徳島大学歯学部附属病院小児歯科外来で実施される小手術の際,看護婦によって行われる
看護アセスメント
の意義と効果について,上顎正中埋伏過剰歯摘出症例44例の手術の際に得たアセスメントツールの記録から分析した。
当小児歯科看護部で独自に開発されたアセスメントツールを用いて,術前には患児の伝達,理解,感情,運動および知覚能力の評価,既往歴,全身状態,臨床検査結果の検討,これらから看護診断が下され,それによって患児の看護が行われた。術直前には,患児の全身状態,精神状態,血圧,脈拍,体温,術中には,手術の進行状態および患児の状態,術後には血圧,脈拍,患児の状態,痛みの有無などが観察,測定され,評価された。最後には,抜糸後の治癒状態が記録された。本研究では,小手術の際に,このようなアセスメントがどのような意味を持ち,どのような効果があるのか検討する目的で,これらの記録のうち,主に,泣きや抵抗などの不快外部行動,脈拍および最高血圧による内部行動および術直後疼痛の有無について分析し,次の結論を得た。
看護アセスメント
により得られる情報を,看護者から術直前,術中,術直後に適宜,歯科医師に伝達することは,歯科医師から小児患者への声かけ等により,患者の術前,術中の不安感の予防や解消,あるいは術後の治癒促進に有用であり,患者の心身の状態を把握する上できわめて重要である。
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