幼稚園3歳児のうち,パソコン利用未経験児を対象に,マウス,
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による円模写課題を行い,クレヨンによる円模写とともに操作内容を比較検討した.その結果,まず,カーソルを始点へ同定させる所要時間については,マウスが
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やクレヨンよりも多く要することがわかった.また,円模写の軌跡の分析からは,マウスの場合,始点から140°の間でブレ幅が大きくなるのに対し,
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の場合,180°〜280°でプレ幅が大きくなるというように異なる部分での操作の困難性が確認された.さらに,円模写に要する時間については,
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,マウス共にクレヨンよりも多く要することがわかった.この結果より,幼児のパソコン利用導入期に操作を困難と感じさせてしまういくつかの具体的な可能性が示唆され,操作を習熟するまでのストレスや,操作の指導が行われる場合はその方法について留意する必要があると考えられる.
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