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クエリ検索: "太田医療技術専門学校"
49件中 1-20の結果を表示しています
  • 石川 赴夫
    日本AEM学会誌
    2022年 30 巻 3 号 282-286
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/10
    ジャーナル フリー

     First, this article describes the features of motors used in drones. The discussion by the members of the investigating R&D committee on small motors and their control technology to satisfy service robots requirements has shown that the requirements for drone motors include "the durability and failure resistance" to avoid crashes, "the long-time drive", and "the weight reduction". Therefore, next, this article explains the methods for failure resistance, long-time drive, and weight reduction for the drone motors.

  • ―内部疾患により寝たきり状態に陥った症例への関わりの重要性―
    芳野 純, 黒目 桃子
    理学療法 - 臨床・研究・教育
    2010年 17 巻 1 号 65-67
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    高齢者は,軽度な疾病によっても容易に廃用症候群を来すとされているが,内部疾患など身体機能に重大な障害を来さない疾患に起因した安静による廃用症候群の場合はリハビリテーション(以下リハ)の専門家によりチェックされていないことがある。本研究の目的は,内部疾患に起因した安静による廃用症候群対象者2症例に対して訪問リハを行い,介入の方法とその効果を検討することである。2症例とも80歳を超える高齢者であり,内部疾患に起因した安静期間は1ヶ月以内であったが,長時間端座位保持困難で寝たきりに近い状態となった。介入早期から,家族・介助者指導および環境調整を行い,積極的に離床・日中座位保持を促し,外出・通所サービス利用開始へとつながった。本研究の結果から,内部疾患による廃用症候群に対する訪問リハは,著明な効果が期待されることが示唆された。
  • 髙橋 悠, 春日 壮晃, 大谷 知浩, 海津 陽一, 石井 大祐
    運動器理学療法学
    2022年 2 巻 Supplement 号 P-55
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル フリー
  • ─下肢での床押し力,身体特性,体幹機能,バランス機能に着目して─
    新井 清代, 芳野 純, 宮澤 満, 丸山 仁司
    理学療法科学
    2011年 26 巻 6 号 769-772
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/02/04
    ジャーナル フリー
    〔目的〕寝返り動作時,体幹パターンを変化させる関連因子(下肢での床押し力,身体特性,体幹機能,バランス機能)について統合的に検討した.〔対象〕若年健常者の計47名(男35女12)を対象とした.〔方法〕対象者の身体特性,体幹機能,バランス機能を評価した.また,全対象者に右側への寝返り動作を行わせ,体幹パターン分類を行うとともに,下肢での床押し力も測定した.さらに,体幹パターンを従属変数,他の測定項目を独立変数とし,ステップワイズ法による判別分析を行った.〔結果〕下肢での床押し力,胸腰椎部側屈角度の因子で体幹パターンを分類することができた.〔結語〕寝返り動作分析を行う際,体幹パターンを変化させる要因として下肢での床押し力,胸腰部側屈角度を考慮する必要がある.
  • *伊藤 元治, 宮下 智, 井波 敬三
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 648
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】運動療法の治療手技の一つとして固有受容性神経筋促通法がある。その特殊手技の一つとして、アプロキシメイションテクニックは、関節面を安定性させることを目的に選択されている。今回、アプロキシメイションテクニックを下肢に対して施行し、その前後での動的制御機構に与える即時
    効果について検討を行った。



    【方法】対象は十分なインフォームドコンセントを取れた健常者男性13名・女性10名、平均年齢は、20.6±2.2歳。方法は立位姿勢を維持させ骨盤から下肢方向へアプロキシメイションテクニックを交互に1分間行った。被験者にはできるだけ対称的な姿勢をとってもらい揺れが少なくなるように指示した。測定にはゼブリス社製ゼブリス超音波方式3次元動作解析システム重心動揺計の下4隅にノルディスク社製エアスタビライザーを置き、その上にレイデルアンドクラッチ社製ベラフィットマットを置き、不安定な重心動揺測定をテクニックの施行前後で行い比較した。測定項目はX軸・Y軸方向への最大移動距離、総軌跡長、外周面積の変化とし、統計処理は対応のあるt検定を用い、有意水準は5%とした。



    【結果】1)X軸方向への最大移動距離:施行前7.00±13.08cm施行後2.40±1.89cm 2)Y軸方向への最大移動距離:施行前8.20±7.90cm 施行後4.30±3.90cmで前後において有意差(P<0.05)が認められた。 3)総軌跡長:施行前41.00±46.90cm 施行後219.26±32.80cm 4)外周面積:施行前111.12±
    29.00cm2 施行後12.80±28.88cm2


    【考察】今回の研究結果は、Y軸方向への最大移動距離の短縮が認められたことによって、アプロキシメイションテクニックによる下肢の関節面への圧縮刺激が、即時的に下肢の動的制御機構に影響を与えることができたと考えられる。柳沢らにより、関節面への圧縮刺激は固有受容器への情報量を増加させ脊髄前角細胞の興奮性を高めることが証明されていることから、抗重力筋への刺激が増大し活動性が高まったことによってY軸方向への移動距離が短縮したと考えられる。


    【まとめ】以上のことから、ジョイントアプロキシメイションテクニックは、関節の安定性を得るために有用であると考える。また、日常では静的なバランス能力よりも動的なバランス能力が必要な機会が多いため、今後も圧縮刺激と身体の動的制御機構についてさらに研究を進めたいと考える。



  • 高田 晃多, 石川 赴夫, 橋本 誠司, 鈴木 伸
    日本AEM学会誌
    2022年 30 巻 2 号 251-257
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/05
    ジャーナル フリー

     The purpose of this study is to improve the average torque and reduce the torque ripple by optimizing the design of the IPM motor to be compared using the Taguchi method, which is a quality engineering method. First, the parameters of the entire motor were optimized using the average torque as the evaluation value. Next, the details of the motor are optimized by considering the torque ripple. In the optimal design for improving the average torque, the average torque was improved by increasing the number of turns and increasing the slot area without reducing the magnetic flux. In the optimal design for reducing torque ripple, the stator teeth were made close to the closed slot and the gap length was increased by shortening the tooth edge.

  • *大塚 智文, 宮下 智, 村上 貴秦
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 416
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     我々は、スポーツ選手のコンディショニング作りにスリングエクササイズ(以下、SET)を導入し、ローカルマッスル(以下、LM)及びグローバルマッスル(以下、GM)に対してのトレーニングを行っている。スポーツ選手は特に、視覚情報に対し即座に運動が対応できることが重要な要素となる。我々の先行研究では、通常トレーニングにLMトレーニングを加えることにより、視覚入力に対する体幹運動の正確性が増したことを報告した。これは、LMにより体幹の安定性が保障されたことで動作の正確性が増したと考えることができる。本研究は、LMトレーニングに加え、GMの高いレベルの課題を与えた場合、体幹運動の正確性が、全身運動反応に、どのような効果をもたらすのかについて明らかにするものである。
    【対象】
     関東大学アイスホッケーリーグ1部に所属する部員、男子28名 平均年齢19.5±1.0。
    【方法】
    1.SET課題は、1)立位にてスリングロープを両足にかけ、(空中で不安定になる)両手を放して姿勢を安定させる。2)身体を左にねじる。3)正面に戻す。4)身体を右にねじる。5)正面に戻す。以上の事を、上肢を使わないままで試行可能(成功者)か否か(失敗者)判定した。
    2.MRシステム(Index社製MR Low Back Extension IP-M4000)による体幹伸展運動の筋協調テストを行い、求心性および遠心性収縮で、視覚入力に対する運動出力の誤差を測定した。
    3.視覚運動反応時間はSenoh社製全身反応測定装置LC9700を使用し測定した。
     統計処理は、SET課題成功群と失敗群に分類し、t-検定を用い、危険率5%で検討した。
    【結果】
     課題成功者は9名で、運動出力の誤差平均は求心性収縮が8.47±2.1cm、遠心性収縮が7.83±1.5cm、平均反応時間は0.32±0.14秒であった。失敗者は19名、求心性収縮が7.21±1.5cm、遠心性収縮が6.86±0.6cm、平均反応時間は0.34±0.29秒であった。両群は反応時間において有意差が見られた(p<0.05)。
    【考察】
    本課題では、非常に不安定な状態での感覚‐運動系による姿勢制御を行いながら運動を行うことが要求される。まず課題遂行によりフィードバック制御による運動学習が起き、学習がさらに進むことでフィードフォワード制御が発達し、課題を成功させることが出来ると説明できる。課題成功者の視覚運動反応時間が速いことから、動的な姿勢・運動制御を行える者は視覚情報に対応した筋の素早い反応が可能であることが示唆された。また有意差は無いが、課題成功者の運動出力誤差は少なくなる傾向から、LMトレーニングにより体幹の安定性を得た者が、効果的にGMを強化することで、様々な環境に適した姿勢・運動制御の効率が向上することが示唆された。
  • ─鼠径部痛予防プログラム実施の有無が鼠径部痛に与える影響─
    藤﨑 和希, 横山 大輝, 横山 雅人, 井波 敬三, 新井 清代, 佐藤 友彦, 小林 雅津良, 大谷 知浩
    理学療法科学
    2024年 39 巻 2 号 86-90
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス

    〔目的〕男子高校サッカー選手におけるコペンハーゲンアダクションエクササイズ(CAE)が鼠径部痛の発生率,重症度に与える影響を調査すること.〔対象と方法〕205名(CAE実施群)と194名(CAE非実施群)を対象とした.鼠径部痛の傷害発生率(IR)は,1,000 player-hours(1,000 ph)の単位を用いた.重症度は,slight,minimal,mild,moderate,severeに分類した.〔結果〕IRはCAE実施群0.25/1,000 ph,CAE非実施群0.78/1,000 phで,リスク比は0.33であった.重症度は軽症,重症ともにCAE実施群とCAE非実施群で有意差を認めた.〔結語〕CAEの実施が,IRを30%低下させた.重症度では軽症,重症ともに低下させることが示唆された.

  • 横山 大輝, 満山 兼一郎, 吉田 美森, 藤﨑 和希, 横山 雅人, 井波 敬三, 新井 清代, 佐藤 友彦, 小林 雅津良, 大谷 知浩
    理学療法科学
    2024年 39 巻 2 号 72-78
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル オープンアクセス

    〔目的〕地域在住要介護高齢者の転倒・転落状況,および転倒・転落時の傷害の関係性について検証すること.〔対象と方法〕対象は通所リハビリテーション利用者のうち,転倒・転落した68名とした.調査方法は,転倒・転落事故状況調査票から年齢,性別,介護度,転倒・転落日,期間中の転倒・転落回数,転倒・転落場所(居室,浴室,屋外等),転倒・転落による傷害内容(骨折,打撲等),転倒・転落時の移動形態,主要疾患などを抽出した.〔結果〕転倒・転落時傷害と関連する因子として,男性,独歩,転倒場所廊下などが挙げられた.〔結語〕転倒・転落場所は寝室,廊下がおよそ4割を占め,およそ6割が転倒・転落時に何らかの傷害を有していた.さらに転倒・転落時の傷害の関連要因として,男性,独歩,転倒場所が廊下であることがわかった.

  • *南本 浩之, 東村 隆, 宮下 智, 安村 建介
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 152
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     近年、大腿骨頚部骨折術後の患肢には早期荷重が指示されることが多い。しかし全荷重可能になる日とその後の歩行能力やADLに及ぼす影響についての報告は少ない。疼痛自制内での全荷重が可能になることは、歩行の安定と大きく関係があると思われるため、今回、我々は患肢全荷重が可能になる期間が、杖歩行獲得へどう影響するのかを検討し、興味ある知見が得られたので報告する。
    【対象と方法】
     対象は、受傷前にADLが自立しており、麻痺のない大腿骨頚部骨折術後患者9例。男性2例、女性7例、平均年齢73.4±9.2才であった。術式は、非セメント型の人工骨頭置換術で、術後翌日より理学療法を開始し、疼痛自制内において、できるだけ荷重を指示し、荷重についての制限は行わなかった。全荷重可能日の判断は、平行棒内に体重計を2台置いて5回計測し、その全てにおいて全荷重をかけられた日を可能日とした。また杖歩行自立日は、100mを独力で歩行可能になった日とした。全荷重が可能になった期間が杖歩行自立期間に及ぼす影響を平均と相関関係で検討し、有意水準は5%とした。
    【結果】
    1)全荷重可能になった期間は、18.1±12.6日を要した。また杖歩行自立になるまでの期間は、23.0±14.4日を要した。
    2)全荷重の可能になった期間と杖歩行自立になった期間の関係は、r=0.88(p<0.05)であり、有意な相関関係が認められた。
    【考察】
     本研究の結果は、患肢に全荷重が可能になる期間が、杖歩行の獲得に大きく影響することを示唆している。全荷重の可能になった期間と杖歩行自立になった期間の関係に有意な相関関係が認められ、そこで示された回帰式から、杖歩行の自立を予測するには、全荷重可能までの日数から平均で5日前後には可能になると考えることができる。しかし全荷重が可能になるまでには患者により差があり、その原因のほとんどが、荷重痛であった。本研究の結果からも、全荷重可能になる期間をいかに短縮していくかが、重要であると考えられる。今後は、症例数を増やすとともに治療方法を再検討し、より詳細な検討を行っていきたい。
  • *佐藤 海渡, 新木 健太
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2024年 43 巻 O1-4
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 大腿骨近位部骨折(HF)術後患者において,歩行能力の予後を早 期に予測することは,退院先の検討や歩行の長期予後の予測に有 用である.本邦ガイドラインにおいても,術後歩行能力回復に影 響する因子について報告されている.近年,基本動作能力を評価 するcumulated ambulation score(CAS)と術後歩行能力の関 連が明らかになってきている.本研究の目的は,術後2週時の歩 行能力にどのような因子が関連しているかを明らかにすることであ る. 【方法】 対象は2022年6月~ 2024年1月に当院でHFに対し手術を施行し た患者のうち,65歳以上かつ受傷前に歩行が自立していた109例 とした.除外基準は術後免荷,多部位の外傷,内科疾患の合併, 術後在院日数2週以内の症例とした.調査項目は年齢,術後3日 間のCAS(3day CAS),簡易認知検査(AMTS),性別,骨折型, 受傷前歩行能力とした.対象を術後2週時の歩行能力により,杖 歩行獲得群,歩行器歩行獲得群,歩行未獲得群の3群に分類し単 変量解析を行なった.有意差を認めた項目を説明変数とし,術後 2週時の歩行能力を従属変数とした順序ロジスティック回帰分析を 行なった.統計ソフトはEZRを使用し,有意水準は5%未満とした. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言および当院の倫理規定に則り実施した. また個人情報に十分配慮し,患者情報を診療記録から抽出した. 【結果】 HF術後2週時の歩行レベルは,杖歩行獲得群32例,歩行器歩行 獲得群51例,歩行未獲得群26例であった.群間比較では,3day CAS(すべての群間),年齢(杖歩行獲得群VS歩行器歩行獲得群, 歩行未獲得群),AMTS(杖歩行獲得群,歩行器歩行獲得群VS歩 行未獲得群),骨折型(杖歩行獲得群VS歩行器歩行獲得群),受 傷前歩行能力(杖歩行獲得群VS歩行器歩行獲得群,歩行未獲得 群)で有意差を認めた.順序ロジスティック回帰分析では,3day CAS(OR:2.00,95% CI:1.54-2.72,P<0.01),AMTS(OR: 1.48,95% CI:1.22-1.84,P<0.01)が抽出された. 【考察】 本研究では,HF術後2週時の杖歩行,歩行器歩行,歩行未獲得 を決定しうる因子として3day CAS,AMTSが有用であることが 示された.当院ではDPC入院期間Ⅱを適正な在院日数として定め, 多職種で退院支援を行っているため,早期に術後2週時の歩行能 力を予測できることはその一助となることが示唆される.
  • DPCデータベースを用いた傾向スコア解析
    *五十嵐 達也, 加茂 智彦, 宮田 一弘, 田村 俊太郎, 小林 壮太, 海津 陽一, 齋藤 拓之, 久保 宏紀, 百崎 良
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2024年 43 巻 O1-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】 近年,診断群分類別包括評価(DPC)データを用いたフレイルリス ク評価法が考案され,その有用性が報告されている.脳外傷患者 のフレイルリスクは日常生活活動(ADL)の予後に影響することが 報告されているが,水頭症患者のフレイルリスクとADLの予後との 関連は検証されていない.本研究では,傾向スコアマッチング法 (PSM)を用い,高齢水頭症患者のフレイルリスクが退院時のADL に影響を及ぼすかを検証した. 【方法】 研究デザインは後方視的コホート研究とした.対象は2017年から 2022年にDPC対象施設に入院し,JMDCの施設データに登録さ れた65歳以上の水頭症術後患者1538名とした.フレイルリスク の指標であるHospital Frailty Risk Scoreにより,対象を低リス ク群(<5点)と中高リスク群(≧5)の2群に分類した.傾向スコアは, 先行研究からADLの自立度への影響が予想された背景因子(年齢, 性別,Body Mass Index, 入院時のBarthel Index(BI)スコ ア,入院施設のベッド数,入院時の意識障害の有無,入院年,入 院時の服薬数)から算出した.フレイルリスクで分類した2群間の PSMはキャリパーを伴う最近傍マッチング法を用い,適合の許容 度を各変数の標準化平均差(SMD)を算出して確認した.PSM後, 対応のないt検定により退院時のBIスコアとBI効率(BI利得/在院 日数)をフレイルリスクで分類した2群間で比較した.有意水準は 5%とした. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は既存データベースの個人情報を含まないデータを用いて おり,研究教育機関の倫理審査委員会で略式承認を得た. 【結果】 低リスク群1238名,中高リスク群300名に分類され,PSM後, 両群の対象は298名ずつであった.マッチング後のSMDはいず れも0.1以下であり,PSMの適合は良好であった.群間比較の結 果,低リスク群/中高リスク群の退院時のBIスコア(点)は68.3 ±34.0/60.9±34.1(p=0.009),BI効率( 点/日)は0.49/0.10 (p=0.034)で,いずれも中高リスク群で有意に低値であった. 【考察】 フレイルリスクは高齢水頭症患者の術後のADLの回復に影響する ことが明らかとなった.今回用いたフレイルリスク評価は,日常診 療から得られたデータを用いて実施することが可能であり,電子 カルテに実装することで,フレイルリスクを早期から評価すること が可能である.今後は,フレイルリスクの高い患者に対する術前 からの包括的介入や早期理学療法介入の有用性について検証する 必要がある.
  • *小林 壮太, 田村 俊太郎, 長谷川 智, 宮田 一弘, 塩浦 宏祐, 臼田 滋
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2024年 43 巻 P8-1-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】 Activities-specific Balance Confidence scale(ABC-scale) は,日常生活におけるバランスに関する自信を定量化できる指標 である.ABC-scaleは脳卒中者での使用が推奨されているもの の,生活期での使用が多く亜急性期脳卒中者における尺度特性は 検証されていない.尺度特性は各病期で異なる可能性があり,適 切な評価尺度を選択するためにも各病期で検討する必要がある. 本研究の目的は,亜急性期脳卒中者におけるABC-scaleの妥当 性,反応性,臨床的意義のある最小変化量(minimal important change:MIC)を明らかにし,尺度特性を検討することである. 【方法】 研究デザインは前向き縦断研究とし,対象は2020年6月から 2022年11月までに2施設の回復期リハビリテーション病院に入院 した亜急性期(発症7日~ 3か月以内)脳卒中者39名(男性23名, 年齢72.4±13.7歳,発症から測定までの日数22.7±11.3日)とした. 測定項目は,ABC-scale,Mini-Balance Evaluation Systems Test(Mini-BESTest),Comfortable walking speed(CWS), Maximal walking speed(MWS)とし,入院時と1か月後に測定し た.基準関連妥当性として入院時のABC-scaleとその他の指標と の関連性を検証した.反応性として入院時から1か月までのABCscale の変化量と,その他の指標の変化量との関連性を検証した. MICの算出は,Mini-BESTestが4点以上の変化を改善と定義し, ロジスティック回帰分析を用いてABC-scaleのMICを算出した. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は所属施設の倫理審査委員会にて承認を得た.対象者には研 究の趣旨について口頭および紙面にて説明し,書面にて同意を得た. 【結果】 ABC-scaleは入院時51.4±29.1%,1か月後67.6±27.3%であっ た.ABC-scaleはMini-BESTestと強い相関(rs=0.70)を示し, CWSとMWSとは中等度の相関を示した(rs =0.58,rs =0.60). ABC-scaleの変化量は,CWSとMWSの変化量とは相関を認め なかったが(rs =0.13,rs =0.19),Mini-BESTestの変化量とは 中等度の相関(rs =0.39)を認めた.Mini-BESTestが4点以上変 化した者は20名(51%)で,ABC-scaleのMICは15.4%であった. 【考察】 ABC-scaleはバランス機能や歩行能力と関連性を示し,バランス 機能の変化量と関連性を示したことから,亜急性期脳卒中者のバ ランスに関する自信を測定することに優れている評価であることが 示唆された.本研究で明らかになったABC-scaleのMICは臨床上 の変化を解釈する有益な指標となる.
  • *師岡 祐輔, 高倉 保幸, 國澤 洋介, *大久保 裕也, 荒木 心太, 齋藤 康弘, 勝見 紘也, 大林 茂
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2024年 43 巻 P8-1-2
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】 近年,軽症の不全頸髄損傷者は増加しており,早期に実用的な 歩行の再獲得が目標となるため,効果判定として多面的な動的バ ランス能力を評価する必要がある.本研究の目的は,亜急性期 の不全頸髄損傷者に対して有用な動的バランス能力の評価を確立 するために,Mini-Balance Evaluation Systems Test(Mini- BESTest)の検者内・検者間信頼性と最小可検変化量(MDC: minimal detectable change)を調査する. 【方法】 対象は,大学病院に入院し,理学療法を受け,手支持なしで30 秒間立位保持ができる不全頸髄損傷者20名(男性16名,女性4 名,年齢64.3±15.2歳)である.Mini-BESTestの実評価と同時 に動画撮影を行い,総得点と個別項目の検者内信頼性(1名によ る実評価と動画の評価)と検者間信頼性(3名による動画の評価) を検討した.総得点の検者内・検者間信頼性には,級内相関係数 (ICC:intraclass correlation coefficient)を用い,個別項目の 検者内信頼性には2次加重カッパ統計量(Kw),検者間信頼性には Kendallの一致係数(W)を用いた.また,Mini-BESTestの総得 点のMDCを算出した.統計解析にはR4.0.2を使用し,有意水準 は5%とした. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に準拠し,筆頭著者が所属する施設の研 究倫理委員会において承認を得て実施された(S22-079).全参 加者には,研究開始前に口頭および文書で研究内容が説明され, 研究参加への同意が得られた. 【結果】 Mini-BESTestの総得点の検者内信頼性はICCが0.98,検者間信 頼性のICCが0.97であり,信頼性が高いことが示された.個別項 目の検者内・検者間信頼性は,全て良好であったが,1項目「Rise to toes」で中程度の信頼性であった(Kw=0.52,W=0.58). Mini-BESTestの総得点のMDCは3.14点であった. 【考察】 亜急性期の不全頸髄損傷者に対するMini-BESTestは,総得点な らびに個別項目における検者内・検者間信頼性が十分であり,有 用な動的バランス能力の評価方法であることが示唆された.ただ し,「Rise to toes」の項目は,踵の挙上の程度を判断する際に変 動要因があると考えられ,評価時に留意する必要がある.Mini- BESTestはMDCが3.14点であることから4点のスコア変化が測定 誤差を超えた真の変化であると解釈でき,理学療法におけるバラ ンス能力の効果判定に役立つと考えられた.
  • 石黒 章郎, 小金澤 清文, 伊藤 泰蔵, 臼田 滋
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 臨床実習において学生は多くの成功体験により、自己効力感は高くなると考えられている。自己効力感が高まることで、自ら進んで学習するといった行動変容が期待される。また、学生は自ら進んで行動し学ぶことを要求されるため、臨床実習は理学療法士となる上での重要な成長過程である。しかし、未経験な環境下では、不安やストレスを感じることも少なくない。本研究の目的は、自己効力感とそれを高める上で障害となると考える不安について、臨床実習による影響を検討することである。【方法】 対象は、筆者の勤務する4年制専門学校の理学療法学科に在籍する2年生(48名、男33、女15)、3年生(65名、男40、女25)、4年生(59名、男42、女17)とした。調査時期は、2および3年生は2010年度、4年生は2011年度を対象とし、実習開始前と終了後の原則として1週間以内に各1回、質問紙調査を実施した。臨床実習の内容は、2年生で1週間の見学実習、3年生で3週間の評価実習、4年生で9週間の総合臨床実習(1期目)であった。測定項目は、一般性セルフエフィカシー尺度(General Self-Efficacy Scale: GSES)、不安の測定尺度である日本語版State-Trait Anxiety Inventory(STAI-JYZ)の状態不安尺度(STAI Y-1)と特性不安尺度(STAI Y-2)とし、加えて実習修了後には臨床実習に対する意識調査(意識調査)を測定した。意識調査は5件法で行い、臨床実習での満足感・達成感・ストレス・実力の発揮・学校教育(実習で学校教育は役立ったか)の5項目とした。そして、実習前GSES、STAI Y-1とY-2では学年間の差(1元配置分散分析)および実習前後の差(対応のあるt検定)、意識調査では学年間の差(Kruskal-Wallis検定)で比較し、実習前後のGSESおよびGSES変化量(実習後GSES-実習前GSES))について意識調査とのSpearmanの順位相関係数を求めた。結果の分析はSPSS Statistics Version19を用い有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は群馬大学医学部疫学研究に関する倫理審査委員会で承認されたものである。また、説明と同意については対象者で研究参加の説明を受ける同意が得られた場合に、研究の趣旨、協力の内容と方法を口頭および文書にて説明した。研究参加を決定した対象者には、質問紙表紙への学籍番号の記入、回収箱への投函をもって同意を得たものとした。その後、筆者以外の第三者により連結匿名化を行い個人が特定できないように配慮した。【結果】 回答に欠損がなく、かつ実習前後での比較が可能なものを検討の対象とした。2年生で38名(回収率79.2%、男27、女11)、3年生で31名(47.7%、男20、女11)、4年生で33名(55.9%、男19、女14)であった。実習前後のGSESは2年生で5.3±3.4、5.7±4.2、3年生で5.0±4.5、4.8±4.7、4年生で4.1±4.2、4.3±4.6であった。STAI Y-1は53.2±9.4、42.6±10.0、58.3±8.1、48.4±11.5、58.2±9.6、46.8±11.0であり、全学年で実習後には有意に減少した。STAI Y-2は50.3±8.0、49.7±7.8、54.2±12.0、53.8±10.6、55.5±9.8、53.8±10.6であった。STAI Y-1では学年間での有意差を認めたが、学年間の有意な組み合わせはなかった。また、意識調査では2年生に比較して3および4年生で満足感、実力の発揮、学校教育で有意に低値を示し、さらに3年生でストレスに有意な高値を示した。しかし、達成感では有意差を認めなかった。さらに、GSESと意識調査との関連性では、学校教育とは有意な相関は認められなかった。実習前GSESでは3年生の達成感(r=0.39)、ストレス(r=-0.46)と、実力の発揮とは2年生(r=0.41)および3年生(r=0.38)で有意な相関が認められた。実習後GSESでは4年生の満足感(r=0.55)と、達成感とは3年生(r=0.37)および4年生(r=0.44)で、実力の発揮とは2年生(r=0.55)および3年生(r=0.43)で有意な相関が認められた。GSES変化量では、ストレスとは4年生(r=-0.37)で、実力の発揮とは2年生(r=0.45)で有意な相関が認められた。【考察】 各学年での臨床実習では目標や期間が異なるが、STAI Y-1の変化より実習に対する不安やストレスまた終了後の安堵感は共通する。一方、実習によるGSESの変化は認めなかった。これは、実習では自己効力感に比べて不安やストレスをより認識したことによるものと考える。しかし、GSESは実習前、実習後、変化量ともに意識調査の満足感、達成感、ストレス、実力の発揮との間に有意な相関が認められるものもあり、臨床実習の影響を判断、予見する上での活用が期待されるものと考える。【理学療法学研究としての意義】 本研究の結果により、理学療法学生の自己効力感および不安への臨床実習による影響を明らかにする。これにより、臨床実習内容の改善、学生個人の特性に配慮した効果的な臨床実習教育および学内教育に活用することが期待される。
  • 新井 清代, 丸山 仁司, 勝平 純司
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
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    【はじめに、目的】 寝返り動作は身体背部すべてがベッド上に接した状態で開始され,支持基底面が連続的に変化する非常に複雑な動作であり,動作を客観的に分析した研究はわずかである.このことから,理学療法士が患者に対し寝返り動作を指導する場合,様々な動作方法で行われている現状にある.また,若年健常者における寝返り動作開始時,下肢での床押し力で体幹運動パターン(骨盤と肩甲帯が分離して回旋,骨盤と肩甲帯が同時に回旋)が判別できると報告されている.そこで本研究は,寝返り動作のパターンを決定する要因が動作にどのような運動学,運動力学的な影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした.【方法】 対象は若年健常者11名(平均年齢21.9±1.8歳)とした.計測は体表に赤外線反射マーカー26点を貼付し,三次元動作解析システムVICON 612(カメラ8台)と筋電計(DKH社)を用いて行った.寝返り動作計測に先立ち,静止立位の測定を行い,その後,動作時間(「できるだけ速く」,「3秒」)と下肢での床押し力(「床をできるだけ強くおす」,「床をできるだけ押さない」)で条件設定し,右側への寝返り動作を施行させた.計測したマーカー位置より上部体幹(体幹に対する頭部の)角度,下部体幹(骨盤に対する体幹の)角度を算出し,静止立位角度により補正した.動作時のベッド床反力の変化を簡易ベッド下に配置した6枚の床反力計により計測した.動作時の右内・左外腹斜筋,右腹直筋,左腰背筋の筋活動を筋電計より計測した.各筋電図測定値は最大随意収縮時の振幅値を100%として正規化した.各条件下で行った測定値の平均を最大随意収縮値で除し,最大随意収縮に対する割合(%MVC)を求めた.分析は,体幹角度,体幹筋活動値,ベッド床反力値の平均値を従属変数とし,動作時間と下肢での床押し力の2要因で二元配置分散分析を行った.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は,国際医療福祉大学倫理委員会の承認を得,対象者に書面及び口頭にて説明し,承諾を得て行った.【結果】 体幹角度では,下肢での床押し力の要因で,上部体幹の屈伸角度,下部体幹の屈伸・回旋角度に主効果がみられ,強い床押しをさせた場合,動作中の体幹角度の減少と骨盤からの回旋運動が起こる動作パターンとなる傾向がみられた.一方,床を押さないよう指示した動作では,動作中の体幹角度の増大と頭部からの回旋運動が起こる動作パターンとなる傾向がみられた.体幹筋活動では,下肢での床押し力の要因により,腹直筋・外腹斜筋活動値に主効果がみられ,強い床押しをさせた場合,腹直筋・外腹斜筋活動値の減少が見られた.ベッド床反力は,動作時間において,左右成分に主効果がみられ,動作時間が速い動作の方が,大きい値を示していた.【考察】 寝返り動作開始時,下肢で強く床を押させた動作では,体幹角度値が小さくなったことから,体幹パターンは骨盤と肩甲帯があまり分離しないで回旋するパターンとなることを意味していた.しかし,床押しにより,動作開始時に骨盤の速い回旋運動が起こることで,床押しをできるだけさせないように指示した動作に比べ,動作中の腹直筋・外腹斜筋活動値の減少が見られた.一方,床押しをできるだけさせないよう指示した動作では,骨盤と肩甲帯の分離は大きいが,頭部・肩甲帯からの回旋運動となり,動作中の体幹角度や腹直筋・外腹斜筋活動値が大きい値となっていた.すなわち,強い床押しは,床押しにより得られた反動を利用し,骨盤の速い回旋運動が誘発され,身体の中で比較的重い骨盤・下肢からの動作となるため,腹直筋・外腹斜筋活動値の減少が見られたと考えられた.骨盤と肩甲帯の分離運動は,寝返り動作のみならず,起き上がり,前方リーチ,その場での360°ターンといった身体活動において重要な要素である.しかし,本研究の結果より,寝返り動作開始時,下肢での床押しを利用することで,体幹の分離運動のみならず,下部体幹(骨盤)からの分離運動を行わせることで腹直筋・外腹斜筋活動の面では効率の良い動作が行えると考えられた.【理学療法学研究としての意義】 今回の寝返り動作における運動学的分析により,下肢での床押し力を活用させた寝返り動作では,速い骨盤の回旋運動が起こることで,腹直筋・外腹斜筋活動が減少することが明らかとなった.これらの結果は,腹直筋・外腹斜筋の筋力低下を有する症例に対し,動作指導を行う場合に有効であると考えた.
  • 芳野 純, 臼田 滋
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 OS3-080
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
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    【目的】
    教育において、どの程度学び・成長したかを確認するための評価は必須である。これは理学療法士資格取得後の継続教育に関しても同様である。しかし現状では、理学療法士の臨床能力を評価する評価尺度は存在しない。本研究の目的は、理学療法士の継続教育に活用するための「理学療法における臨床能力評価」の開発および、その信頼性を確認することである。
    【方法】
    評価項目は、先に実施した15名の職員指導経験者に対する自立した理学療法士の能力に関する質的研究の結果より抽出された、7個のカテゴリー(理学療法実施上の必要な知識・臨床思考能力・医療職としての理学療法士の技術・コミュニケーション技術・専門職社会人としての態度・自己教育力・自己管理能力)と50個のサブカテゴリーを参考に選定した。本評価は7つの大項目と53項目の採点項目で構成されており、53項目は、1~4点の4段階評価(合計53~212点)にて採点される。53項目以外に、全体の能力評価として評価対象者が理学療法士としてどの程度自立しているかに関して、Visual Analogue Scale(以下:VAS)による評価を追加した。調査対象は、関東圏内の6つの医療施設に所属する理学療法士とし、(1)資格取得後の経験年数が3年未満の職員(以下:被指導者)、(2)被指導者を主に指導している職員(以下:主指導者)、(3)被指導者に対して主指導者の補佐的に指導している職員(以下:副指導者)各30名、合計90名とした。被指導者は自己評価を、主および副指導者は被指導者に対する他者評価を実施した。被指導者と主指導者に関しては、1週間の期間を空けて、計2回評価するよう依頼した。調査結果の解析は、被指導者・主指導者の検者内信頼性および、主指導者と副指導者の検者間信頼性を、項目毎にカッパ係数にて一致率を算出した。同様の組み合わせで53項目の合計点数およびVASを、級内相関係数(Intraclass correlation coefficients:以下ICC)にて算出した。さらに、VASと合計点数をピアソンの積率相関係数にて算出した。
    【説明と同意】
    本研究は群馬大学医学部疫学研究に関する倫理審査委員会より承認を得ている。本研究は無記名にて実施したため、対象者に対して書面にて研究内容を説明した。研究への同意は、施設管理者のみ同意を得て、対象者個人に対して同意書作成はせず、研究への協力をもって同意を得たものとした。
    【結果】
    被指導者の経験年数は、1年目13名・2年目7名・3年目10名であり、平均経験年数は1年8.1ヶ月、主指導者の平均経験年数は5年4.5ヶ月、副指導者の平均経験年数は7年9.1ヶ月であった。各項目の検者内のカッパ係数による一致率は、被指導者は0.45~0.86、主指導者は0.46~0.88であり、53項目全てが中等度から高い一致率であった。検者間の一致率は-0.30~0.55であり、ほとんどの項目で低い一致率であった。本評価の合計点数のICCは、被指導者の検者内は0.93、主指導者の検者内は0.96であったが、検者間は0.26であった。VASのICCは、被指導者の検者内は0.97、主指導者の検者内は0.96であったが、検者間は0.31であった。合計点数とVAS相関係数は、主指導者r=0.91、副指導者r=0.85、被指導者r=0.77であった。
    【考察】
    解析の結果、項目により差はあるが、主指導者および被指導者とも検者内の一致率は中等度から高い結果となった。この結果より本評価は、項目単位においても中等度から高い再現性があると考えられる。しかし検者間は、ほとんどの項目で低い一致率となった。これは、全体の能力評価としてのVASの結果が示すように、被指導者に対する評価が、主指導者・副指導者間で相違がある事による影響が強いと考えられる。原因としては、副指導者は補佐的に指導しているため、被指導者に対して接する時間が少なく、十分に評価しきれていないことが考えられる。評価合計点と全体的な能力を示すVAS、は高い相関があり、本評価は指導者の全体的な評価を反映した結果が得られると考えられる。今後は、因子分析を行い、因子妥当性を調査する予定である。
    【理学療法学研究としての意義】
    理学療法士の継続教育を充実させることは必須であり、そのためには到達目標とそれに準じた評価尺度が不可欠である。理学療法士に求められる能力は多岐にわたり、継続教育の場面では被指導者のどのような能力が優れており、どのような能力が不十分であるかを明確にする必要がある。本評価は、理学療法士の詳細な能力を評価するために開発しているものである。信頼性と妥当性を確認した後、本評価を実際に利用することにより、理学療法士の質の向上に貢献するものになると考えている。
  • 下肢での床押し,身体特性,体幹機能,バランス機能に着目して
    新井 清代, 芳野 純, 宮澤 満, 松井 恵子, 日高 彰雄, 村上 貴恭, 根上 雅臣, 丸山 仁司
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 OF2-017
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
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    【目的】
    寝返り動作は、起立動作や歩行など他の起居移動動作と比べ、重心が低く支持基底面の広い背臥位から重心位置が高く支持基底面の狭い側臥位へ移行させる不安定な姿勢変換である。よって、理学療法士が臨床現場で行う動作分析において、寝返り動作は、動作パターンが多様であり、通常、動作を理解しやすくするために行う動作分解は困難である。寝返り動作における先行研究では、動作パターンに着目し、健常成人において、上肢、下肢、体幹はそれぞれパターン化できたが、各体節間の定量的なものは認められなかったと報告されている。一方、運動学的分析により、寝返り側の反対側下肢での床押し力に応じて、骨盤回旋速度・角度が決定するとの報告もある。また、寝返り動作の可否における先行研究では、腹筋力が関係していると言われており、寝返り動作時、身体近位部の固定、全身の抗重力位での支持をする作用として体幹機能は重要な条件と考える。よって、本研究では、寝返り動作時の体幹パターン(骨盤帯と肩甲帯の回旋順位)に着目し、下肢での床押し、身体特性、体幹機能やバランス機能などの因子が体幹パターンと関連があるか明らかにすることを目的とした。
    【方法】
    対象:若年健常者計47名(男35女12)を対象とした。また、腰痛を呈する者に関しては、被験者から除外した。被験者の身体特性は、年齢、性別、身長、体重、BMI(Body mass index)値とした。方法:寝返り動作における条件設定として、ベッド臥床からの右側への寝返り動作(背臥位→側臥位)とし、開始肢位は両上肢腹部挙上、左膝関節90度屈曲位、終了肢位は完全側臥位とした。さらに、動作遂行時間において「できるだけ早く」、「2秒にて統一」、「3秒にて統一」にて設定した(2秒、3秒においては、メトロノームを使用した)。また、課題動作の施行順序はランダムに行った。各動作遂行時間における寝返り動作をビデオ撮影し、体幹パターン分類を行った。体幹パターン分類は、動作開始時、骨盤と肩甲帯のどちらの回旋が先行して、あるいは同時に開始されたかについて、2つに分類した(1:骨盤→側臥位、2:骨盤・肩甲帯同時→側臥位 )。ビデオ撮影と並行し、両側足部下にマンシェットを固定し足圧を測定した。バランス機能評価として機能的リーチ・テスト(functional reach test)を行った。体幹機能の評価として、関節可動域測定(胸腰部前後屈、回旋角度、側屈角度)、HHD(hand-held dynamometer)を使用し、メイクテスト方式にて体幹筋力(体幹屈曲・回旋・伸展筋力)を測定した。検査者は同一者とした。統計解析は、体幹パターンを従属変数とし、身体特性、体幹機能、下肢での床押しなど、すべての測定項目を独立変数とし判別分析を行った。変数のうち名義尺度を0,1のダミー変数とし、有意差は危険率5%水準で判定した。
    【説明と同意】
    対象者には、予め本研究の主旨を書面及び口頭にて説明し、承諾を得た。
    【結果】
    寝返り動作時の体幹パターンを従属変数、各測定項目を独立変数とした判別分析では、「できるだけ早く」、「2秒」時の判別分析において有意な判別式が得られた (p<0.05)。しかし、「3秒」での寝返り動作では、有意とならなかった。正判別率は「できるだけ早く」=95.7%、「2秒」=85.1%であった。各独立変数の標準化正準判別関数係数は、「できるだけ早く」では、足圧(1.2)、身長(0.8)、胸腰部側屈角度(0.8)であり、「2秒」では、足圧(0.8)、胸腰部側屈角度(0.7)、体幹回旋筋力(0.6)であった。
    【考察】
    動作遂行時間「できるだけ早く」、「2秒」では、下肢での床押しやその他の身体機能と関係がみられたが、「3秒」ではみられなかった。これは、動作遂行時間が速ければ下肢の床押しによる反動を利用しての寝返り動作となり、下肢の床押しで始動した骨盤回旋が肩甲帯回旋へと移行される。しかし、遂行時間が遅い場合はその反動を上手く利用できず骨盤回旋から肩甲帯回旋への移行に、ばらつきが出たと考える。健常若年者における寝返り動作では、「下肢での床押し」を反動に利用し、身体特性として「身長」、体幹機能として「胸腰部側屈角度」、「体幹回旋筋力」が動作始動時の体幹パターン(骨盤帯と肩甲帯の先行順位)に関係していると考える。
    【理学療法学研究としての意義】
    今回、寝返り動作を体幹パターンに着目し、関連する因子について検討を行った。寝返り動作は、動作分析を行う際、起立動作や歩行などに比べ、動作自体が未だ画一化されていない。よって寝返り動作パターンに関連する因子を検討することは理学療法研究として意義は高い。
  • *谷口 忍, 松原 淳一, 橋本 洋一郎, 本田 正美, 国中 優治, 壇 順司
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 151
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
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    【目的】在院日数の短い急性期医療を担う当院においては、手術後の効率的な理学療法の展開を念頭に進めている。運動療法を実施する上で栄養状態などの全身状態は重要な因子と考えられ、これらを加味したアプローチは必須である。そこで、血清アルブミン値の推移を外傷群(大腿骨頚部骨折群)と機能再建群(人工関節施行群)にて調査・比較したところ、若干の知見を得たのでここに報告する。
    【対象】大腿骨頚部骨折後手術を施行した178例(81.3±8.7歳)をA群とし、変形性股関節症にて全人工股関節置換術・変形性膝関節症にて全人工膝関節置換術を施行した79例(73.9±6.1歳)をB群とした。
    【方法】1)過去約2年間のA群とB群の血清アルブミン値を、入院時または入院前(以下、入院時)・手術後・術後2週から退院時(以下、退院時)ごとにMann-WhitneyU検定により比較した。2)各群の時期による値の変化を多重比較検定にて行なった。3)両群において、時期別に低栄養状態を示す割合を抽出した。なお、東京都老人総合研究所の提案する3.8g/dl(以下、単位略)を低栄養状態のスクリーニングポイントとした。
    【結果】1)入院時のA群は3.4±0.38、B群は4.1±0.28、手術後のA群は2.8±0.47、B群は2.9±0.26、退院時のA群は3.6±0.37、B群は3.7±0.31であった。入院時・手術後においては2群間に有意差がみられた(P<0.01)。2)A群では入院時に比べ手術後の値は低下し、退院時の値は上昇し最も高値となった。B群では入院時に比べ手術後の値は低下し、退院時の値は上昇したが入院時の値より低値であった。両群共に各時期において有意差がみられた(P<0.01)。3)入院時のA群80%、B群12%、手術後A群97%、B群99%、退院時A群63%、B群62%であった。
    【考察】入院時のアルブミン値は、両群に有意差がみられ、A群が低値を示した。これは低栄養状態を示す割合がB群で少なかったことからも、骨折による出血や点滴などが原因と考えられる。手術後は、両群に有意差はみられたが平均値の差はわずかであり、低値を示す割合が両群とも90%を超えることから、手術においては出血及び点滴・輸血などで低値を示すことが確実であるといえる。退院時は、手術後低下した値が2から4週経過後も低値を示し、両群に有意差はみられなかったことからも栄養状態の改善が不十分であったと考えられる。今回の調査で、両群共に手術後から退院時までの期間は低値を示し、筋力増強運動を実施する上で栄養状態と関連することが明らかとなった。従って、運動の効果をより効率良いものとするためには、他職種との連携による栄養状態の把握とその積極的な介入が必要であり、退院後のフォローを含め日常からの把握は、転倒予防に重要であることが考えられた。
  • *丸山 倫司, 須藤 拓也, 長福 武志, 岸本 稔, 大島 正道, 畑中 秀行, 高濱 照
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 647
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
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    【目的】
     固有受容性神経筋促通法(以下、PNF)運動パターンでは、施行側だけでなく反対側の筋収縮も促通される。特に骨盤帯は左右連結しているため、骨盤帯の運動は両側の筋活動で行われていると考えられる。今回、PNF骨盤パターンを含む、レシプロカルパターン施行時に両側の外腹斜筋・内腹斜筋の表面筋電図(以下、EMG)を測定し検討を行ったので報告する。
    【方法】
     対象は健常成人男性6名で平均年齢は25.17±3.31歳であった。筋電計はNoraxon社製 Myosystem1200を用い、解析には同社製解析ソフトMyoResearch ver.2.02を使用した。測定肢位は右側臥位で、両側の外腹斜筋と内腹斜筋のEMGを測定した。電極の位置は外腹斜筋では第8肋骨外側下の筋線維走行に沿って、内腹斜筋では上前腸骨棘を結んだ線の2cm下方に水平に貼付した。PNFは肩甲帯と骨盤の動きが複合されたレシプロカルパターンで、1)右肩甲骨後方下制+右骨盤前方挙上(以下、R1),2)右肩甲骨前方挙上+右骨盤後方下制(以下、R2)を行いEMGを計測した。波形は全波整流処理し、パターン施行時間のEMGの中心位置から前後0.25秒(合計0.5秒)の筋電積分値(以下、IEMG)を算出した。統計処理は対応のあるt検定を用いた。
    【結果】
     R1パターンのIEMG(単位はμVs)は、右外腹斜筋66.49±39.0、左外腹斜筋9.34±8.3、右内腹斜筋17.80±25.6、左内腹斜筋48.74±34.8であり、施行側(右)では外腹斜筋,対側では内腹斜筋がよく活動していた。R2パターンでは右外腹斜筋7.53±4.12、左外腹斜筋51.48±27.4、右内腹斜筋34.1±26.1、左内腹斜筋7.93±3.6であり、施行側では内腹斜筋、対側では外腹斜筋が活動していた。同一筋のIEMGを比較すると、外腹斜筋は両側において骨盤挙上側が骨盤下制側より有意に大きく、内腹斜筋は対側(左)において骨盤下制側の方が有意に大きかった。
    【考察】
     左右の筋活動がR1、R2の拮抗パターンで反対に入れ替わることから、一側骨盤へのアプローチにより、対側の骨盤に拮抗運動が生じていることが示唆された。つまり一側へのアプローチが同時に対側の筋にもアプローチしていることになり、臨床的に有用な結果である。また、内腹斜筋の活動が特徴的であり、骨盤下制時に活動していることがわかった。この結果は、EMGを採った部位が内腹斜筋下部線維であり、その筋線維走行が内上方から外下方となっているため、骨盤の下制や固定に関与しているのではないかと考えた。
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