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クエリ検索: "点頭てんかん"
869件中 1-20の結果を表示しています
  • 高尾 龍雄, 奥野 武彦, 伊藤 正利, 吉岡 三恵子, 三河 春樹
    てんかん研究
    1984年 2 巻 2 号 115-121
    発行日: 1984/09/30
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    1961年から1977年の間に京都大学医学部小児科を受診し
    点頭てんかん
    と診断された者のうち, 3年以上の長期予後が調査できた100人について検討した。生存者88人のうち40人 (46%) で発作は消失しており, 9人が普通学級へ通学していた (そのうち7人が正常な知能を持っており, 2人が境界の知能であった)。知的予後は以下の群で良好な傾向があった。1) 初発が6ヵ月以降, 2) 発症前発達が正常, 3) 特発例。
    発作予後は次の群で良好な傾向があった。1) CT像, PEG像が正常, 2) 初発時の発作がシリーズ形成し, 典型的ヒプスアリスミアを示したもの。また良好な運動機能を持つ子どもほど他の子どもと接触する機会が増え, 社会的問題が親の訴えとして増えてきた。
  • 5~10歳時の発作型および脳波像について
    根来 民子, 渡辺 一功, 松本 昭子, 杉浦 ミドリ, 岩瀬 勝彦, 原 紀美子, 宮崎 修次
    てんかん研究
    1983年 1 巻 1 号 40-45
    発行日: 1983/05/31
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    162例のWest症候群患児について, 5~7歳時, 8~10歳時の発作型および脳波像について, さらに, それらと身体知能予後との関連について検討した。発作消失例は約1/3であり, 発作存続例の約80%は全汎発作を, うち80%以上が強直発作を持っていた。脳波が正常化したのは約10%で, 焦点性発作波, 全汎性発作波がほぼ同数認められたが, 焦点性発作波がわずかに多かった。全汎発作の症例の約30%は焦点性発作波を示し, 局所性焦点性発作波を示すものもあった。発作もなく, 脳波も正常化した症例の2/3は身体知能予後も正常であったが, 全汎発作の症例では, 身体知能障害が70%以上に認められた。
  • 高谷 清, 橋本 加津代
    脳と発達
    1978年 10 巻 4 号 291-296
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    に治療を行ない, その治療効果を検討した.
    点頭てんかん
    全例にACTH (Cortrosyn-Z) を1日0.25mg (1才以下), 0.5mg (1才以上) 毎日連続筋注を30日間行なった. これにnitfazepam (Benzalin) を併用した.これで効果のないものには他の薬剤を加え, さらに種々の薬剤によって効果の認められない症例にはケトン食療法を行なった.
    対象は
    点頭てんかん
    47例, Lennox症候群11例で,
    点頭てんかん
    47例中ACTH+nitrazepamによって発作消失したものは20例, 他の薬剤を加えて発作消失したもの6例, ケトン食で発作消失したもの4例, 計30例 (63.8%) であった.
    ACTHの治療効果がはっきりしている17例について, 発作消失までの日をみると3日目から9日目に9例, 10日目から19日目まではみられなくて, 20日目から30日目までに8例消失した. 特発群5例はいずれも10本目までに発作が消失し, 知能障害群10例, 脳性マヒ群2例は10本目までのグループと20本以後のグループに分れていた.
    以上によりACTHは2週間連用で漸減にうつるのではなく, 30日連用するのがよいと考える.
  • 鈴木 伸幸, 関 亨, 山脇 英範, 木実谷 哲史, 前沢 真理子, 立花 泰夫, 山田 哲也, 清水 晃
    てんかん研究
    1985年 3 巻 1 号 31-39
    発行日: 1985/04/30
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    年以上追跡しえたWest症候群 (W群) 37例 (うちLcnnox症候群に移行したもの14例を含む), Lennox症候群 (L群) 29例 (うちWest症候群から移行したもの14例を含む), 合計52例をWからLに移行した群 (C群), WからCを除いた群, LからCを除いた群の3群に分類し, 長期予後と予後予測因子について検討した。ADLの予後はC群が最も悪かった。WからLへの移行危険因子は発症年齢, treatment Iag, ホルモン剤の初期治療効果, 発症前発達であった。ADLの予後に影響を及ぼす因子は, Wcst症候群ではホルモン剤の初期治療効果, 発作の再発または持続, Lennox症候群では発作の持続, 基礎疾患, 脳波上の発作波の持続であった。
  • 三宅 捷太, 山下 純正, 山田 美智子, 岩本 弘子, 関戸 謙一, 山口 和郎, 原 正道, 佐々木 佳郎
    脳と発達
    1986年 18 巻 4 号 316-321
    発行日: 1986/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳腫瘍により
    点頭てんかん
    が発症したと考えられる症例報告は少ない. 大脳皮質運動領の限局性脳腫瘍が認められた
    点頭てんかん
    の1例を報告した. 症例は10カ月男児で生後7カ月の突発性発疹症の発症後にBNS発作を示し, 生後10カ月に受診し
    点頭てんかん
    と診断された. 初診までの発達・発育は正常で理学的・神経学的所見に異常を認めなかった. 入院時のCT・髄液に異常なく, 脳波上, 焦点性異常のないmodified hypsarhythmiaを認めた. 種々の抗痙攣剤, ACTH療法に抵抗した. 生後11カ月に, 軽度の左下肢麻痺が出現し, CTにて右頭頂葉傍矢状部付近にmass effectを伴わない高吸収域を認めた.2歳時に摘出術を行い, gangliocytomaの病理診断を得た. 症状は術後にやや改善したが, 依然として治療に抵抗性である.
  • 鈴木 伸幸, 関 亨, 山脇 英範, 木実谷 哲史, 前沢 真理子, 立花 泰夫, 山田 哲也, 清水 晃, 山崎 徹夫
    脳と発達
    1986年 18 巻 5 号 365-371
    発行日: 1986/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    5年以上経過観察しえた
    点頭てんかん
    を特発性 (C), 症候性 (S) に分類し, さらに初期療法に基づいて, C1, S1 (ACTH-Z 0.25mg [10単位] ~0.5mg [20単位]/日を14日以上連日投与例), C2, S2 (上記以下の量, 回数でのACTH, または他剤投与例) に分類した。C1 13例, C2 9例, S1 4例, S2 12例である. 現在発作があるものは, C1 8%, C2 11%, S1 50%, S2 58%, 普通学校に在学, 卒業したものは, C1 69%, C2 44%, S1 0%, S2 8%である. C1の発作, 教育的能力は良好であり, 欧米における大量, 長期療法に比し, その長期予後に関して, ほぼ遜色のない成績を得たが, さらに少量短期投予例を含むC2との差異は今後の検討課題としたい.
  • 栗山 政憲, 小西 行郎, 藤井 靖史, 安嶋 美紀, 須藤 正克, 小西 薫, 中村 凱次, 一瀬 亨
    脳と発達
    1992年 24 巻 5 号 469-474
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    We investigated the effect of long-term, low-dose ACTH in 13 patients (10 boys and 3 girls) with infantile spasms who were treated with low-dose ACTH (mean: 0.0081 mg/kg/day). Two patients (one boy and one girl) received this therapy twice because of relapse of tonic spasms. ACTH was injected intramuscularly every morning for 30 days, after which dosage was tapered. The mean observation period was 53.9 months.
    Complete cessation of seizures was attained in 13 of 15 treatment trials. In one trial, complete cessation was not attained but the number of attacks decreased to less than one-third of that before treatment. In only one trial was treatment not effective. EEG showed good response to this treatment. The side-effects of this therapy were hypertension in 6 patients, hypokalemia in 7, and emotional outburst in 7. Emotional outburst appeared during the early phase of therapy, while the other two side-effects appeared in the later phase and disappeared when ACTH-tapering was begun. Brain shrinkage observed on CT scan was mild in all trials. Five patients have had no relapse. The total dose of ACTH was significantly larger in the group with good outcome than in the group with poor outcome.
  • 熊谷 公明, 太田 秀臣, 玉井 勇, 堀田 秀樹, 久保 政勝, 臼井 信男, 奥山 裕子
    脳と発達
    1981年 13 巻 3 号 211-219
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    ACTH療法の再評価のため, ホルモン療法を行なった自験例について副作用の検討を行なった.今回は副作用の中から易感染性, 電解質代謝, CT所見での脳縮少の問題を検討した.
    1) 易感染性については, 16例中8例は治療開始後1~2ヵ月で重症感染症を生じた.
    2) 電解質代謝については13例に検討を加え, 血清Po値の低下, 血清Naの上昇がみられた.
    3) CT上の脳縮少については, 10例に検討を加え, 全例に治療開始後脳の縮少を認めた. 1例について連続CTを行ない, 治療開始6週で著しい脳縮少をみるも, 発作も脳波上も改善をみている.しかし終了4ヵ月後にはCT所見もほぼ回復していた.
  • 市場 尚文, 瀧川 弘敏
    脳と発達
    1993年 25 巻 3 号 271-276
    発行日: 1993/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    感染などを契機に発作が突然消失した続発全汎てんかんの2症例を報告した.
    症例1はWest症候群後遺状態の4歳児で, ウイルス肺炎を契機に3年以上, 点頭・失立発作が消失したのみならず, 脳波上のてんかん波も消失したままである.症例2は急性脳症後のLennox-Gastaut症候群の6歳児で, 不眠, 食欲低下, 昏迷状態が3日間続いた後, tonicspasmsなどの発作が消失し, 脳波上のてんかん波も著減した.ただし, 9カ月後, phenytoinの減量を契機に発作は再発した.
    感染などを契機に発作が消失した報告症例をもとに, 急激に発作が消失した機序を考察した.症例2では, ケトン食療法類似の機序とphenytoinの薬物動態の変化が主要な要因と考えられたが, 3年以上発作.脳波が抑制されたままの症例1の要因は不明で, 同様の症例を集積した上での検討が必要であると考えられた.
  • ACTH療法の少量化と個別化の試み-第1報短期効果について
    植田 仁, 今井 克美, 鳥邊 泰久, 真野 利之, 松岡 太郎, 藤川 泰弘, 田川 哲三, 森田 好樹, 安部 治郎, 永井 利三郎
    脳と発達
    2005年 37 巻 1 号 46-53
    発行日: 2005/01/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    ACTH少量化および個別化の観点より, 投与期間および回数を短縮した短期隔日ACTH療法 (コートロシンZ0.025mg/kg隔日7回投与) を施行し, 発作存続例には引き続きACTH追加療法を施行した. 対象はvitamin B6大量療法およびzonisamideにて発作消失しなかった初発West症候群20例である. 短期隔日ACTH療法における投与後1カ月間以上の発作 (スパスム) 消失は20例中10例 (50%), 脳波上hypsarrhythmiaの消失は17例中10例 (59%) に認められた. さらにACTH追加療法を併せると全体で発作消失は13例 (65%), 脳波上hypsarrhythmiaの消失は13例 (76%) であった. 短期隔日ACTH療法とACTH追加療法における発作および脳波の短期効果は良好な成績が得られ, いずれも重篤な副作用はみられなかった.
  • 第2編点頭てんかんに対する少量ACTH-Zの投与: 臨床効果および, 血中コーチゾール濃度動態
    杉江 秀夫
    脳と発達
    1983年 15 巻 3 号 252-257
    発行日: 1983/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    の10例に対する少量ACTH-Z療法の血清中コーチゾール濃度 (SC濃度) 動態と臨床効果をACTH-Z投与量により, 1群0.025mg/kg, II群0.0125mg/kg, III群0.0125 mg/kgから0.025mg/kgへと増量した症例の三群にわけて検討し, 次の結果を得た. 1.1群ではACTH-Z投与により, 血中コーチゾール濃度はII群, III群に比べて優位に高かった. かつIII群は0.025mg/kg投与に増量した時点でも, 1群に比べ優位に血中コーチゾール濃度は低かった.2.1群では, 全例がACTH-Z療法に著効したのに反し, 0.0125mg/kg投与で治療を開始したII群, III群の場合は, 著効は40%にしか認められなかった.III群で治療途中ACTH-Zを増量しても, それに見合う臨床上の効果は認めなかった. 3.ACTH-Z効果発現時の血中コーチゾール濃度は430±54ng/mlであった. 以上の結果よりACTH-Z投与量は0.025mg/kgの方が0.0125mg/kg投与に比べあきらかに臨床上の有効率が高く, 従来の1歳未満一律0.25mg投与と同様の効果を維持するには0.025mg/kg投与が妥当であると結論した.
  • 予後との関係
    高橋 寛, 本田 利博, 高橋 系一, 大塚 親哉
    脳と発達
    1980年 12 巻 4 号 281-286
    発行日: 1980/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    の予後を脳のCTスキャン所見から推察する可能性を明らかにするため, 27例の
    点頭てんかん
    患児の脳のCTスキャン所見を, 型の類似性から6型に分類し, それぞれの型と, 周生期異常の有無, 発症時の年齢, 発症時までの神経学的発達異常の有無発症から治療開始までの時間, すなわちtreatment lag, 最近の発達指数 (D.Q.) およびACTH療法後の臨床経過などとの関係を検討した.
    CTスキャンの所見を次のように分類した. (1) Type1: 皮質萎縮が主で, 脳室拡大は軽度なもの (6例),(2) Type2: 脳室拡大が主で, 皮質萎縮は軽度なもの (5例), Type3: 皮質萎縮および脳室拡大のあるもの (7例),(4) Type4: 側脳室壁にhigh density spotsを認めるもの (5例),(5) Type5: 大脳半球の一側性に萎縮を認めるもの (2例),(6) Type6: 異常所見を認めないもの (2例).
    Type1の6例中5例は発作が消失し, 現在も認めない.Type2の5例中1例は発作が消失し, 3例が再発し, 1例が強直性けいれんへ移行した.Type3の7例中2例は発作が消失し, 1例は強直性けいれんへ移行した.再発したり, Lennox-Gastaut症候群へ移行したものがそれぞれ2例あった.Type4の5例中4例はLennox-Gastaut症候群へ移行し, 1例は発作が消失した.Type5は1例は発作が消失し, 1例は強直性けいれんへ移行した.Type6の2例はともに発作が消失した.
    Type1および6の所見を示す
    点頭てんかん
    の予後は良く, Type2および3の所見を示す
    点頭てんかん
    の予後は悪い。Type4の所見を示す
    点頭てんかん
    は, Lennox-Gastaut症候群へ移行するものが多かった.
    Type2, 3および4の所見を示す
    点頭てんかん
    は特に予後が不良で注意深い経過観察が必要と考える.
  • 大谷 和正, 今井 克美, 二木 康之
    てんかん研究
    1994年 12 巻 2 号 169-175
    発行日: 1994/06/30
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    ACTH療法施行後3年以上経過観察した37例の小児難治てんかん症例について, ACTH療法中の発作ならびに脳波の改善度とACTH療法終了後の発作再発との関連について検討した。37例のACTH療法時のてんかん分類は潜因性West症候群 (WS) 2例, 症候性WS20例, Lennox-Gastaut症候群2例, その他の症候性全般てんかん12例, 症候性部分てんかん1例であった。ACTH療法によって発作が消失した症例は25例 (このうちACTH療法終了後の再発16例), ACTH療法中の再発は2例, ACTH療法によって発作が消失しなかったものは10例であった。ACTH療法開始日から発作消失までの期間と終了後の再発までの期間との間には関連は認められなかったが, ACTH療法中に発作が消失しなかった症例はその後の抗てんかん剤の治療によっても発作の抑制は得られなかった。ACTH療法開始後4週以内の脳波でてんかん性放電が消失した症例は, それが残存している症例に比べて発作の抑制が長期に及ぶものが多かった。これらの結果はACTH療法の長期有効性を得るにはACTH療法中のてんかん性放電の消失が必要なことが多いことを示しているとともに, それ以外の症例はたとえ発作が一時的に消失しても早晩再発する可能性が高いことを意味している。また, ACTH療法の有効性と限界の判定は福山の方式による連日2週間投与終了時にある程度は可能であることを考察した。
  • 市場 尚文, 山磨 康子, 大田原 俊輔
    脳と発達
    1987年 19 巻 3 号 190-197
    発行日: 1987/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    年齢依存性てんかん性脳症に対するACTH療法の再評価, 並びにACTHの作用機序の解明に資する目的で脳波学的, 神経放射線学的および内分泌学的検討を行った.対象はLen-nox症候群8例, West症候群15例, early-infantile epileptic encephaiopathy with suppres-sion-burst (EIEE) 1例の計24例で, これらに対してCortrosyn ZによるACTH療法を延32回行った.
    全例で発作は抑制され, Cortrosyn Z連日筋注期間は14日~40日間 (平均25日間) であった.用量は0.011~0.039mg/kgであったが, Cortrosyn Z 0.016mg/kg以下の少量投与でも有効例が多いことが注目された.Cortrosyn Z投与量と血清cortisol値 (基礎値および反応値), CT上の脳退縮, 脳波の低圧化はそれぞれ相関を示したが, 脳波上の効果とは相関しなかった.
    ACTHの作用機序としてglucocorticoldを介した薬理作用よりもむしろ, 脳に対する直接作用がより大きな役割を演ずることが示唆された.
  • 経時的CTによる責任病巣の検討
    鈴木 裕, 高田 昌亮, 大久保 修, 内海 康文, 末満 達憲, 有泉 基水, 馬場 一雄
    脳と発達
    1982年 14 巻 6 号 541-548
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    の原因として細菌性髄膜炎はありふれたものとされているが, その症例報告はほとんどみられない. 我々は細菌性髄膜炎罹患後hypsarhythmiaを呈した3例を経験した. そのCT所見は, 臨床的に発作のある2例では皮質と中心部の障害が共存したが, 発作のない1例では中心部の障害のみであった. 他の臨床所見及び文献的考察に基づき, hypsarhythmiaは脳幹障害の表現であり, 点頭発作はあ発達段階の皮質障害の表現であると推測した.
  • 玉井 勇, 太田 秀臣, 武井 忠夫, 前川 喜平
    脳と発達
    1981年 13 巻 4 号 295-303
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    の治療において, 合成ACTH-Zは第一選択治療剤とされてきた. しかし本剤により頭部コンピューター断層写真 (CT) 上に著明な退縮像を示す事が周知となり, 本剤の乳幼児に対する治療は再評価を要する時期に来たと思われる. このため本剤の薬用量, 治療時年齢, 精神発達の予後およびCT上の退縮像との関係を前回の症例報告1) に続いてさらに多くの症例で検討を行なった.
    対象は合成ACTH-Z治療を受けた
    点頭てんかん
    およびレノックス症候群の29例, ネフローゼ症候群でprednisoloneのパルス療法を行なつた2例, 合成ACTH-Zを使用せず, 抗痙攣剤のみで経過観察を行なった1例で以下の結果を得た。
    1) CTの経時的観察を行なった
    点頭てんかん
    9例総てに治療直後CT上に退縮像が見られ, 治療終了後回復傾向が見られた. 退縮像は年齢が幼若, 大量投与, 治療前にすでに退縮像の見られた症例で著明となる傾向が見られ, 今後さらに多数例で検討を要すると思われた
    。2) 過去に合成ACTH-Z治療を受けた
    点頭てんかん
    およびレノックス症候群の20例中18例に知能障害が見られた. しかし本剤治療以前にすでに発達遅延を示していた症例も多く, 本剤と知能予後との関係は今後なお検討を要すると思われた.CT正常例は8例あり, CTで退縮像を示した症例では前頭部退縮像, シルビウス溝の拡大が多く見られた. しかし基礎疾患を考慮すると本剤治療より長期間経過した症例ではCT上での影響はあまり残存しないようであった.
    3) Prednisoloneのパルス療法を受けた2例 (ともに4歳) のネフローゼ症候群においてCTの経時的観察を行なったところ, パルス療法後著明な脳溝の拡大と軽度の脳室の拡大が見られた。
    しかしパルス療法終了それぞれ6ヵ月後と10ヵ月後の脳波, 精神運動発達に異常は見られなかった.
    4) 合成ACTH {を使用せず抗痙攣剤のみで軽快し, CTに著変を見なかった
    点頭てんかん
    の1例を経験した.
    以上の結果より, 合成ACTH-ZによるCT上の退縮像と精神運動発達の予後への影響の関係を考えると, 年長児ではあまり影響が無かったように思われた. 1~2歳以下の幼若児では完全な退縮像の回復の見られなかった症例があり, なお未解決な問題を残していると考えられた.
    このため
    点頭てんかん
    の治療においては合成ACTH-Zは第二選択治療剤として考え, 従来より少量, 短期間, CT像に注意して使用する事を我々は考えた.
  • 北條 博厚, 中野 省三, 片岡 健吉
    脳と発達
    1981年 13 巻 3 号 220-226
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    29例, Lennox症候群5例の計34例の患者に37回のACTH療法を行ない治療前, 直後および継時的に頭部CTを検査して脳退縮の程度, 回復の時期, 退縮の程度に関与する因子を検討した.治療年齢は4カ月から5歳7カ月, 追跡期間は2カ月から2年4ヵ月, 平均15.1カ月である.
    1. planimeterによつて測定した脳断面積/頭蓋内面積は, 治療前92.5%(σ=±4.8) 直後87.5%(σ=±5.4) であったが, 治療後4-6カ月では, 92.5%(σ=±4.1) と回復した.面積の実測も同様の経過を示した.
    2. 最大第3脳室中も治療前2.1mm (σ=±1.1) 直後2.7mm (σ=±1.2) となったが, 4-6ヵ月では2.1mm (σ=±0.5) と回復した.最大鈎間距離も同じ傾向を示した.
    3. 脳退縮の程度はACTH総量と相関した.また, 幼若乳児程強い傾向がみられた。
    4. 硬膜下水腫を認めた例はなかった.
    5. ACTH療法は
    点頭てんかん
    の治療上有用であることを述べた。
  • 堀田 秀樹
    脳と発達
    1979年 11 巻 3 号 247-259
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    4例,E.1.E.E.1例を対象として終夜睡眠ポリグラフィーを用い,ホルモン療法による睡眠経過,自律系(脈拍・呼吸),発作波の変動,並びに予後との関係について検討し,次の結果をえた.
    1)睡眠経過についてみると,ホルモン療法中,全例覚醒時間の増加がみられ,REM睡眠については予後良好例に比べ不良例ではREM睡眠の減少,REM密度の低下が著明であった.NREM睡眠については,ACTH使用では減少し,hydrocortisone使用では増加の傾向にあった.
    2)自律系についてみるとホルモン療法中予後良好例では脈拍が軽度増加を示し,不良例では著明な減少を示した.呼吸数についてはE.1.EE,の例でACTH療法中著明な増加を示したが,その他の場合には著明な変化を認めなかった.
    3)発作波については
    点頭てんかん
    のうちhypsarhythmiaを示した例ではホルモン療法により発作波が著減し,focalspikesを示した例,supPression一burstactivitiesを示したE ,1.E.E.の例では軽減ないし増加を認めた.以上の結果をふまえ,ホルモン療法の作用機序,ホルモン療法と予後との関係につき考察を加えた.
  • 大沼 晃, 高松 徳光, 飯沼 一宇, 児玉 南海雄, 渡辺 修一
    脳と発達
    1979年 11 巻 1 号 35-44
    発行日: 1979年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    の形態学的異常,特に硬膜下病変を検討する目的で,2年間に経験した新鮮例全22例にCTによる検査を行なった.22例中20例に異常が認められ,その内訳は,全汎性脳萎縮8例,脳表液貯溜7例,一側半球萎縮2例,奇型2例,脳内石灰化2例である.脳表に液貯溜の認められた7例中5例が硬膜下病変を疑われて開頭を受け,3例に慢性硬膜下血腫ないしは水腫が確認され外科的治療を受けた.この3例はいずれも周産期異常を認めず,1例は被虐待児症候群に随伴した慢性硬膜下血腫例であり,他の2例は成因不明である.CTは3例共硬膜下病変の所見の他脳萎縮像が著明であった.3例中2例に
    点頭てんかん
    発症前の脳波を記録し,全汎性低電位化を認めCT像との一致をみたが,発症時には徐波化や発作波の増強が著明となった.全22例のCT所見と脳波所見とを対比してみると,脳表液貯溜群では左右差や低電位化を示すものが多く,7例中4例は定型的なhypsarhythmiaを示さなかった.
    点頭てんかん
    の中には脳表レベルの損傷の関与する症例も多いものと思われ,原因療法を可能にするという点においても,早期の形態学的検査が必要であろうと思われる.
  • ACTH, Sodium valproate (VPA) 併用療法の作用機序に関して
    横山 純好, 児玉 荘一, 中村 正文, 奥村 司, 三輪 正樹, Shinichi Miyake, Tamotsu Matsuo
    脳と発達
    1980年 12 巻 5 号 382-387
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん
    に対する初回療法としてACTH+VPA併用療法を試み良好な結果が得られたので, ACTH+VPA併用の本症に対する作用機序を脳内GABA代謝の立場より検討した.すなわち体重150~1709の雌ウィスター系ラットを (A) 対照群,(B) 絶食群,(C) VPA投与群,(D) ACTH投与群,(E) ACTH+VPA併用投与群に分けて小脳を除く脳内GABA含有量を測定した結果, 絶食群, ACTH単独投与群では対照群に比し有意差を認めなかったが, VPA投与群, ACTH+VPA併用投与群ではラット脳内GABAの増加を認め, 特にACTH+VPA併用投与群では著明で51%の増加率を認めた (P<0.05).
    これはACTH単独投与ではラット脳内のGABA代謝に影響を与えないが, ACTH+VPAの併用によりACTHがVPAの作用を強めてラット脳内GABAの著明な増加をもたらしたものと考えられる.更に
    点頭てんかん
    に対する初回療法としてACTH+VPA併用療法がACTH単独療法より, より有効であった理由の一つとして脳内GABAの増加によることが推測できる.
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