SEC journal
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5 巻, 3 号
, June (No.17), Serial Number 18
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巻頭言
所長対談
特集
  • SEC journal編集部
    2009 年 5 巻 3 号 p. 152-155
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     2008年度、SECはIPAの第二期中期計画の初年度として、「情報システムの信頼性確保に向けたソフトウェア・エンジニアリングの推進」、地域産業・中小企業等のためのソフトウェア・エンジニアリングの研究成果を反映した「具体的なシステム構築手法の提供」、これらの活動を長期的にバックアップする施策として、ソフトウェア・エンジニアリングに関する「海外有力機関との国際連携の推進」の3つの使命を約束し、多方面にご支援をいただきながら力強くその第一歩を踏み出した。
  • 高橋 茂
    専門分野: 2008年度活動概要 エンタプライズ系
    2009 年 5 巻 3 号 p. 156-159
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     定量的マネジメント領域では、システム開発・運用における信頼性・品質の確保と生産性向上に資することを目的に、開発・運用の各工程において定量データを中心に用いて可視化(見える化)して管理(マネジメント)を行う手法について、内外の成功・失敗事例の収集と分析整理に基づいて体系化を図ると共に、その成果を展開するための活動を行っている。本領域には、定量データ分析WG、定量的品質管理WG、プロジェクト見える化WG、価値指向マネジメントWGの4つのWGがある。各WGの主な活動内容は次のとおりである(図1)。・定量データ分析WG 定量データの分析やデータ活用方針の審議、また定量データ活用による他WGとの連携を図る。
    ・定量的品質管理WG
     上流工程における定量的品質管理の考え方の体系化、また定量的品質管理の実践事例を示し、現場への普及を図る。
    ・プロジェクト見える化WG
     これまでの上流・中流・下流の「見える化」技法を更に発展させ、保守工程における「見える化」技法を確立することを目指す。
    ・価値指向マネジメントWG
     IT投資や調達における意思決定方法のフレームワークを策定する。
     上記WGの他に、定量データ収集に協力していただいている定量データ提供企業群がある。
  • 新谷 勝利, 長谷部 武, 倉持 俊之
    専門分野: 2008年度活動概要 エンタプライズ系
    2009 年 5 巻 3 号 p. 160-163
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     ビジネス・プロセス改善領域では、以下の2つのWGで活動を展開した。2008年度の活動は、例えば両WGのセミナーを連続して実施することで、相乗効果を発揮することが確認された。特にプロセス改善WGにおいては、プロセス参照モデルとして、プロセス共有化WGの成果を積極的に引用するようにしている。
    ・プロセス共有化WG
     『共通フレーム2007』の内容を見直すと共に、主としてセミナーの実施でその活用を推進した。セミナーからのフィードバック情報及び活用事例収集により、活用ガイダンス作成を準備している。国際的には、WG委員がISO/IEC JTC1/SC7/WG7に参加し、国内審議の内容を国際的に提案している。
    ・プロセス改善WG
     モデルベースのプロセス改善としては、ISO/IEC 15504に準拠したプロセス診断改善モデル及び手法「SPEAK IPA版」の実証実験を2007年度に続き実施し、SEC成果『プロセス改善ナビゲーションガイド』シリーズの有効性を確認した。プロセス改善の手順として新しく『プロセス改善ナビゲーションガイド~虎の巻編~』を発行するとともに、他のSEC成果物と合わせたセミナーを実施した。プロセス共有化WGと同様にISO/IEC JTC1/SC7/WG10へのWG委員の参加を通して国際的な動きとの同期に留意している。
  • 小林 健児, 藤瀬 哲朗
    専門分野: 2008年度活動概要 エンタプライズ系
    2009 年 5 巻 3 号 p. 164-167
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     我々の社会生活で利用する各種サービスの多くは情報システムで支えられている。近年、情報システムの適用範囲は更に拡大し、またそのサービスを支えるソフトウェアやハードウェアも高度化と複雑化が進んだ。サービスを提供する情報システムの発注者は、より便利で理解しやすいものを安定的にユーザ(カスタマーズカスタマー)に提供したいと願う一方、情報システムの受注者(開発者)は、信頼性の高い情報システムを、より安く、より早く提供すべく努力を続けている。そこには、情報システムの障害を防ぎたいという両者共通の願いが横たわっている。
     要求・アーキテクチャ領域では、情報システムを構築する際の、要件定義から外部設計を行う上流の工程における、発注者と受注者の間でのより適切な合意形成を実現するための研究を進めている。目的は、上流工程で起こる発注者と受注者間の認識の齟齬を、機能要件と非機能要件の両側面から防ぎ、品質の低下・コストの増大・納期の遅延の発生等を抑制することで、情報システムの信頼性を高め、ユーザに価値を提供することにある。
     研究のポイントは2つある。システム開発の工程の順から述べると、1つ目は、「非機能要件とアーキテクチャWG」として、要件定義の非機能要件に係る合意形成に焦点を当て、これまであいまいなものとして手が付けられずにいた非機能要件の定義を明確にし、受発注者双方にとって理解しやすい記述に基づいた合意形成を可能とすることを目指している。2つ目は、「機能要件の合意形成技法WG」として、機能要件に基づく外部設計工程の合意形成に焦点を当て、これまで様々なプロジェクトの現場で凝らしてきた記述やレビュー、情報共有のための工夫(コツ)を収集・分類・分析した上で提供し、広く普及を図ることで、受発注者間でよりスムーズに、手戻りの無い合意形成を可能とすることを目指している。
  • 三毛 功子
    専門分野: 2008年度活動概要 エンタプライズ系
    2009 年 5 巻 3 号 p. 168-170
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     高信頼ソフトウェア領域は、大規模化、複雑性の増大、基盤技術の変化を背景に、効率的に高品質・高信頼性のあるソフトウェアを開発・保守する試験手法、構築技法(形式的手法含む)を整備することを目的としている。
     ソフトウェアの信頼性を確保する手法を検討する高信頼化のための手法WGと形式手法等のソフトウェア構築技法を検討する高信頼性システム技術WGの2つのWGがあり、それぞれで活動している。
     また、高信頼化へ向けた取組みの全体像を図1に示す。
  • 平山 雅之
    専門分野: 2008年度活動概要 組込み系
    2009 年 5 巻 3 号 p. 171-174
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     SECでは進化を続ける組込みソフトウェアの品質をより確実なものとし、効率的に開発することを目標とし、組込みソフトウェアを対象としたエンジニアリング手法の整備を進めている。これまでに開発プロセスの整備を目的としたESPR※1を始めとする組込みソフトウェア開発リファレンスシリーズ(ESxR※2)を産業界の方々と共に検討し整備してきた。2008年度はこのESxRの新たな仲間として品質の可視化と定量コントロールの実現を目指したESQR※3を策定し、公開した。
     また、既に発行したESPR/ESMR※4やESCR※5等については、広く産業界への普及を目的としたセミナー等を実施してきた。更にこれらの活動を通して、ESxRの改定の方向性や現在の組込みシステム産業に従事する皆様の課題認識等も調査し、次年度活動へのインプットとした。
  • 室 修治
    専門分野: 2008年度活動概要 組込み系
    2009 年 5 巻 3 号 p. 175-178
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     2008年度の組込みスキル領域の活動は、組込みスキル標準(ETSS※1)策定の完結及び次のステップである普及拡大への準備が大きなテーマであった。ETSS策定についてはこれまで実施してきた実証実験や個別企業・団体等からのフィードバック及び共通キャリア・スキルフレームワーク公開に伴う整合性の確認を実施し必要な文書の改訂を行った。また教育研修基準を実運用するためのガイドとして『組込みスキル標準ETSS教育プログラムデザインガイド』を書籍化し(2009年5月刊行)、スキル基準、キャリア基準、教育研修基準策定の各個別部会の活動を締めくくった。
     普及拡大についてはETSSを個別企業・団体へ実装し運用する人材面に対する施策として「ETSS導入推進者」を提唱することとし『組込みスキル標準ETSS導入推進者向けガイド』を書籍化し実際の活動に対するノウハウの提供と共に「ETSS導入推進者」の意義等を発信した。また従来からの実証実験も継続し普及拡大のための情報を収集した。
  • 水野 修, 菊野 亨, 出張 純也, 菊地 奈穂美, 平山 雅之
    専門分野: 2008年度活動概要 共同研究
    2009 年 5 巻 3 号 p. 179
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
  • 土肥 正, 岡村 寛之
    専門分野: 2008年度活動概要 共同研究
    2009 年 5 巻 3 号 p. 180
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     本調査研究では、理論と実務の両側面からソフトウェア信頼性工学における最新の研究動向を概観し、情報システムの主要な機能を構成するソフトウェアの信頼性を客観的に評価する論理的モデルを構築するための技術体系を俯瞰する。
  • 水口 大知
    専門分野: 2008年度活動概要 共同研究
    2009 年 5 巻 3 号 p. 181
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     近年ソフトウェア安全はシステム安全にとって重要な問題となっており、ソフトウェア安全への要求事項を含む国際規格が制定されている産業分野も少なくない。しかしそこでは、開発プロセスやマネジメント、用いるべき開発技術等に関する議論が中心であり、そもそもソフトウェア安全とはどのようなことかという本質的な議論はあまり見当たらない。そこで本研究では、安全の一般概念を手掛かりに、ソフトウェア安全という概念の整理を試みた。そして、ソフトウェア安全を達成するための一般的な方法論を導くことを試みた。
  • 兼本 茂, 程 子学, 宮崎 敏明
    専門分野: 2008年度活動概要 共同研究
    2009 年 5 巻 3 号 p. 182
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     国際規格IEC 61508の動向と組込み製品の普及に伴って、機能安全と組込みソフトに関する国内での関心が大きくなっており、国内での認証製品も徐々に増えている。しかし、機能安全は概念的に目新しいこともあり、現場での教育・普及啓発活動が重要とされている。また、長期的視野からも、ハードウェアとソフトウェアが複雑に絡んだ組込みシステムの機能安全に関する基礎知識を持ったエンジニアを育てることは大変重要なことである。一方で、この機能安全規格は、ソフトウェアに関しては1970年代の技術背景をひきずっているため、大規模・複雑化した組込みソフト開発の指標とするには困難が伴い、また、最新のソフトウェア技術を利用する際にも対応する規格が無いといった問題を生じる。
     このような背景から、産業界の実務や大学での教育カリキュラムとして役立つ安全・安心の教育コースの構築が期待されており、2007年より機能安全規格の調査研究を開始し、今年度、その調査に基づいた教育コースの開発を行った。
  • 岸 知二, 片山 卓也
    専門分野: 2008年度活動概要 共同研究
    2009 年 5 巻 3 号 p. 183
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     本調査研究では形式検証の設計検証への活用のために、要求工学、ソフトウェアプロダクトライン開発、モデル駆動開発等設計にかかわる領域に焦点を当て、最新の技術動向を調査した。それにより、開発を通じてどのようなモデリング技術・形式化技術を用いるかという開発全体の枠組みの検討が、今後一層必要であると判断された。
  • 平田 謙次
    専門分野: 2008年度活動概要 共同研究
    2009 年 5 巻 3 号 p. 184
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     2007年度の共同研究ではETSSスキル基準を中心としたβ版スキルメタモデルを作成したが、標準化を行うには、ビジネスニーズに則る必要がある。ETSSスキル基準の持つ、表現の多様性を考慮出来るスキルマネジメント技術の発展・普及が国際的にも期待されている。そこで、計算機上で実装可能なレベルでスキルのモデル化の検討に取り組んだ。具体的には、メタモデルを中心とするスキルマネジメントにおける3つの技術検討を行った。
  • 神谷 芳樹
    専門分野: 2008年度活動概要
    2009 年 5 巻 3 号 p. 185-192
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/24
    ジャーナル フリー
     SECでは、その研究成果を普及、活用していただくために、イベントへの出展、セミナー、ワークショップ、国際会議への参加等、様々な対外発表を展開している。
     以下にこれらの活動を追って、SECの幅広い活動を浮き彫りにしたい。
     中期計画の3つの施策との対応を見ると、「情報システムの信頼性確保に向けたソフトウェア・エンジニアリングの推進」に対しては、ほとんどすべての部会活動、その成果がこの課題に焦点を合わせており、また直接、情報システムの信頼性向上を狙いとした研究会の運営も行われた。数多くの展示会出展やセミナー等の企画、講演もこの課題をターゲットとしている。
     「地域産業・中小企業等のための具体的なシステム構築手法の提供」に関しては、部会活動等で形式知として書籍やツールの形でまとめられた、いわゆるSEC成果物の提供と合わせて、全国を縦断して敢行されたSEC主催セミナーや地域支援活動、あるいは「組込みシステム開発技術展」(ESEC2008、東京ビッグサイト)等の大型展示会におけるSECブース内での地域支援団体の展示等がある。
     「国際連携の推進」については、海外有力研究所との共同研究と合わせて、国際標準化活動や学術論文発表等を目的とした国際会議参加、海外研究所を訪問しての研究交流や、「SECコンファレンス」のようなイベントでの海外講師招聘活動等がある。
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