日本ソフトウェア科学会大会講演論文集
Online ISSN : 1349-3515
ISSN-L : 0913-5391
日本ソフトウェア科学会第20回記念大会
選択された号の論文の116件中1~50を表示しています
  • 萩谷 昌己, 高橋 孝一, 山本 光晴, 佐藤 貴洋
    セッションID: 1A-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    我々は従来研究において,時相論理を用いて,互いにポインタで繋がれたセルから成るリンク構造を抽象化する方法を提案した.セルはあらかじめ指定された時相論理式の真偽の組み合わせを表す抽象セルによって抽象化され,リンク構造全体は抽象セルの集合によって抽象化される.本発表では,この方法を用いてセル・オートマトンを解析する試みについて述べる.従来研究と違って,すべてのセルが同期して状態を遷移させるので,各抽象セルの次状態を計算することにより,抽象化されたリンク構造の次状態が求まる.この新しい状態を再び抽象化するために,抽象セルの分裂と融合の操作を導入した.この方法により,実際に一次元(および二次元) のセル・オートマトンの簡単なものを解析することができた.本発表では,本方法のベースとなっている時相論理である2方向CTL(computation tree logic)とその充足可能性判定についても簡単に述べる.
  • 二村 良彦, 小西 善二郎, 前保 和明, 河邊 昌彦
    セッションID: 1A-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    素朴なO(mn)パターンマッチャーnm(p,t)およびテキストtを,一般部分計算(GPC)に基づきサッフィクストライst(p)に変換する方法について報告する.GPCにより生成されたst(p)は,O(m)パターンマッチャーとなる.ただし,mはパターンpの長さそしてnはテキストtの長さとする.従来の部分計算ではst(p)のサイズはO(n2)であったが,ここではO(n)のトライを得ることが可能である.
  • 村上 拓真, 西岡 真吾, 胡 振江, 高野 明彦
    セッションID: 1A-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    今日の複雑化、階層化したソフトウェア開発においては、性能とともに開発効率、頑健性、保守性なども重要なソフトウェアの品質とみなされる。関数型言語はこれらの点においてすぐれた特徴をもち、特に複数のソフトウェア部品を統合する場合に有用である。本研究では純粋関数型言語Haskellを用いて、Web上に実用的な検索サービスを構築する。検索を行うエンジンは高速連想計算エンジンGETAを用いて作成し、複数のソフトウェア部品をHaskellによって統合することで性能と保守性を両立したソフトウェア開発を行う。
  • 加藤 紀夫, 上田 和紀
    セッションID: 1A-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    並行計算モデルLMNtalは非常に統一的な枠組みであるため,処理系の実行を効率化するための方法論およびそれを支援する理論的な体系の研究が必要とされている.本発表では,データ型およびその上の演算子を導入することによってLMNtalプロセスの形状を表現し,それを元にしてLMNtalプロセスの振舞いを定式化する方法を提案する.この方法により,特定の計算の可能性に関する推論を操作的意味論を用いて直接的に定式化することが可能になった.提案する定式化を実際の解析に応用する例として,LMNtalプロセスから外界とのインタラクションなしに実行できる部分を体系的に抽出する様子を紹介する.
  • 矢島 伸吾, 永田 貴彦, 加藤 紀夫, 上田 和紀
    セッションID: 1A-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    LMNtal は階層的グラフ構造の書換えに基づく並行言語モデルであり,グラフ内のリンク構造や膜構造を動的に変化させることによって,分散処理をはじめとする多様な計算を統一的かつ簡潔に記述することができる.LMNtal は多重集合書換え言語の一種であり,細粒度の並行性をもっているが,多重集合が膜によって構造化される点,膜に局所的な複数の書換えルールセットを持てる点,およびルールセットが移送可能である点から,正しくかつ効率的な実装方式は自明でない.本論文では,複数のスタックを用いたLMNtal 向けの新しい実行制御方式について説明する.この方式は複数の仮想マシンを用いて実行でき,分散実装を考慮した設計となっている.本方式に基づくLMNtal のプロトタイプ処理系はJava およびRuby を用いて開発中である.
  • 西崎 真也, 植田 友幸
    セッションID: 1B-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    従来,関数型言語のためのバイトコードを解釈する仮想機械として、SECDマシンやCAMマシンなど多くのものが提唱され,それらに基づく実装や理論的な側面に関する研究がなされてきた.本論文では,SECDマシンを単純化した仮想機械SAM(Simple Abstract Machine)を提唱する.変数参照機能を単純化することにより,仮想機械におけるファーストクラス継続を簡潔に扱うことが可能になっている。
  • 永田 章人, 小林 直樹, 米澤 明憲
    セッションID: 1B-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    型付き言語MLにおけるメモリ管理手法として,リージョン推論に基づく方式がTofteらによって提案,実装されている.この手法では,通常のMLの型システムにメモリ情報(リージョン)を付加して拡張した型システムに基づいて型推論を行うことで,各オブジェクトの生存区間を推定し,メモリの解放・獲得のためのコードをコンパイル時に挿入する.リージョンに基づくメモリ管理は,ガーベジコレクションに比べて早期にオブジェクトを解放でき,また,参照カウントによるメモリ管理方式に比べて実行時のオーバーヘッドが少ない.しかしながら,リージョン推論はMLの静的な型推論の拡張であるため,他の言語,特にSchemeのように動的に型付けされた言語に適用できるかどうかは自明でなかった.本研究では,CartwrightらのSoft typeとリージョン付き型システムとを統合することにより,動的型付き言語に対してもリージョン推論に基づくメモリ管理が行なえることを示す.
  • 滝本 宗宏
    セッションID: 1B-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,プログラム点の集合を仮想的な1つのプログラム点とみなして,あるプログラム点を支配する一般支配関係を用いて,SSA形式上の共通部分式を発見する手法を提案する.単一の支配関係に基づくSSA形式上の共通部分式の発見は,同一の字句パターンの式において単一の式が他の式のプログラム点で利用可能である場合に限られていたが,本手法は,複数の式が利用可能である場合も扱うことができる.また,本手法は,各式の出現ごとに行う解析であるが,すべての出現に対する解析コストの合計は,同じ結果を生じるデータフロー解析のコストに比べて同等以下である.
  • 平石 拓, 八杉 昌宏, 小宮 常康, 湯淺 太一
    セッションID: 1B-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では高水準のプログラミング言語として,S式ベースC言語SCを設計・実装した.S式とは,Lisp言語における基本的な文法単位であり,変形に適した性質を持つ.C言語をこのようなS式で表すことで,強力なマクロ機能を利用したり,言語拡張を容易に行うことができるようになる.本研究で実装したSC言語は,C言語をほぼそのままS式の文法に置き換えたSC-0言語とその拡張言語から成る.SC処理系は,拡張SC言語で記述されたプログラムをまずSC変換器によってSC-0言語に変換し,それをさらにSCコンパイラでC言語に変換する.本発表では,この拡張SCからSC-0への変形規則をS式のパターンマッチを用いて記述し,その解釈器によって変換を実行するという方法により,言語拡張を容易に実現できるようにすることを提案する.
  • 川島 勇人, 権藤 克彦
    セッションID: 1B-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    ACMLは、我々が開発したANSI C言語の構文情報と静的な意味情報をXML形式で表現したマークアップ言語である。本論文では、ACML文書から構文パターンを用いてプログラム情報を抽出し、それを広く使われている表示形式(例えば、HTML)で出力するシステムAXESを提案する。AXESを基に抽出したプログラム情報は、Webブラウザを用いたクロスリファレンサに取り込むことができる。既存のクロスリファレンサ(例えば、GNU GLOBALやLXR、SPIE、Cxref)では、構文パターン(例えば、@if($exp=$exp){})を抽出することは難しい。AXESはプログラムに対して構文パターンを用いることで、より高度で柔軟な検索を可能にするフレームワークを提供する。
  • 杉木 章義, 河野 健二, 岩崎 英哉, 益田 隆司
    セッションID: 1C-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    インターネットサーバでは,提供するサービスに対する高いディペンダビリティが求められている.そのため,可用性・信頼性・管理容易性等,お互いにトレードオフの関係にあるディペンダビリティの構成要因を,アプリケーションの特性や目的に応じて適切に調整する必要がある.既存のアプローチでは,特定のサービスに特化した方法でディペンダビリティを達成したきたが,汎用性に欠け,他のサービスにその方法が転用し難いという問題点があった.この問題点を解決するため,本発表では,サーバシステムをいくつかのステージに分割し,アプリケーションの特性に応じてそれぞれの段階をカスタマイズ可能とすることによりディペンダビリティの達成を可能とするようなツールキットを提案し,その実現を示す.
  • 渡邉 倫, 伊藤 孝行, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    セッションID: 1C-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    長期の行動において,ユーザの関心は常に変化するため,ユーザモデルを動的に修正する必要がある.ユーザの関心を常に監視し,ユーザモデルを動的に構築することにより,長期の行動で変化するユーザの興味を表現できると考えた.本論文では,スケールフリーネットワークを用い,動的なユーザモデルの構築を試みる.スケールフリーネットワークとは,ノードとリンクを持ち,優先的選択,および適応度に応じて成長する特徴を持ったネットワークである.本論文では,ユーザが所持する論文を用い,語の共起関係のスケールフリーネットワークを構築する.本論文で構築するスケールフリーネットワークは,語をノード,語の共起関係をリンクとする.ユーザが所持する論文を順次ネットワークに追加することで,ネットワークの成長を表現する.そして,構築された随時変化する,ネットワークから優先的選択,および適応度の積を計算し,動的ユーザモデルとして利用する.
  • 邵 校, 徳田 雄洋
    セッションID: 1C-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    アクティブネットワークとは、ネットワーク内のルータでランタイムにおいてユーザカスタマイズのプログラムをロードして、動的にルータの動きを変えたり、新たな機能を追加したりすることのできるネットワークアーキテクチャである。本論文では、新しいアクティブネットワークアーキテクチャを提案し、従来のアクティブネットワークアーキテクチャとの比較を行う。本方法では、エージェントシステムが実行環境として動作し、ユーザカスタマイズコードはエージェントとして動作する。エージェントはリモートホストに移動することができ、他のエージェントの提供するサービスを利用することもできる。また、本方法ではアプリケーション層までの複数レイヤでの処理をサポートする。本方法とFIRE、NetScript、ANTS などのアクティブネットワークアーキテクチャと比較を行う。
  • 宮里 忍, 河野 真治
    セッションID: 1C-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    複数のアプリケーションが協調して動作する場合には、双方向の通信が必須である。協調動作に使用するデータをテキストとして表現すれば、その協調動作はテキストを遠隔双方向編集することで実現できる。このため、我々が提案しているリモート編集プロトコルを使用する。本論文では,双方向編集プロトコルにリング状のネットワークトポロジを用いることで負荷が中央に集中することを避けると共に、接続されているアプリケーションが共有する状態を保持する方法を提案する。さらに、複数のアプリケーションを管理するためにセッションマネージャをEmacs上で実装する方法を提案する。
  • 萩原 茂樹, 米崎 直樹
    セッションID: 1C-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    オークションには多数の入札者が参加することが想定され、その入札者を公平に取り扱うことが強く求められる。特に、現在ではオークションがネットワークで行われることが珍しくなく他の入札者の顔が見えにくいため、公平性が自明とはいえず、オークションプロトコルにおいて公平性の検証が厳密になされることが望ましい。公平性とは、すべての入札者が不正を行うことができない、つまり、入札者は他の入札者が不正を行っていないことを確認できるという性質や、自分が不当に取り扱われることはないという性質とみなすことができる。本稿では、オークションプロトコルの一つを例にとり、公平性検証に必要なプロトコルの形式化と公平性の形式化を行う。形式化に当たっては、ストランド空間に基づいた手法を用いる。また、公平性の特徴などについても考察し、いくつかの公平性は、対応性(agreement property)と見なせることを示す。
  • 糸賀 裕弥, 北本 幸司, 大西 淳
    セッションID: 1D-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
     セキュリティ要求を含めた仕様化を行なうことで,ソフトウェアの脆弱性に対してセキュリティを保証することができると考えられる.シナリオを用いた要求獲得によって,具体的な攻撃手段への対応方法をステイクホルダ間で明確にすることができる.さらに,攻撃手段と対応を記述したシナリオはテストにも利用可能である.だが,シナリオの記述者は正常処理に関するシナリオは記述できても,セキュリティ要求に関して網羅的なシナリオを記述することは困難である. 本研究では悪意あるアクタを仮定し,このアクタが振舞うシナリオを例外シナリオとして自動的に生成し,正常シナリオに付加すことによってセキュリティを保証する方法を提案する.アクタはシナリオにおいてシステムとデータのやりとりを行うが,悪意あるアクタはそのやりとりにおいて典型的な脆弱性およびシステムごとに想定される脆弱性への攻撃を行なうと仮定する.
  • 松下 耕三, 萩谷 昌己
    セッションID: 1D-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    汎用的なアクセス制御システムを構築する手法として,証明付き認証(proof-carrying authentication)がある.これは、権限を受ける側が自分には権限があるという証明を送り、権限を与える側はその証明をチェックし,正しければ権限を授与するという手法である。権限を与える側は証明チェッカを実装するのみでよいので負担が軽い。本研究では、logical frameworkによって表現された論理体系から,Java言語で実装された証明チェッカを導出する変換器を構築することにより,携帯電話上において証明付き認証を実装している.本論文では,その変換器の概略と,携帯電話上の証明付き認証を用いた簡単なアプリケーション例について述べる.
  • 嶺 行伸, 平石 広典, 溝口 文雄
    セッションID: 1D-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    コンポーネントベースのグリッドアプリケーション開発において、アプリケーションを構成するコンポーネントは複数のマシンで分散実行される。このような環境では、コンポーネント同士の協調動作のネットワークセキュリティはアプリケーションの信頼性に影響する。本研究では、コンポーネント同士の協調動作を協調エージェントとして定義し、このエージェントの実行権限をユーザーインターフェイスから継承し、コンポーネントのアクセスコントロールポリシーと照合する事によって、グリッド環境における柔軟なアクセスコントロールを実現する。Globus Security Infrastructure等の従来の研究では、認証の単位はサーバーやマシン単位であるのに対して、本研究では、異なるポリシーに基づいた様々なコンポーネントが混在するグリッドベースのグループウェアのようなアプリケーションにおける柔軟なアクセスコントロールを実現する。
  • 平田 敏之, 伊藤 孝行, 國藤 進
    セッションID: 1D-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    情報技術の進歩により,コミュニケーションを取るためのツールが普及してきた.しかしながら,一般にこのようなツールはプライバシーに対して一方的であり柔軟性がない.
    本論文では,この様なプライバシーに対する対策もふまえ,位置情報,状況情報を利用したコミュニケーション支援システムを構築する.今までに開発したシステムにおいては,情報開示の度合いを段階的に区分し,ユーザ登録時に相手ごとによって選択する機構を構築した.しかし,状況によって情報開示の度合いを変更したい際における対処がされていないという問題点があった.そこで本稿では,プライバシーを柔軟に守るための機構の構築をおこなう.本機構では,情報を守りたい状況を事前に登録するか,情報を守りたい状況下になった際に登録をおこなう.この登録した学習データから推論をおこなうことにより柔軟にプライバシーを守ることができるシステムの構築をおこなう.
  • 佐藤 淳史, 今泉 貴史
    セッションID: 1D-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    近年の情報技術の発達に伴い、情報コンセントなどの公衆ネットワークサービスが普及してきている。一般に、公衆ネットワークの利用者の特定は困難なため、匿名性を悪用した攻撃拠点となる可能性がある。そのため、公衆ネットワークには高いセキュリティが求められる。しかし、サービスの提供側からすれば、安全性に多少不安があっても安価にかつ容易に導入できる方が望ましい場合もある。本研究では、様々な公衆ネットワークの構築形態について、その安全性や利便性、コストなどを考察し、公衆ネットワーク構築の際の指針を示すことを目的とする。
  • 高橋 克暢, 丸山 勝久
    セッションID: 1E-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    オブジェクト指向ソフトウェア開発におけるデザインパターンの適用はソフトウェアの再利用性や変更容易性を高める.このため,デザインパターンの適用を意識せずに作成された既存のプログラムに対して,デザインパターンを抽出することは,ソフトウェア理解および変更支援のうえで有効である.しかしながら,従来のパターン抽出手法のように個々のパターンの抽出のみでは,小さな粒度での理解支援にとどまる.本研究では,個々のパターンを抽出するだけではなく,それらの協調的関連も抽出し,より大きな粒度でのソフトウェア理解支援を目指す.本稿では,デザインパターン間に存在する特徴的な振る舞いに着目し,それらの振る舞いをルール化することによりパターン間の関連を抽出する手法を提案する.さらに,これらのルールをPrologプログラムとして記述することで,協調するパターンを発見することが可能なことを示す.
  • 渥美 紀寿, 山本 晋一郎, 阿草 清滋
    セッションID: 1E-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    広く一般に用いられているソフトウェアは,ソフトウェアの動作が安定している.そのため,これらのソフトウェアのソースコードにはソフトウェアを安定して動作させるノウハウが蓄積されていると考えられる.本稿では,これらのソフトウェアからライブラリの利用パターンを取得する手法を提案する.提案手法では,ソースプログラムからライブラリ関数呼出に着目し,データ依存関係および制御依存関係を抽出した関数呼出依存グラフを用いる.このグラフを基に個々のライブラリ関数の引数に与えるべき値,戻り値の検査の必要性の有無などのライブラリの利用パターンを抽出する手法を提案する.既存のソフトウェアからライブラリの利用パターンを抽出した結果,ライブラリの引数に他のどのライブラリの戻り値を与えるかがパターン化されている事が確認でき,コーディング検査にこれらのパターンを有効に利用できる事を確認した.
  • 赤川 奈緒, 金子 伸幸, 中元 秀明, 小川 義明, 阿草 清滋
    セッションID: 1E-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    システムを構築する要素を部品化して再利用を行い,生産性を向上させる手法にビジネスオブジェクトがある.ビジネスオブジェクトはビジネスを構成する要素を表したモデルであり,分析や設計時に部品として再利用することが期待されている.しかし,ビジネスオブジェクトを利用した分析結果を再利用する方法は確立していない.部品としての構造が決まっておらず,部品の管理方法も確立されていないためである.
    本研究では,分析時に再利用される部品としてビジネスオブジェクトを分類,整理する.さらに,リポジトリを用いてビジネスオブジェクトと要求仕様を管理,蓄積することによって,分析時に再利用を行うための手法を提案する.
  • 金子 伸幸, 赤川 奈緒, 中元 秀明, 小川 義明, 阿草 清滋
    セッションID: 1E-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    近年,ビジネス情報システムの開発にはより高い生産性と品質の向上が要求されている.ビジネス情報システムは,同一業界のシステムにおいて求められる機能が類似する性質を持っている.この性質を利用したシステムの部品化,再利用の技術としてビジネスオブジェクトというアプローチがある.しかし,現状のビジネスオブジェクトは設計や実装を十分に考慮していないため,ビジネスオブジェクトの再利用は設計や実装で上手く行えないことが多い.

    本研究では,ビジネスオブジェクトを分析時の部品,設計時の部品として分類し,分析でのビジネスオブジェクトの再利用を設計に反映させる手法を提案する.また,設計部品としてのビジネスオブジェクトの管理法を提案し,設計支援の基盤技術とすることの可能性を述べる.
  • 佐藤 匡剛, 玉井 哲雄
    セッションID: 1E-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    オブジェクト指向プログラミング言語によるデザインパターンの実装は,パターンコードのモジュール性を欠き,またその侵略的性質によってパターンに参加するクラス間の依存関係を強める.これらの問題点は,コードの再利用性を阻害しソフトウェアの進化を妨げる.我々が考案した役割に基づく計算モデルEpsilonによって,デザインパターンのパターンコードがモジュール化され侵略的性質もなくなる.そのため,デザインパターンおよび参加クラスの再利用性が高まり,ソフトウェアの進化も促進される.
  • 中島 震, 玉井 哲雄
    セッションID: 2A-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    JavaのJAASはユーザ中心のアクセス管理ポリシーを表現可能であるが、低いレベルのプリミティブを提供するだけであるため、全体の見通しが悪いという問題点がある。高レベルのポリシーを実現するためには宣言的なポリシーファイル記述とフレームワークプログラミングの双方を必要とする。高レベルのポリシーが正しく実現できているかを確認するために、形式手法Alloyを用いる方法を提案する。JAAS上でLBACに基づくポリシーを実現する具体例を用いて提案方法を説明する。
  • 大堀 淳, 樋口 智之
    セッションID: 2A-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、現在のJAVAの動的なアクセス制御に代わる、JVM仮想機械(JVM)プログラムに対する静的型システムを提案する。この型システムは、JVMプログラムの型の整合性を検証するだけではなく、プログラムが使用するリソースが、アクセスポリシーによって認証されていることを検証することが可能である。本稿では、型システムの健全性を、JAVAのスタック検証と同等な動的アクセス制御を実現する操作的意味論に関して証明する。これにより、正しく型付けされたプログラムはアクセスポリシーに反しないことが保証される。さらに、型推論アルゴリズムを構築し、型システムに関して健全であることを示す。本稿の結果により、非効率な動的アクセス制御に代わる、JVMに対する静的型システムを実現することが可能になる。
  • 長谷部 浩二, 岡田 光弘, Jouannaud Jean-Pierre, Kremer Antoine, Zumkeller Roland
    セッションID: 2A-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    線形論理を用いた実時間システムの安全性検証のための論理学的方法論を提案する.特にエージェントの数の増加や時間制約が動的に変化するシステムの分析に,我々の論理的方法論を応用する.自動検証により危険なプロセスの具体例が検出された時,このプロセスの一般的な時間制約条件を生成する証明論的方法を検討する.これは危険なプロセスを表す具体的な線形論理証明をパラメータ化することによってなされる.我々の検証システムの設計に当たっては,線形論理のある部分体系の決定問題に対する数学的存在定理の証明の一つを構成的証明に変換することが基本となった.もともとの証明は集合論的操作を用いた非常に非構成的な存在定理の形で得られていたが,我々はこの非構成的証明から構成的なアルゴリズムを抽出した.
  • 佐藤 健
    セッションID: 2A-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本論文は、関数記号なしのホーン理論に関する極小更新仕様の計算手法について述べる。我々は、以前、仮説論理プログラミング、拡張論理プログラミングを用いた手法を提案したが、前者は、可能な更新を計算した後、極小性検査が必要であり、後者は完全性に問題があった。本論文では論理的仕様をデフォルト論理に変換することにより、極小性検査が不要で、かつ完全性を持つ計算手法を提案し、その計算のための証明系を与える。
  • 山本 章博
    セッションID: 2A-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    精密化演算とは, 論理を基礎とする帰納的推論である帰納論理において鍵になる演算である.帰納論理を仕様からの論理プログラムの合成と捉えれば, それはソフトウェア発展のモデルと考えることができる.本稿では, 精密化演算子の代数的側面と論理的側面について再考した上で,メタ論理プログラムの枠組みを用いて精密化演算を論理プログラムとして定義することにより, その論理プログラム表現の持つべき性質を考察する.
  • 趙 建軍
    セッションID: 2B-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    This paper presents an approach to formally verifying AspectJ programs.The key to the verification process is to develop a transformation tool that automatically transforms an AspectJ program, together with its Pipa specification, into a correspondingJava program and JML specification. By doing so, some JML-based verification tools can be used directly to verify AspectJ programs.
  • 横山 哲郎, 胡 振江, 武市 正人
    セッションID: 2B-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    2階パターンと2階マッチングを用いると高度なプログラム変換を記述することができることが知られている.しかし2階マッチングはNP完全であるため効率がよい実装が望めず,また非決定論的であるため,セマンティクスが複雑であるという問題点がある.われわれは,2階パターンの形を制限することで,どのような項とも高々1つのマッチしか得られないようなパターンのクラスを決定論的2階パターンとして定め,またこのマッチを得るための効率の良いアルゴリズムを開発した.本論文では,このような決定論的2階パターンのクラスを拡張し,また決定論的線形2階パターンであるための必要十分条件を与える.このパターンのクラスを用いる幅広い応用が可能であると考えられる.
  • 溝渕 裕司, 中谷 俊晴, 佐々 政孝
    セッションID: 2B-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    ソフトウェアの開発、運用、保守を支援する技術の一つとしてプログラムスライシング技術がある。一口に言えば、静的スライスとは、どんな入力に対してプログラムを実行しても、ある変数に関しては、元のプログラムと同じ値を計算する実行可能なプログラムである。
    スライスを計算するとき必要な情報はコンパイラで必要となる情報と共通する部分が多い。したがって、スライスを求めるためにはコンパイラの解析を利用できると工数を減らすこと出来る。中でもCOINSコンパイラ・インフラストラクチャでは、各ユーザーがそれぞれの目的に合う機能部品を加えられるように、組み合わせ可能なコンパイラ部品で構成されている。
    本研究では静的スライスを求める静的スライシングツールをCOINSを用いて実装、評価した。また、COINSのソフトウェア工学的適用性も評価した。
  • Maildirフォルダライブラリの一貫性保証
    山田 聖, 佐々木 明, 望月 智之, 渡部 卓雄
    セッションID: 2B-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    我々は電子メールのメッセージをディスクに保存する形式の一つであるMaildirフォルダの形式仕様をJMLを用いてそのソースコードに埋め込み、検証を行いつつ開発を進めている。このようなメッセージを扱うライブラリは、ライブラリ自身のバグによってメッセージが失われたり、システムが異常終了した場合などにフォルダが壊れたりすることがないよう、注意深く作成する必要がある。また、このライブラリの使用者が不適切な操作によってメッセージを失うことがないよう、ライブラリの仕様を使用者に明示し、それに従うよう強制しなければならない。最終目標は、Maildirフォルダの仕様の範囲内でライブラリを操作していれば、上記のような原因でメッセージが失われることがないことが保証されるものを提供することである。また、このライブラリの使用者が仕様に基づかない操作を行わないか、検査する方法についても考察する。
  • 木村 智洋, 萩原 威志
    セッションID: 2B-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    XHTML(HTML)に含まれる情報を再利用するために要素の出現パターンや要素の構造を抽出することが求められている。W3Cで定義されたXHTMLのDTDスキーマはXHTMLの構造を表すものだが、XHTMLの言語としてのスキーマ情報であり、当然これを使うことはできない。あるXHTML文書単体に対するスキーマ情報に加えて意味的な構造を抽出する必要がある。また使用できる要素の名前は限定されており、同じ名前の要素でも違う意味のデータを表していることが多く、同名の要素と言うだけで同じ意味を持つと考えてはいけない。本稿では、要素のパスなどを利用することで異なる意味をもつであろう要素間を区別し、より正しい意味のスキーマ情報やパターンを抽出する。またより多く出現するパターンをグループ化することで抽出されるスキーマをよりコンパクトにする。
  • 山谷 孝史, 永田 雄大, 服部 宏充, 伊藤 孝行, 新谷 虎松
    セッションID: 2C-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本論文ではモバイルエージェント開発環境MiLogを用いて,エージェント間の協調関係をグラフィカルに表示するインターフェース情報表示システムおよびモバイルエージェントの位置透過性を実現する手法を述べる.マルチエージェントシステムの開発では,ユーザにとってエージェントの動作状態の把握はシステム構築の効率化の点で重大な役割を果たす.本システムではエージェント間の協調動作状況およびタスクの実行状態を表示するビューワを作成する.また,モバイルエージェント環境ではユーザが相手のエージェントの位置を意識することなく命令を送ることによって,エージェントを操作することが望ましい.本研究では分散環境における位置透過性を実現するため,エージェントの位置を追跡し,命令を実行させ,エージェントの移動先の情報をリアルタイムに表示するシステムを作成する.
  • 平岡 佑介, 長谷川 友治, 保知 良暢 , 伊藤 孝行, 新谷 虎末
    セッションID: 2C-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    移動中など,パソコン向けのメールを携帯電話に転送して閲覧している人が多い.しかし,携帯電話に転送されてきたメールは,パソコン向けのメールの改行や記号,セパレータのつもりの記号列の付加が,逆に見づらくする要因となるため,その場で読むのに適さない.さらに携帯電話のディスプレイを考えると,長いメールを読むことは,パソコンでそれを読むことに比べ労力を要する.そこで,一目で読むべきメールか判断できるように,メールに手を加えるシステムを試作した.携帯電話にはメールが今読むべきかの判別を行うための要約を与える.ユーザはその要約を見て,原文を読む必要があると判断した時,携帯電話を用いて原文にアクセスすることができる.その際,原文にも携帯電話のディスプレイを考慮した表示処理を施す.これにより,携帯電話でのメール閲覧のに要する労力が軽減されると思われる.
  • 平石 広典, 溝口 文雄
    セッションID: 2C-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、携帯端末、特に携帯電話のためのグラフィックパスワードの実装と応用について述べる。グラフィックパスワードは、予め登録された絵を選択するだけで、認証を行うことが可能であるため、キーボードを持たない携帯端末向きの認証方式である。しかしながら、文字のパスワードよりも、組み合わせが少なくなり、単純かしてしまうため、認証の強度に問題がある。本研究では、二重認証やワンタイムパスワードを組み合わせることで、認証の強度を保ちつつグラフィックパスワードを実現する方法を提案し、具体的な携帯電話用のサービスに応用した。
  • 高橋 淳, 今泉 貴史
    セッションID: 2C-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
     近年の携帯端末の普及に伴い、移動先からネットワークを利用するユーザが増加している。IPv6ネットワーク上でこの移動性をサポートする代表技術にMobile IPv6がある。Mobile IPv6を利用することで、ユーザはリアルタイムにデータを受信することができるようになる。しかし携帯端末が普及する反面、IPアドレスをノード識別に利用する従来のアーキテクチャは、携帯端末に対しルーティングの問題やコネクションの問題を引き起こした。特にファイアウォールでは携帯端末の変化するIPアドレスを識別できないため、携帯端末のためのアクセス制御が困難であった。本研究では、携帯端末に対し常に変わらないネットワーク到達性を実現することを目的としている。その一環としてファイアウォールのアクセス制御にホームエージェントを利用することで、携帯端末に対するノード識別機構を提案する。
  • 増山 隆, フレデリック ペシャンスキ, 大山 恵弘, 米澤 明憲
    セッションID: 2C-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では別の計算機に実行を移動させた,通信の送受信関係が動的に変化する分散アプリケーションの記述を支援する言語 Mobile Scope について述べる.Mobile Scopeでは,一つのまとまった動作を行う計算主体をコンポーネントとして表現し,コンポーネント同士をチャネルと呼ばれる通信路で結びつける形でプログラムを構成する.Mobile Scope の特徴の一つは,通信路の生成・切断および計算機間の移動を指示する部分(スクリプト部分)を,計算を行う部分(コンポーネント部分)と分離して記述する点である.もう一つの特徴は透明な移動機能であり,Mobile Scope ではアプリケーションを実行中のまま別の計算機に移動させることができる.本論文ではクライアントとサーバの両方が計算機間を移動できるビデオ配信システムの開発を例にとり,それらの特徴が分散アプリケーションの記述性をどのように高めるかを示す.
  • 横尾 真
    セッションID: 2D-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,正直が最良の策となる(戦略的操作不可能である)組合せオークションプロトコルの一般的な表現である,価格ベースプロトコルと呼ばれるプロトコルのクラスを示す.あるオークションプロトコルが価格ベースプロトコルとして表現できることが,プロトコルが戦略的操作不可能であることの必要十分条件となることを示す.さらに,価格ベースプロトコルに付加的な条件を加えることにより,プロトコルが架空名義入札に対して頑健であることの必要十分条件が得られることを示す.
  • 佐渡山 陽, 河野 真治, 小杉 隆二
    セッションID: 2D-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    現在のネットワークゲームでは、セントラライズドサーバーを用いるのが一般的である。しかしながら、参加者が数百万人の単位になると、セントラライズドサーバーでの処理が間に合わなくなってしまい、ゲーム進行に障害がでる場合がある。そこで、我々は、PC上で動作するAgentを用いたフレームワークを提案している。これは、家庭用ゲーム機の代わりに、ゲームの処理とそれに伴う通信を行う。動的に変化するAgent間のネットワークにおいて、トラフィックを抑えつつネットワークゲームを実現するための通信プロトコルを提案する。
  • 服部 宏充, 伊藤 孝行, 大囿 忠親, 新谷 虎松
    セッションID: 2D-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    議論に基づく交渉は,理由付け(根拠)を伴う提案を相互表明することで,競合解消・合意形成を効果的に行う,新たなエージェント間交渉の枠組みである.議論に関する研究は論理学の分野で活発に研究されて来たため,既存手法の多くは,論理ベースを持ったエージェントを仮定している.本研究では,エージェントによる適切な提案の生成のために,ベイジアンネットワークに基づいた,知識の確率的因果関係の処理機構を構築する.ベイジアンネットワークでは,知識の関係がグラフ構造で明確に表現されるため,因果関係を能率的に特定できる.そして,条件付き確率の付与により,既存手法では明示的に扱われていない,不確定的な知識が処理可能となる.本研究では,確率値を,不確定的な知識に基づく提案の優劣判定に利用し,不確定的な状況下において,尤もらしい合意形成を可能にするための議論に基づく交渉プロトコルを明らかにする.
  • 向井 康人, 磯村 厚誌, 服部 宏充, 伊藤 孝行, 新谷 虎松
    セッションID: 2D-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    組織において,グループウェアはユーザグループを支援するために設置される.ユーザはグループウェアを利用する事で作業効率の向上やコミュニケーションの促進をはかる.しかし,スケジュールに情報を入力し,入力されたイベントに関係する人に対してメールを送る場合のように,各グループウェアを用いて複数のタスクを組み合わせたタスクを行う際や同じ情報を異なるグループウェア入力する際,利用するグループウェアの種類が増す事でユーザの作業の負担は大きくなる.本研究ではグループウェアを統合する事によりユーザの作業量を軽減し,また複数のタスクを組み合わせる事によってメール転送タスクといった,新しい単一のタスクを提供する.ユーザが必要とする条件を全グループウェアに共通のフォーマットで記述する事で,目的を達成する際のユーザの手間を省くことができる.
  • 宮崎 旭史, 今泉 貴史
    セッションID: 2E-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    インターネットやコンピュータハードウェアの発達により様々な分野で効率的な情報通信・処理が可能となり、近年では分散コンピューティングのさらなる発展が望まれている。現在注目されている技術にXML Webサービスがあり、WSDLやUDDIなどの仕様と共に、Webサービス技術利用のためのツール群も登場してきている。 本研究ではWebサービスを簡便に扱う方法を考え、一般的に利用できるシステムを構築することを目標とする。これを実現することで、開発技術のない一般ユーザでも様々なアプリケーションを構築することが可能になり、現在のコンピューティング環境をより有効に活用できるようになる。本研究ではまず様々な利用形態を持つWebサービスを効率的に開発する手法について考察し、それを踏まえてWebサービスを高水準で扱う方法を考える。
  • 藤原 克哉, 中所 武司, 玉本 英夫
    セッションID: 2E-2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
     我々は、全ての日常的な仕事はコンピュータが代行すべきであるという観点から、エンドユーザが自分のエージェントを自ら作成し利用するためのツールとして窓口業務を例題としたWebアプリケーションフレームワークの研究を行ってきた。
     本稿では、窓口利用者の電子フォームへの記入を支援する自動記入エージェントの実現方式について述べる。これまでの自動記入方式では、自動記入する内容をあらかじめ利用者が登録する必要があった。そこで、記入内容を外部Webサービスから取得し自動記入する方式を開発した。また、異なるインタフェースを持つWebサービス群を透過的に扱うために、共通インタフェースに変換するWebサービス変換フレームワークを開発した。さらに、サービスの網羅性と可用性を高めるために、現在普及しているWebアプリケーションをWebサービスにラッピングするフレームワークを開発した。
  • 石山 智朗, 小野 康一, 深澤 良彰
    セッションID: 2E-3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    Model 2アーキテクチャは、Web アプリケーションをMVCパターンに基づく3つのコンポーネントに分離し、各コンポーネントは互いに連係をとることで動作する。このため、Model 2アーキテクチャを持つ Web アプリケーションフレームワークに基づく開発は、コンポーネント間の関係を考慮しながらおこなわなければならない。本研究では、開発に必要となる各コンポーネント間の関係情報を仕様として定義し、Web アプリケーションの変更や拡張の支援に利用する。ただし、通常用いられる仕様は完全で誤りのない文書として記述することで様々な支援に利用することができるが、高い記述コストを必要とする。我々は、仕様に完全な記述を求めないことで、特定の支援については最低限の記述ストで支援を可能とすることを目指す。
  • 田口 満久, 徳田 雄洋
    セッションID: 2E-4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    これまで、アプリケーションの全体的振る舞いを記述したWeb遷移図と呼ばれるダイアグラムからWebアプリケーションを自動生成するシステムを提案してきた。しかし、Webクライアントによる履歴情報を用いた自由なWebページ間の移動に対して、サーバ側で発生する副作用を適切に制御することは困難であった。そこで、セッションの振る舞いを記述するためのダイアグラムを新たに提案し、Web遷移図と提案ダイアグラムを用いたセッション管理の手法を示す。提案手法を用いることで、副作用の発生の制御を明示的に表現することが可能となり、アプリケーションの仕様に基づいた各セッションごとの柔軟なセッション管理が容易となる。また、提案ダイアグラムからセッション管理のためのプログラムを自動生成し、記述されたセッションの振る舞いを実現する例も示す。
  • 山口 翁央, 伊藤 孝行, 新谷 虎松
    セッションID: 2E-5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    通常のWebブラウザは,WebページをHTMLのタイトルとURLだけ保持している.ブックマークおよび閲覧履歴は,Webブラウザが保持している情報をリスト形式にして表示する.何度もアクセスするWebページは,Webページの内容を覚えているので,従来のシステムでも問題はない.しかし,アクセス頻度が低いWebページの場合,内容を覚えていない.Webページの内容を覚えていなければ,WWWへアクセスして表示しなければならない.本論文では,Webページ自体を画像として保持し,3次元技術を用いてWebブックマークおよび閲覧履歴の可視化を提案する.本手法は,保持しているWebページの画像を,本をメタファとして,3次元空間へ配置させる.本は.人間にとってなじみ深く,非常に扱い慣れている.以上から,従来のWebブラウザにおけるWebページの提示方法にくらべ,有効なシステムを提供できる.
  • 高橋 和子
    セッションID: 3A-1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/12/17
    会議録・要旨集 フリー
    ある領域で成り立つ性質が他の領域に伝播するような事象に対する推論方法を述べる.SRCCは,定性空間推論の代表的な算術であるRCCを拡張し,空間的な関係だけでなく空間に埋め込まれた属性もあわせて扱えるようにしたものである.本論文では,SRCCで記述された二つの領域上で成り立つ属性とそれらの相関関係からこれらの領域間に成り立つべき位置的な関係を求めるアルゴリズムを示す.このアルゴリズムを使って,いくつかのSRCCの式が成り立っている位相空間に新しい領域を導入する場合に導入場所が決定できる.本論文では汚染物質の伝播問題を使ってこの応用を示す.
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