽出作製セル胃液「エキス」ノ過酸・正常酸・滅酸及ビ無酸ノ4種ノモノチ用ヒテ胃痩犬胃液分泌作用・「Urethan」麻酵家兎血墜作用・家兎別出腸管及ビ子宮運動テ實験比較檢討シ下ノ如キ結果チ得タリ.
迷走神経切斷犬胃液ニ於テモ, 又迷走神経非切臨犬胃液ニ於テモ同ジク胃液分泌催進物質・LUretllan罧酵家兎血墜降下控物質・家兎別出腸管及ビ子宮蓮動充進性作用物質ノ存在スルチ認メ, 尚ソノ胃液「エキス」ハ瞬間的煮沸及ビ80℃30分内外加熱スルコトニ依リ完全ニ破壊サルルチ見タリ.
以上ニヨリ胃液中ニ存在スノレ同物質ハ, ソノ作用ニ於テハ「ヒスタミン」類似ナレドモ, ソノ性休及ビソノ他ヨリシテ「ヒスタミン」 トハ別個ノモノニシテ, 同物質ノ胃液中ニ産生存在スルハ迷走神経トハ何等關係ナキモノト思考サル.

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余ハ嚢ニ慢性腹膜炎及ビ慢性肋膜炎ノ新治療法トシテ, 岡田教授指導ノ下ニ, 夫々當該臓器「エキス」・「スチムリン」P・「スチムリン」PLヲ使用シテ其ノ臨淋的致果ヲ實験シ之ヲ護表セシモ, 猶同時ニ之ガ動物實験ヲ行ヒ, 家兎ニ人工的慢性結咳性腹膜炎ヲ惹起セシメ, 之ニ「スチムリン」P及ビ「スチムリン」PL及ビ對照トシテ0.85%生理的食盤水ヲ注射シテ其ノ経過蛇ビニ成績ヲ護表セントス.
「スチムリン」Pハ家兎ノ人工的慢性結核性腹膜炎ニ對シテ著シク其ノ病勢ノ進行ヲ阻止シ, 且其ノ病變ヲ限局スルモノノ如ク, 全身ノ衰弱モ輕度ニシテ, 體重減少モ大ナラズ. 之ニ反シテ「スチムリン」Pエハ人工的慢性結核性腹膜炎ニ封シテ特ニ作用セズ, 顯著ナル病勢ノ進行ヲ認メ, 病變ハ廣範團ニ互リ, 從ツテ全身衰弱甚ダシク, ソノ経過ハ封照家兎例ト大差ナキ状態ニシテ, 實験動物ハ總ベテ實瞼開始後45-50日ノ間ニ病死セリ.

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胃下垂症34例ノ統計的観察ヲ試ミタリ. 男性ハ女性二比シ約3倍ヲ占メ, 40歳以下二比較的多シ, 胃鏡所見ハ種々ナル胃炎ヲ認メタル者30%ヲ占ム. 治療法トシテ胃腸吻合術二Vogel氏固定法ヲ併用シ, 遠隔成績ニ80%ノ治癒率ヲ得タリ.

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悪性貧血ハ1872年ZurichノBiermerニヨリ初メテ命名サレテ以來William-Hunter及ビMinot u. Murphy等ニヨリ更ニ研究サレタルモ, 1928年Castleノ内外兩因子説ニヨリ一層進歩ヲ見タリ.
然ルニCastle氏内因子ノ檢出法タルヤ, Castle u. Reimann氏法竝ビニSinger氏白鼠綱状赤血球反應ガ最モヨク應用サレタルモ, 兩者各一長一短アルヲ免レズ. 殊二系統的檢査二對スル不便及ビ内因子ヲ数字的二表シ得ザル欲點等アリ.
1937年Fritz LaschハCastle氏内因子ガ酵素トシテノ性質アルニ着目シ胃液ヲ用ヒ, 「ペプシン」及ビ「トリプシン」ヲ除去シ, Castle氏内因子ノ最モヨク作用スル水素「イナン」濃度トナシ, 一定時間孵卵器中ニテ作用サセ数字的二測定スル方法ヲ考按セリ.
余ハ岡田内科ニテ最モ正確二診断ヲ下セル健康者10例, 胃癌患者12例, 無酸症患者18例, 肝臓癌患者2例, 悪性貧血患者1例ニツキ内因子ヲSinger氏法及ビFritz Lasch氏法ニヨリ檢シ兩氏法ヲ比較研究セリ.
1) 兩氏法共大體李行セル如キ結果ヲ得.最モ必要ナル檢出法ト云フベキモ, 更ニFritzLasch氏法ハ少量ノ胃液存在ノミニテ檢査出來.試驗動物ヲ必要トセズ, 且其ノ値ヲ数字ヲ以テ示シ得ル諸點ハ著シク便ナリ.
2) 又Singer氏法ノミニ依ル時ハ例ヘバ胃癌患者ト悪性貧血患者トニツキ其ノ内因子ハ共ニ陰性ニシテ其ノ多寡ヲ更ニ明確ニ區別シ得ザルモ, Fritz Lasch氏法ニヨリ初メテ悪性貧血患者ノ内因子ガ胃癌患者ノソレニ比シ著シク減少セルヲ知ルベシ. 次二Castle氏内因子ガ胃ノ如何ナル部分ヨリ最モ多ク分泌サルヽヤニツキ研究ノ歩ヲ進メタリ.内因子檢査法ノFritz Lasch氏法ガSinger氏法ノソレニ比シ遙カニ優レタルヲ第一編二於テ知レル余ハ犬ニツキ瀉血性貧血ヲ起シ, 又胃部分的切除術ヲ施シ, 其ノ内因子ノ手術前ヨリ系統的二長期二亙リFritzLasch氏法ニ從ヒ測定セリ. 又血液像竝ビニ胃液酸度ノ變化ヲモ檢シタリ.
1) 犬ニ於テハ健康時ノ何等手術ヲ施サザル前二於テCastle氏内因子贋ハ1ヨリ少ク, 又血液像殊二血色素係数モ人間ノ夫ト異ナリ1以下ナリ. 斯カル點最モ興味深キ點ト云フベシ.
2) 内因子ノ分泌ハ胃幽門部竝ビニ十二指腸一部ヨリ最モ多ク, 斯カル點Meulengrachtモ既ニ述ブル所ニシテ余モ動物實驗ニヨリ夫ヲ證明シ得タリ.
3. 胃大彎部モ亦内因子ハ前者二比シ少ケレドモ分泌二關與スルモノト惟思サル.

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