本研究はBegonia×hiemalisの葉柄片培養において,CO
2培地中糖濃度の測定により培養植物体の¢培地からのCO
2糖の吸収を抑制する光合成の開始時期£を推察し, そCO
2れをCO
2施用開始適期の推定方法として検討した.
CO
21.培地中の全糖濃度は培養後40日から急激に減CO
2少するが, 60日から減少が抑えられ始め, 70日以降CO
2はほとんど減少しなくなった. 60日から減少が抑えCO
2られ始めたことは培養植物体が¢培地からの糖の吸収CO
2を抑制する光合成£を始めたためと推察され, この光CO
2合成速度が増大する時期がCO
2施用開始適期と推定CO
2された.
CO
22.培養後70日以降, 培地からの糖の吸収がないCO
2ことから培養植物体は独立栄養生長を行っていると推CO
2察された. また, この時期に培地中に糖が多量に存在CO
2することから, 光合成で生合成された糖が, 培地中のCO
2糖より優先的に呼吸に利用されることが示唆された.
CO
23.培養初期に培地中ショ糖のブドウ糖と果糖へのCO
2分解が認められた. この現象は不定芽が分化しない培CO
2地でも認められ, 葉柄片による酵素的な分解と推察さCO
2れた.
CO
24.培地のブリックス糖度の測定によってもHPLCCO
2と同様に培養植物体の¢培地からの糖の吸収を抑制すCO
2る光合成の開始時期£の推察が可能であった.
CO
25.培養期間中の全糖濃度の減少量は9葉柄片区よCO
2り5葉柄片区のほうが多く, 培地中のショ糖の存在がCO
2培養植物体の培地中の糖吸収を良くすると仮説が立てCO
2られた. さらに, 糖の吸収が少なかった9葉柄片区とCO
21,5葉柄片区での培養植物体の生育が同じであったCO
2ことから, 9葉柄片区では1,5葉柄片区より光合成CO
2量が多かったと考えられ, 培地中のショ糖の存在が培CO
2養植物体の光合成を抑制すると推察された.
CO
26.培養後60日以降にCO
2施用を開始した培養植CO
2物体は展開葉が多く生育も良好であったが, 培養後CO
250日以前のものは芽が分化した状態で生育が停止すCO
2る葉柄片が多かった. 培養後40日から50日頃は不定CO
2芽が分化しかけている時期で, このときのCO
2施用CO
2は不定芽分化を抑制することが示唆された.
CO
27.培地中の全糖濃度変動による推定と実際のCO
2CO
2施用開始適期は一致し, 培地中の全糖濃度の経CO
2時的な測定によるCO
2施用開始適期の推定が可能でCO
2あることが示された.
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