天文教育に関する研究は,科学教育の観点からも,公的な教育制度を対象として比較的多くなされてきた。本論はそれらを先学に位置づけつつも,比較的緩やかな組織活動として女子大学天文部の調査分析を行った。天文活動への関心や動機調査から,部員にとっての天文活動は言語的知識のみでないことが明らかとなった。これらは公的教育制度以外にも,様々なメディア表象を介して関心が広く形成されていることも推測される。また,ビジュアルイメージを利用した活動はポピュラーサイエンスと親和性が高いともいえるが,これが公的教育制度や地域活動と緩やかに連関すれば,科学のグラウンディング(社会への広範な根付き)への寄与も想定される。
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