カラギーナンに3種の天然ガム, すなわち
ローカス
トビンガム, タラガムおよびグアガムを添加し, 組合せによリゲル化剤としてのガム含量の合計が1%のゲルを調製し, 各ゲルのレオ窟ジー的性質を測定した.
1) レオロメーターより, 各ゲルの硬さ, 凝集性, 付着性を測定した.
ローカス
トビンガム, タラガムは添加量がおのおの0.25, 0.5%においてカラギーナン単一ゲルよりも高い.しかし添加量がさらに増すと硬さは著しく減少した.グアガムは0.1%添加によって, カラギーナンゲルより小さな値を示した.付着性はいずれのゲルにも認められず, 凝集性はガム添加によって増大したがとくに
ローカス
トビンガムとタラガムは0.25~0.5%において顕著であった.
2) レオロメーターのプランジャーの5回連続の上下運動により, 第1~第5の山の高さを比較した.ガム添加量の増加とともに, 第1の山と第2の山との高さの差が小さくなる.すなわち凝集性にもみられるように, ガム添加がカラギーナンゲルの脆性破壊特性を減少させるものと考えられる.
3) クリープメーターにより各ゲルのクリープ破壊曲線を求めた.ゲル破壊は
ローカス
トビンガム0.75%の含有ゲルで最大応力3.1×10
5dyn/cm
2, グアガム0.1%含有ゲルで最小応力3.1×10
5dyn/cm
5が認められた.またクリープ曲線からの粘弾性解析によると, いずれのゲルも6要素模型を示した.フック体の弾性率 (
E0), フォークト体の弾性率 (
E1), 粘性率 (η
1), ニュートン体の粘性率 (η
N) は, ガム添加量が0.5%以上において顕著な変化が見られた.
以上のことからカラギーナンへのガム添加は0.5%以下の添加量の場合について検討していくことがデザートゼリーの品質改良に関して必要であると考えられる.
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