正常血漿及ビ1%葡萄糖加血漿ト鶏胎兒壓搾液トヨリ成レル培地内ニStimulin D. Stimulin M, Spinacin及ビHistaminノ種々ナル稀釋濃度液ヲ添加シDeckglass法ニ依リテ鶏胎兒小腸組織ノ培養ヲ行ヒ, 其ノ發育増殖・培地ノ變化・新生組織細胞及ビ母組織内ニ於ケル糖原出現等ニ及ボス之擧藥剤ノ影響ヲ検索セリ.
培養小腸上皮細胞ノ發育ニ對シStimulin D及ビStimulin Mバ一般ニ發育促進作用ヲ有シー定濃度ニ於テハ特ニ顯著ナル作用ヲ認メ, Spinacinハ高濃度ニ於テハ發育阻止作用ヲ, 中等濃度ニ於テハ輕度ノ促進作用ヲ認メ, Histaminバ一般ニ發育阻止作用ヲ認メ, 高濃度ニ於テハ著シキヲ認メタリ. 又培養組織粘膜上皮細胞及ビ新生粘膜上皮細胞内糖原, 現ニ對シStimulin Dハ各濃度ニ於テ促進的二作用シStimulin Mハ高濃度ニ於テ抑制的ニ他濃度ニ於テハ殆ド影響ナク, Spinacinハ高濃度ニ於テ抑劇的ニ, 中等濃度ニ於テ糖加培養ニノミ限リ促進的ニ低濃度ニ於テハ影響ナク, Histaminハ中等濃度ニ於テ稔抑制的ニ, 低濃度昌於テ微カニ促進的ニ作用スノレヲ認メタリ.

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余ハSchiödt, McConkey, Smith, Schipp, Einhauser, Hanke, Eustermann, Mayo, コトニ注意シ, 海〓ニ人工的ニ胃潰瘍ヲ護生セシメ之二「ヴィタミン」C含有食餌ト鉄乏食餌トニ分ケテ與へ, 其ノ治懸傾向ノ程度ヲ比較観察セシ成績チ發表セントス.
「ウィタミン」Cハ海〓ノ人工的胃潰瘍ニ対シテ治癒傾向大ニシテ, 體重増加傾向・糞便潜血反懸ノ陽性斐減少傾向・粘膜上皮細胞ノ再生・肉芽組織ノ新生・癒痕形成大ナルンニ反シ「ヴィタミン」C鉄乏ハ胃壁ノ抵抗カヲ減弱セシメ, 人工的胃潰瘍ニ封シテ治癒傾向ヲ示サズ, 粘膜上皮細胞ノ再生殆ド行ハレズ, 肉芽組織ノ新生弱クシテ潰瘍ヲ悪化セシメル傾向アルコトヲ認メタリ.

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由來急性汎發性腹膜炎ハ日常我々ガ常ニ遭遇スル比較的多クシテ而モ重篤ナル疾病ノーツデアルガ, 其上依ツテ起ル處ハ多クノ揚合蟲様突起炎デアリ, 膽嚢炎或ハ胃及ビ十二指腸潰瘍或ハ胃癌上穿孔・「チフス」性小腸潰瘍ノ穿孔・外傷性皮下腸管破裂, 其ノ他女性二於テハ生殖器疾患等ヨリ惹起セラル、事モ亦甚ダ稀ナラズ.随ヅテ夫等ノ報告ハ正ニ枚拳ニ逞ナキ有様ナリ.夫ニ反シテ腸結核穿孔ニ依ル急性汎發性腹膜炎ノ症例ハ甚ダ蓼々タルモノナリ.
元來腸結核ノ穿孔ハ甚ダ稀ニシテ, タトヘ穿孔スルモ大多數ノ場合, 腸管或ハ腹膜ノ癒著ノ爲限局性腹膜炎ヲ惹起スルニ過ギザルノガ通例ニシテ, 大範圍ノ所謂汎發性腹膜炎ヲ招來スルハ統計上・臨状上甚ダ稀有ナル現象トサル.即チFuchs(1925)ハHocheneggノKlinikニ於テ腸結核116例中穿孔ニ依リ急性汎發性腹膜炎ヲ起セル者7例ヲ學ゲ, 本邦ニ於テハ岩永氏(1930)ハ腸結核172例中7例, 田中屋氏(1931)ハ38例中1例ヲ學ゲ, 大藤氏ハ80例中穿孔セシモノナシト云ヒ, 又角田氏ハ119例ニ於テ1例ノ穿孔ヲモ維験セズト述べ, 何レモ其上稀有ナル事實テ報告セリ.
然ルニ最近我ヴ東外科ニ於テ本症例上3例ニ遭遇スルノ機會ヲ得タルヲ以テ蝕ニ之ヲ報告セントスルモノナリ.

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余ハ肺結核患者ノ諸種盟液, 郎チ喀疾唾液 (含漱前ノモノ) 及ビ耳下腺ヨリ無菌的鵡探取セル唾液 (小川式装置ニヨル). 糞便・尿・血液・汗・肋膜腔液 (肋膜炎チ起サルモノ) 及ビ滲出性肋膜炎液中ノ結核菌ノ樵出傘チ遊行的ニ染色法及ビ培養法テ以テ研究セリ. 染色法ハチールギュルトネル氏法ニヨリ, 培養基ハ卵黄寒天培地チ用ヒタリ. 荷可樵物培養前露置トシテ, 糞便ニハ小川ト略同檬ナル「アンチフォノレミン」硫酸法チ用ヒ, 血液ニハLoweastein氏法テ用ヒ, 其ノ他ノモノニハ住吉法タル5%硫酸法テ用ピタリ. 其ノ成績テ見ルニ喀疾塗抹染色陰性者40名中12名ニ培養陽性ニシテ30%チ示シ, 樵鏡陽性120名ノ培養陽性者ハ108名ニシテ90%チ示セリ. 同時ニ之等肺結核患者ノ朝ノ含漱前ノ唾液申ノ結核菌二就イテ樵セル昌, 閉鎮性肺結核患者40名ニハ樵鏡・培養共ニ陰性ナリ. 然ルニ開放性肺結核患者120名中10名部チ8.3%ニ検鏡陽性ヲ示シ, 培養陽性36名 (30%) テ示シ, 其ノ中唾液梅鏡陽性10名ハ9名ニ培養陽性ニシテ, 唾液梅鏡陰性110名中27名培養陽性ナリ. 即チ開放性肺結該患者ノ唾液中ニモ結核菌ノ存スル場合アルモノナリ. 之ト同時ニ之等患者ヨリ40名ノ開放性肺結核患者チ選ビ, 臨牀上健全ナリト思ハル、耳下腺厨リ無菌的ニ唾液チ取リ結核菌ノ有無チ樵セシニ, 上述ノ唾液中菌陽性者ニ於テモ皆陰性ナリキ. 恐ラク唾液中ノ結核菌ハ喀疾中ノ結核菌ニ由來スルナルベシ. 斯糠ニ喀疾遊ビニ唾液中ノ結該菌トハ開係密ナノレ如ク, 糞便中ノ結核菌ニ於テモ亦然リ. 郎チ上述セノレ肺結核患者ノ朝ノ糞便チ滅菌「シャーレ」ニ取ラセ置キ樵鏡・培養成績チ見タルニ, 喀疾申ノ菌ノ樵鏡・培養共ニ陰性者28名ニ於テハ糞便中ニハ全部陰性ナリキ. 喀疾樵鏡陰性ニシテ培養陽性者12名ニ於テハ糞便中結核菌樵鏡・培養共ニ3名ニシテ爾者トモ25%ノ同率チ示セリ.
次ニ開放性肺結核患者120名ニ於テハ糞便中ノ結核菌樵鏡陽性者106名ニシテ88%テ示シ, 培養陽性者ハ104名ニシテ86%陽性ナリ. 恐ラク糞便中ノ結核菌ハ結核菌含有ノ喀疾ノ嚥下ニヨルモノナルベシ. 又臨駄上及ビ理學的ニ滲出液ナキ100名ノ肋膜膣チ穿刺シ液テ讃明シ得ラレタル40名ニ於テ, ソノ液中ノ結核菌ノ染色培養チ試ミタルニ全部陰性ニ終レリ. 次ニ滲出性肋膜炎患者ノ滲出液中ノ結核菌ノ検索チ試ムルニ先チ, 肺結該ト肋膜炎トノ既往症拉ビニ現ニ合併スノレ頻度ニ就イテ調査シタノンニ, 大正11年5月ヨリ昭和13年12月末日轟至ノヒ名古屋市八事療養所入所患者實数6326名中, 既往ニ肋膜炎テ経i過セルモノ1021名即チ16.1%(男子ハ11.5%ニ女子ハ4.6%) チ算シ, 又入所申肋膜炎チ合併セル實數ハ219名, 郎チ3.46%(男子2.56%, 女子0.9%) ニシテ男子ハ女子ノ約3倍數ニ椙當ス. 摺, 肺結核患者ニ合併セノシ滲出性肋膜炎患者ノ喀疾・唾液及ビ糞便中ノ結核菌ノ梅出率チ樵セシト同時ニ, ソノ滲出性肋膜炎液申ノ結核菌テ樵シタルニ34名中20名ハ樵鏡陽性ニシテ, 此ノ20名ノ培養陽性者ハ16名ニシテ, 残リノ梅鏡陰性14名ノ培養陽性藪ハ5名ナリ. 即チ34名中21名ノ培養陽性 (61.7%) チ示セリ.
次ニ上述ノ如ク, 肺結核患者ノ喀疾。唾液・糞便申ノ結核菌ノ樵出率チ見タルト同時ニ, 特ニ43名チ選ビ02% Pilocarpin 3.0ccチ注射シ, 護汗セノレ汗テ集メ取リ其ノ汗ノ中ノ結核菌ノ染色。培養テ試ミタルニ全部陰性ニ終レリ. 以上ノ如ク肺結核患者ノ禮液中ノ結核菌チ染色及ビ培養法ニヨリソノ梅出率チ見ルト共ニ, 其ノ際血液中ニハ結核菌ハ現ル・モノナルヤ否ヤテモ検セントシ, Lowenstein氏法ニヨリ樵出率チ見タルニ, 腎鐵結核勉ビ轟結核性副睾丸炎患者3名鵡陽性チ見タリ. 此ノ菌血症ナル問題ニ關聯シテ余ハ臨淋上泌尿生殖器ニ結核性病攣チ認メザル者ノ尿中結核菌ノ樵出テモ試ミタルニ156名中全部陰性チ示セリ. 郎チ健腎繋リハ尿中へ結核菌ハ排出セラレザルモノト思惟サノレ. 然ノレニ上述肺結核患者ニシテ泌尿生殖器ニ結核性病愛アル者ノ4名ノ尿テモ同時ニ採取シ結核菌ノ有無テ樵セシニ, 樵鏡陽性率ハ4名中3名75%ニシテ梅鏡陽性者3名ハ培養上又皆陽性ナリ. 残リ1名ハ樵鏡・培養上共ニ陰性ナリキ. 以上ノ如キ研究ニヨリ知レル如ク從來鯨リ注意セラレザリシ閉鎮性肺結核患者ノ喀疾又ハ開放性肺結核患者ノ唾液及ビ糞便中ニモ培養ニヨリテカナリノ「パーセント」ニ於テ陽性成績テ學ゲ得ル事實ニ鑑ミ, 今後診断治療上ノミナラズ防疫學的ニモ大イニ留意スベキモノニシテ, 此ノ唾液中ノ結核菌ハ臨躰上健全ト思ハル、耳下腺ヨリハ撲拙サル、ニハ葬ズシテ, 喀疾中ノ結核菌二由來スベク, 糞便中ノ結該菌ハ腸結核テ除ケバ大部分ハ喀疾ノ嚥下ニヨルモノナルベシ・又肺結該患者ノ汗腺及ビ健腎ヨリハ結核菌ハ通過セザルモノナリ.

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