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望田 諭嗣, 平野 康次, 佐藤 哲也, 三浦 雅博
セッションID: 1A01
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
ロジウム触媒及び適当な酸化剤存在下、アクリル酸類を内部アルキンあるいはアルケンと共に処理すると、ビニル炭素-水素結合切断を伴う酸化的カップリングが起こり、ピラン及びブテノリド誘導体が生成することがわかった。
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山下 真奈, 平野 康次, 佐藤 哲也, 三浦 雅博
セッションID: 1A02
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
パラジウム触媒および銅酸化剤存在下、インドールカルボン酸類とアルキンの1:2カップリング反応が脱炭酸を伴って効率よく進行し、対応する1,2,3,4-置換カルバゾール誘導体が選択的に生成することを見出した。また、他のヘテロ芳香族カルボン酸とアルキンの脱炭酸カップリングにより、インドールやジベンゾフラン等の縮合ヘテロ芳香族化合物の合成にも成功した。関連するいくつかの脱炭酸カップリングの検討結果と併せて発表する。
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大島 啓一郎, 清水 研一, 薩摩 篤
セッションID: 1A03
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
アルミナ上にPdクラスターを担持したPd/アルミナ触媒が、アミンの選択的クロスカップリング反応に高い触媒活性を示すことを見出した。本系は固体触媒を用いて反応が効率的に進行する初めての報告例である。Pdの粒子径、酸化状態、担体が反応の活性・選択性に与える影響に関しても報告する。
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吉川 貴裕, 太田 英俊, 藤原 哲晶, 寺尾 潤, 辻 康之
セッションID: 1A04
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
鎖長の異なるエチレングリコール鎖(繰り返し単位数4、約12、約17)を導入した含窒素複素環カルベン配位子を開発し、これらをパラジウムを触媒とする鈴木-宮浦カップリング反応へと適用した。その結果、鎖長を伸ばすことにより活性化が困難とされる塩化アリールを穏和な条件で基質として適用できることを見出した。
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宮田 佳典, 藤井 佑樹, 岩崎 孝紀, 国安 均, 神戸 宣明
セッションID: 1A05
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
ロジウム錯体存在下、フェニルビニルエーテルとアリールグリニャール試薬を反応させたところ、エーテルの炭素-酸素結合の切断を伴うアリール化反応が起こり、スチレン誘導体が得られた。本反応条件下ではビニル炭素-酸素結合が選択的に反応し、フェニル炭素-酸素結合の切断は起こらない。基質としてビニルエーテルの代わりにビニルエステル、もしくはシリルエノールエーテルを用いることも可能である。
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蜂谷 斉士, 平野 康次, 佐藤 哲也, 三浦 雅博
セッションID: 1A06
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
我々はこれまでに、種々のアゾール類をニッケル触媒存在下で臭化アリールとともに処理すると、炭素-水素結合の切断を伴う直接アリール化反応が効率よく進行することを報告している。今回、臭化アリールの代わりにアリールシラン及びアリールボロン酸を反応基質として用いた新規反応について検討したところ、さまざまな基質に対して効率よくカップリングが進行し、アリール化生成物が良好な収率で得られることを見出した。
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藤原 哲晶, 徐 庭華, 仙波 一彦, 寺尾 潤, 辻 康之
セッションID: 1A07
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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二酸化炭素を炭素源とし、再度有機資源へと再生する物質変換法の開発は、今後の人類社会の発展に大きく寄与する重要な研究課題の1つである。我々は、炭素-炭素三重結合を還元的に活性化し二酸化炭素と反応させることにより炭素-炭素結合を形成させ、対応するカルボン酸誘導体を得る反応(ヒドロカルボキシル化)が、含窒素複素環カルベン配位子をもつ銅錯体を用いたときに効率よく進行することを見出したので報告する。
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仙波 一彦, 藤原 哲晶, 寺尾 潤, 辻 康之
セッションID: 1A08
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
アルキンを還元し、選択的に(Z)-アルケンを得る反応は有機合成において重要である。このアルキンの部分還元において最も広く用いられているLindlar触媒はアルカンへの全還元、二重結合の移動、Z体からE体への異性化および再現性の低さ等の問題を抱えているため、新たな触媒の開発は重要である。本研究では銅触媒を用い、ヒドロシランを還元剤とするアルキンの部分還元反応を検討した。その結果、配位子の立体および電子的効果の制御により、高い選択性で(Z)-アルケンを得られる触媒系の開発に成功した。
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柴田 直敦, 坂口 聡
セッションID: 1A09
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
キラルなβ-アミノアルコールから2段階で合成したアゾリウム塩存在下、Cu(OTf)
2触媒によるジエチル亜鉛と環状エノンとの反応を行ったところ、S体の共役付加体が良好な不斉収率で得られた。一方興味深いことに、Cu触媒前駆体としてCu(acac)
2を用い、同じNHC配位子前駆体と組み合わせたところ、R体の生成物が80%を超える鏡像体過剰率で生成することを見出した。
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殿村 拓也, 田村 正純, 清水 研一, 薩摩 篤
セッションID: 1A10
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
当研究室では酸化セリウム触媒(CeO
2 )を用いることにより、水溶媒中でのニトリルの水和によるアミド合成反応が効率的に進行することを見出ている。そこで今回、CeO2触媒を用い、ニトリルにアミンと水を反応させることでone-potでのアルキルアミド化反応を試みた。その結果、CeO
2 触媒での高活性かつ高選択的なニトリルのアルキルアミド化に世界で初めて成功した。
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田村 正純, 殿村 拓也, 清水 研一, 薩摩 篤
セッションID: 1A11
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
当研究室では、酸化セリウムがニトリルの水和反応を促進すること及び、その触媒活性が酸化セリウムの酸素空孔量に依存していることを見出している。そこで本研究では、酸化セリウムの酸素空孔に吸着することが知られているアルコールを用いたアルコリシス反応及びone-potエステル化反応について検討を行った。その結果、高活性かつ高収率でのone-potエステル化反応に成功した。
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佐々木 祐輔, 奥村 和, 丹羽 幹
セッションID: 1A12
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
Dawson型ヘテロポリ酸であるH
6P
2W
18O
62をメソポーラスシリカ(MCM-41)に担持し、熱処理がヘテロポリ酸の溶解性に及ぼす影響を調べた。デシルトリメチルアンモニウムブロミドをテンプレートとして調製したMCM-41にDawson型へテロポリ酸を担持したのち、400-450℃で焼成することにより、へテロポリ酸の構造の一部を有し、水に不溶性の固体酸触媒を形成させることができた。
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窪田 隆, 水野 宏一, 米山 嘉治, 椿 範立
セッションID: 1A13
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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アセチレンとn-プロパノールから、気相でn-プロピルビニルエーテルの合成を行うために、固体塩基触媒の開発を行った。固体塩基触媒としてKOH/MgOを用いた反応ではアセチレン転化率は100%と高かったが、触媒寿命が著しく短かった。ZnO/SiO
2を用いた反応ではアセチレン転化率は58%であったが、15時間目でも失活せず、触媒寿命がとても長く、優れた固体塩基触媒であることが分かった。
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松井 寛人, 倉田 武夫
セッションID: 1A14
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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α,β-不飽和カルボニル化合物のエポキシ化反応は有機合成において重要な反応の一つである。本研究では、触媒の回収および再利用を簡便に行うことを目的とし、磁性体であるγ-Fe
2O
3を内包させたVAp/γ-Fe
2O
3を調製し,これを固体塩基触媒としてα,β-不飽和カルボニル化合物のエポキシ化反応に用いた。本触媒は、水溶媒中においても高収率で目的のエポキシドを得られ、また、高い再利用性を示した。
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佐藤 修, 山口 有朋, 日吉 範人, 村上 由香, 白井 誠之
セッションID: 1A15
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
環境負荷低減技術として超臨界状態を含む高温水を利用する有機反応を提案してきた。今回、高温水を用いた1,4-ブタンジオールの分子内脱水によるテトラヒドロフラン合成について報告する。特に反応条件(反応温度、滞在時間など)について検討した結果について述べる。
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清水 陽介, 倉田 武夫
セッションID: 1A16
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
メチルグリオキサールは各種有機化合物の合成中間体として用いられる有用な化合物である。また、グリセリンはバイオディーゼルを合成する際の副生成物として生成するため、化学工業原料として注目されている。
本研究では、グリセリンを基質としたメチルグリオキサールの合成を、固体触媒を用いて行った。アセトールを経由しての2段階での合成を試みた。また1段階での合成も試みた。
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大友 光彰, 宮川 浩, 小池 誠
セッションID: 1A17
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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バイオマスから変換可能な有用化学物質の1つにフルフラール類がある。本研究では、脱水反応による単糖からのフルフラール類への変換について、糖構造と収率への影響を調べた。フルフラール類の収率は、糖の種類により大きく異なり、C6糖のケトースであるフルクトースやソルボースからは変換されやすいが、キシロースを除くアルドースから変換されにくいことが分かった。
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曽根原 悟, 久野 新太郎, 本田 正義, 鈴木 公仁, 藤本 健一郎, 中川 善直, 冨重 圭一
セッションID: 1A18
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
酸・塩基両機能性触媒を用いたアルコールとCO2からの直接合成反応によって有機カーボネートを合成
した。本反応は平衡反応であり、低い平衡転化率を改善するためにベンゾニトリル水和反応を組み合わ
せて、反応系から水を除去した。その結果、低圧CO2を用いて高収率で合成することに成功した。
今回はベンゾニトリル水和反応を組み合わせた有機カーボネート直接合成におけるアルコール依存性を
検討した。
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志村 俊, 三浦 大樹, 和田 健司, 細川 三郎, 井上 正志
セッションID: 1A19
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
高活性、高選択的不均一系触媒の開発は極めて重要である。当研究室ではRu/CeO
2およびRu/ZrO
2触媒がC-C結合生成反応を伴う有機合成反応に有効であることを見出している。本研究ではセリア担持ルテニウム触媒が脱水素環化反応によるインドールの合成に特に高い活性を示すことを見出した。例えば、Ru/CeO
2触媒(2.5 mol%)存在下、2-(2-アミノフェニル)エタノールをメシチレン溶媒中、140℃にて18時間反応させたところ、インドールが収率94%で得られた。
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城 大輔, 永井 裕之, 津田 進, 藤原 眞一, 岩崎 孝紀, 国安 均, 神戸 宣明
セッションID: 1A21
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
当研究室では、分子内に末端アレンを持つカルバモカルコゲナートを0価Pd触媒で処理すると、アレンへの選択的付加により対応するα,β-不飽和ラクタムが得られることを報告している。そこで今回私は、窒素に直接アレニル基のついた基質で同様の反応を行ったところ、ラクタムの代わりに脱COを伴った転位生成物が得られた。またこれはN-CO-PdからのCOの脱離やアザ-πアリルパラジウム種の生成など珍しい経路を含んでいると考えられる。
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小俣 光司
セッションID: 1A22
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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フリーデル・クラフツ反応は種々の中間体の合成や石油化学プロセスに欠かせない反応であるが、プロセスのグリーン化のために固体触媒の開発が求められている。ベンジルアルコールによるアニソールのベンジル化反応用の固体触媒を迅速に探索するためにこれまでHTS反応器を用いているが液相反応では液温の昇温に時間がかかるため、新たにマイクロ波加熱を用いるHTSを作製した。反応時間3分で反応液温度は145℃に達するためこれ以下の反応時間内であれば安全に触媒活性を評価できる。これを用いて多数の触媒を評価したところ活性の序列がSn、Fe交換モンモリロナイト>モンモリロナイト>ナフィオン》ゼオライト≒シリカアルミナ>チタニア>アルミナ、シリカ、マグネシアとなることを見出した。
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野崎 智洋, 湯澤 修平, Agiral Anil, 森山 翔太, 岡崎 健
セッションID: 2A01
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
大気圧プラズマとマイクロリアクターを複合化した反応場を用いて、メタン・酸素混合ガスからメタノール等の液体成分を常温常圧で直接合成する技術を開発した。副生成物である過酸化水素の反応性と反応温度の関係を解明することでメタノールの高収率化を検討した。
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中村 浩孝, 福岡 大輔, 西川 裕里, 尾上 薫
セッションID: 2A02
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
大気圧プラズマジェット法を用いたメタンからメタノールなどの含酸素化合物への無触媒下での直接合成プロセスに着目した。本稿では、メタン/ヘリウムまたはメタン/酸素/ヘリウム系のプラズマジェットと水との接触反応におけるプラズマジェットとの供給位置がメタノールの生成に及ぼす影響について報告する。
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酒井 茂政, 田中 久教, 中川 善直, 冨重 圭一
セッションID: 2A03
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
天然ガスから液体燃料を製造するGTLプロセスにおいて、合成ガス製造法のひとつに接触部分酸化がある。この反応は、装置の小型化が可能であるなど多くの利点を有するが、副反応であるメタンの完全燃焼の抑制が課題となっている。これまで我々は、Rh/MgO触媒に適量のCoを添加することで触媒活性が向上することを見出しているが、今回はCoに加えNiとFeについても同様に添加効果及びその反応機構について報告を行う。
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張 戦国, 胥 月兵, 鈴木 善三
セッションID: 2A04
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
Mo/HZSM-5触媒によるメタンのベンゼン及びナフタレンへの直接転換は次世代GTL技術として注目を集めている。コーキングによる触媒の失活はその実用化上の大きな課題であったが、循環流動層に我々が開発水素再生技術を組み込むことで触媒の連続再生・高活性が実現可能となる。本発表では、我々が開発したバインダーフリー流動層触媒およびそれを使用した流動層試験の結果について報告する。
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豊田 岳志, 銭 衛華
セッションID: 2A05
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
合成ガスから高級アルコールへ変換することにより、セタン価向上添加剤、代替燃料、プラスチックの中間体等の有用化学品へ利用可能である。既往の研究では、卑金属触媒を用いた場合は、貴金属の場合と比較すると未だにCO転化率やアルコール選択率が及ばないという課題点がある。本研究では合成ガスからの高級アルコール合成法の確立を目的として、低コストで商業的利用が認められる卑金属触媒を用いて触媒活性評価の検討を行なった。
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林 晃平, 米山 嘉治, 椿 範立, 田口 明, 阿部 孝之
セッションID: 2A06
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
スパッタリング法では活性金属を直接担体に担持できるため、高活性な触媒の調製が可能である。本研究では、銅と亜鉛を同時にスパッタリングして、アルミナ担持メタノール合成触媒の開発を行った。この方法で、調製した触媒では、従来の共沈殿触媒よりはるかに高いメタノール合成活性を持ち、スパッタリング法によるメタノール合成触媒の開発に成功した。
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今井 裕之, 横井 俊之, 野村 淳子, 辰巳 敬
セッションID: 2A07
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
ゼオライトを酸触媒としたメタノール転換反応がプロピレンの合成手法として近年注目を集めている。反応中、コーク成分が触媒上に析出することで、活性点の被覆や細孔閉塞が起こり、活性劣化が進行してしまう。失活後の再生処理による触媒活性の回復及び活性への影響について検討した。
空気、He、H
2での再生処理を検討した。空気中では、高温処理では活性が低下した。H
2中では、高温処理でもコークが残存していたが、活性は回復した。He中では、活性の回復は見られなかった。
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山崎 弘史, 今井 裕之, 横井 俊之, 辰巳 敬, 野村 淳子
セッションID: 2A08
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
近年,ナフサのクラッキングに代わる軽質オレフィン(主にプロピレン)の製造方法として、ゼオライトを用いたメタノールの転換反応(MTO反応)が注目を集めている。その反応機構は、“Hydrocarbon poor mechanism” でよるものである考えられている。しかし、反応の初期段階における炭素-炭素結合については不明な点が多い。そこで本研究では反応初期に生成するメトキシ種に注目し、その反応性について検討した。
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山崎 裕一郎, 小俣 光司, 山田 宗慶, 村松 淳司
セッションID: 2A09
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
近年オレフィン需要増加に伴って、ジメチルエーテルからの低級オレフィン合成反
応が期待される。この反応用触媒としてH-ZSM-5が高い転化率、オレフィン選択率を
示すが、経時劣化が著しい。本発表では、結晶子径や結晶外表面酸量が触媒寿命に与
える影響について検討した。その結果、結晶子径が小さく、結晶外表面酸量が少ない
ほど長寿命を示すことが明らかとなったので報告する。
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坪原 将史, 瀬戸 究, 村上 弥生, 朝見 賢二
セッションID: 2A10
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
本研究はDME改質反応を通して省エネルギーを図ることを目的としている。これまでに、本反応がDME直接合成反応の逆反応と銅の酸化還元サイクルの2つの反応機構から成り立っていることと銅亜鉛系触媒とがγ-アルミナの物理混合触媒が優れた性能を示すことを見出した。本研究では酸・塩基性の異なる種々の金属酸化物を用いてDME改質反応の促進作用がγ-アルミナに特有なものであるかを調査した。その結果、酸性酸化物を用いた場合にこの反応の促進効果が表れ、その作用がγアルミナに特有なものではない事がわかった。
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川? 力, 渡邉 嘉之, 池田 耕一郎, 横山 晃太, 末廣 能史
セッションID: 2A11
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
AATGプロセスは、超高次脱硫器と触媒部分酸化反応器で構成されるシンプルでコンパクトな合成ガス製造プロセスであり、装置建設費や炭酸ガス排出量の削減が期待でき、GTL、アンモニア、メタノール、DMEなどの製造装置に適用可能な技術である。平成20年度からは、炭酸ガス排出量削減と資源の有効利用を目的とし、洋上油田随伴ガスを原料とする洋上GTL向けの合成ガス製造プロセスとして、PSA等で製造した低純度酸素や空気を酸化剤として用いるAATGプロセスを開発中である。実証試験結果や洋上プラントへの適用可能性など、最新の開発状況を報告する。
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古川 森也, 宍戸 哲也, 田中 庸裕
セッションID: 2A12
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
我々はアルカン脱水素触媒としてPtSn/Al
2O
3、オレフィンメタセシス触媒としてRe
2O
7/Al
2O
3を選択しこれらの触媒をタンデム型に配置しプロパンを基質とするアルカンメタセシスについて検討を行った。触媒層を閉鎖循環系内で連結させ、触媒層の温度を独立に制御し反応を行ったところ、プロパン圧13.2 kPaにおいてアルカンメタセシス反応がアルカン選択率95%(エタン : n-ブタン = 1:1)で進行することを見出した。
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岩瀬 安慶, 小山 徹, 宮地 輝光, 本倉 健, 馬場 俊秀
セッションID: 2A13
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
エチレン転化反応によるプロピレン機構を明らかにするために、SAPO-34の細孔空洞内と気相に脱離した生成物を調べた。エチレン転化率が1%程度の反応条件下において細孔空洞内には炭素数10までのオレフィンとパラフィンが生成していた。このとき気相には炭素数が4以下の炭化水素、特にプロピレンの生成が確認された。一方、1-ブテンを原料として各種ゼオライトを触媒として反応をおこなうと、プロピレンの生成挙動はエチレンを原料とする場合と同じであった。以上の実験結果をもとに、プロピレンがオクテンを経由して生成していると推論した。また、反応に関与するオクチルカルベニウムイオンについても推定した。
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川口 真理恵, 飯田 肇, 五十嵐 哲
セッションID: 2A14
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
イソブタンの脱水素のためにすぐれた性能を示すPt/ZnO系触媒を用いて、プロパンの脱水素について検討を加えた。その結果、イソブタンの脱水素と同様に、Pt-Sn/ZnO-Cr
2O
3>Pt/ZnO-Cr
2O
3>Pt/ZnOの順に触媒性能が向上した。また、反応中に希釈剤をArからスチームに切替えたところ、Pt/ZnO触媒ではプロパン転化率とプロピレン選択率が著しく低下したが、Pt-Sn/ZnO-Cr
2O
3触媒ではプロパン転化率とプロピレン選択率が向上した。
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菊池 伊織, 田中 佑樹, 埴原 陽一, 大嶋 正明, 黒川 秀樹, 三浦 弘
セッションID: 2A15
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
1,3-ブタジエンは近年、合成ゴム原料として需要を高めており、石油精製時に得られる
n-ブタンを脱水素させて製造することで、供給量増加が見込める。そこで本研究では、様々なMg/Al組成比のMgO-Al
2O
3を担体として用い、担持Ptまたは担持Pt-Sn触媒を調製し、
n-ブタン脱水素反応を行った。活性試験の結果より、Snの添加・担体組成が触媒活性に与える影響を調査し、最適な担体組成比を決定した。
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西村 雅翔, 清水 研一, 薩摩 篤
セッションID: 2A16
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
液相還元法により調製したCu‐Ag合金ナノ粒子を用いることで、水素添加反応がCuやAgのみの単一金属触媒と比べ高収率、高選択的に進行することを見出した。また、本反応は担体、粒子径に依存するとともに組成比にも大きく依存し、合金の組成比が反応の選択性を大きく支配していることを明らかにした。
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土居 隼人, 山本 拓真, 神谷 裕一
セッションID: 2A17
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
クリーンなガソリン基剤である多分岐アルカンを製造するルートの一つとして、ジメチルシクロペンタン類の水素化開環反応が注目されている。先に我々は、高担持量のIr/Al
2O
3触媒が1,3-ジメチルシクロペンタン水素化開環反応に高い活性と選択性を示すことを報告した。本研究では、担持量を系統的に変化させた種々の担持Ir触媒を調製し、1,3-ジメチルシクロペンタン水素化開環反応に対する担体の効果を調べた。また、Irの物性と触媒特性との関連を議論した。
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川手 健祐, 河井 一郎, 市橋 祐一, 西山 覚
セッションID: 2A18
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
フリー
γ-ブチロラクトンから1,4-ブタンジオールへの液相水素化反応を、担持Pt触媒にZrO
2を添加した触媒を用いて行った。ZrO
2を添加したことで、水素活性能を有するPtの分散度が向上した。Pt/SiO
2に比べ、ZrO
2を添加した触媒では、収率が1 %から53.9 %に増加した。(触媒中のZrO
2含有量33 wt%)、一方、Pt分散度が同程度であるPt/Al
2O
3上では、収率が約6 %であった。この結果よりZrO
2を添加することはPtの分散度を向上させるのみではなく、カルボニル基を活性化させる効果もあるため、著しく活性が向上したと考察した。
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久野 弘尊, 寺村 謙太郎, 宍戸 哲也, 田中 庸裕
セッションID: 2A19
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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アルケンの水素化がMgO、ZnO、ZrO
2、La
2O
3などの固体塩基上で進行することが知られている。この反応には解離吸着した水素原子が反応に関与していることが報告されている。また、近年、Ga
2O
3上でH
2が解離吸着することが報告されている。本研究ではエチレン、プロピレン、1-ブテン、1、3-ブタジエンの水素化がGa
2O
3上で進行することを見出した。また、エチレン水素化については、MgOよりGa
2O
3の方が高い活性を示すことを見出した。
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北村 純平, 小澤 健一, 小松 隆之
セッションID: 2A20
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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液相還元法(液相法)を用いると、従来の含浸法などに比べ高分散した金属微粒子を得ることができる。また液相法において金属前駆体の混合溶液を用いると、二種類の金属を同時に還元・担持できる可能性をもつ。金属間化合物は金属単体とは異なる触媒特性をもつが、化合物や担体の種類によっては従来の調製法では担持微粒子の形成が困難な場合がある。本研究では液相法を用いて、金属間化合物微粒子Pt
3Tiを形成し、その触媒特性を解明することを目的とする。
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中村 匠, 小澤 健一, 小松 隆之
セッションID: 1B01
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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現在ディーゼル自動車は低燃費などの面から注目されているが、排ガスによる環境汚染が問題となっている。排ガス浄化のためにCOや未燃炭化水素を処理する酸化触媒として白金触媒が高い活性を示すが、さらに高活性、長寿命を持つ触媒の開発が望まれている。金属間化合物が水素化、脱水素反応に対して単体金属とは異なる特有の触媒特性を示すことが報告されているが、酸化反応に関する研究例はほとんどない。本研究では炭化水素燃焼反応に対するPt系金属間化合物の触媒特性について検討した。反応はパルス反応装置を用いて行った。
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松尾 尚史, 持田 達也, 石原 達己, 永岡 勝俊, 西口 宏泰, 瀧田 祐作
セッションID: 1B02
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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チタニアにPdを単原子状で分散させた触媒上に水素と酸素、プロピレンを導入すると室温で酸化プロピレンが生成する事を見出した。今回は反応開始直後の生成物の生成挙動を調べるとともに、きわめて低濃度で、単原子状に担持されたPd触媒上で水素の同位体交換反応が進行するのか調べ、反応機構に対して検討を行った。
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中谷 浩介, 村山 徹, 上田 渉
セッションID: 1B03
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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当研究室では結晶性Mo-V-O複合金属酸化物の合成に成功し、アクロレインの選択酸化反応触媒として非常に高い活性と選択性を有することを報告してきた。今回,種々の結晶構造を有するMo-V-O酸化物を触媒として用いることにより、構造の担う役割を明らかにすることを目的とした。それに加え、他の金属元素を添加し触媒性能との相関を調べることで、各金属元素の担う役割の解明および触媒性能の改良を検討した。
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田村 直也, 横井 俊之, 大友 亮一, 今井 裕之, 野村 淳子, 辰巳 敬
セッションID: 1B04
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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近年、地球温暖化対策としてバイオディーゼル燃料の需要が高まっている。しかし、副生成物であるグリセリンは剰供給となっており、処分が困難な状況である。そこで、グリセリンを有用な化学品へと直接転換するプロセスの確立が求められている。グリセリンの転換プロセスとして、酸化反応により有用化学品であるジヒドロキシアセトン(DHA)やグリセルアルデヒド(GCA)が生成する。本研究室ではチタノシリケート触媒を用いた様々な酸化反応を行っている。本発表ではグリセリンの転換プロセスについて検討を報告する。
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山野 仁詩, 出口 隆, 神野 智之, 岩本 正和
セッションID: 1B05
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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ポリビニルピロリドン(PVP)を保護剤として調製されたPdコロイド水溶液にH
2SO
4およびNaBrを添加した触媒系を用いて、水素と酸素からの直接H
2O
2合成の動力学を検討した。その結果、Pd/C触媒の場合と異なり、反応速度に対するH
2分圧の見かけ次数が1より大幅に小さく、またH
2分圧とともにH
2O
2選択率が向上する現象が見られた。この系に微量のPtを添加するとH
2O
2選択率をあまり下げることなく生成速度が向上した。これらの現象と反応機構の関係を考察する。
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井上 賀貴, 池田 光一, 市橋 祐一, 西山 覚
セッションID: 1B06
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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担持バナジウム触媒を用いたベンゼンの液相酸化反応では、フェノールが選択的に生成することが以前の研究より明らかとなった。しかし、この系では担持したバナジウムが反応溶液中に溶出するという問題から、触媒の再利用が困難であった。そこで、本研究ではYゼオライト細孔内にバナジウム錯体を内包させた触媒を調製することで、活性種であるバナジウム種の溶出を抑制し、再利用可能な触媒系の構築を試み、それぞれのフェノール生成活性について詳細に検討した。
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Rode C.V., Patil K.R., Kshirsagar V.S., 山口 有朋, 日吉 範人, 佐藤 修, 白井 誠之
セッションID: 1B07
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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コバルトサポナイト触媒(コバルト含有用を5-30%)を用いてクレゾールの液相酸化反応を行った(n-プロパノール溶媒、反応温度333-393 K、圧力20-827 kPa)。13%コバルト含有サポナイトは、92%転化率、92%p-ヒドロキシベンズアルデヒド選択率を示した。
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富岡 和志, 大野 了平, 市橋 祐一, 西山 覚
セッションID: 1B08
発行日: 2010年
公開日: 2011/01/25
会議録・要旨集
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有機合成において重要な反応であるBV酸化ではこれまで酸化剤に主として有機過酸を用いていたが、副生成物として有機酸が生成する。そこで過酸の代わりに酸化剤として副生成物がH
2OであるH
2O
2、触媒としてH型βゼオライトの酸点でカルボニル基を活性化させることにより、環境に低負荷な反応を行うことができる。しかし、酸化剤に用いるH
2O
2水溶液に含まれるH
2Oが酸点と強く相互作用し触媒を被毒し、活性や選択性の低下が起こる。そこで本研究では、cyclohexanoneからε-caprolactoneへのBV酸化反応において、H
2O
2水溶液を半回分操作で導入し、選択率の向上を検討した。
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