失語症者における動詞の多義性(同一動詞内におけるそれぞれの意味)の理解力を、親密度の視点から評価した。対象は、理解力が軽度から中等度の失語症者22名とした。個々の動詞が持つ複数の意味を親密度で分類し , 親密度が高い意味順にレベル1(L1)、レベル2(L2)、レベル3(L3)の3段階に分類した。そして , レベル別に文を作成し、それぞれの理解度を評価した。その結果、L1の正答率は L2と L3と比べて有意に高かった。このことより、理解力が軽度から中等度の失語症者において、動詞の多義性の理解には、親密度が影響する事が推察された。
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