n型シリコン(Si)ウェーハを金(Au)を含む水溶液に浸漬した場合、Au/n-Siショットキー接触が形成され、Si表面が弱反転状態となる。また、この表面では酸化膜成長が促進することが分かっている。本研究では、Auの挙動を調べるために様々なAu濃度の水溶液に浸漬したn型Siウェーハについて交流表面光電圧周波数特性を調べた。その結果、Auの酸化膜成長を増速させる触媒機構はAu/n-Siショットキー接触面積だけでは決定されないことが示された。

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複数の探針を備えた走査型トンネル顕微鏡（多探針STM）はナノスケール構造の電子伝導測定が可能である。しかし、通常のセットアップでは探針同士の間隔を数十nm以下にすることは難しく、真にナノメートルスケールでの電子伝導測定は困難である。本研究ではMCBJの構造にヒントを得て、探針同士を完全に正対させる2探針STMを提案し、これを用いて超薄膜試料上で1桁nmの領域まで探針を接近させナノスケールでの電子伝導測定を行う。

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RBSは軽元素の検出を苦手としており、H、Li等の分析にはERDAやNRAが用いられる。我々はHR-ERDA装置を用いて高い深さ分解能で水素の深さ方向定量分析を行っている。また同様の装置を用いてHeやBを検出した事例も報告されているが、研究段階に留まっている。このような中、我々はHR-RBS/ERDAがLiの分析に適用できると考え、安定なLi化合物を用いて実用的な分析とするための検討を行った。

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一般に金、銀、銅などの貨幣金属表面でのみ、表面増強ラマン散乱は有効と考えられている。しかし、銀ナノ粒子または金ナノ粒子と、減衰の大きな白金や鉄などの基板間のギャップモードプラズモンを光で共鳴励起することで、これらの金属基板上の吸着分子のラマン散乱が10^8-10^9倍も大きく増強された。この手法の利用のための重要な技術である金属ナノ粒子の効率的な固定法についても実験的に検討した。

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ナノラマンイメーシ゛ンク゛に有用な高感度ラマン分光として、全反射型光学配置によるプリズム表面に形成した銀薄膜の伝搬性表面プラズモン(PSP)と、銀ナノ粒子付加によるギャップモード(GM)の複合化について、実験的に及びFDTD法による電場計算により検討した。銀ナノ粒子をごく少数付加することで、大きなPSP電場を維持できるとともに、ＧＭによりギャップの吸着種のラマン散乱が約10^12倍増強されることが確かめられた。

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XPSは固体表面の化学結合状態を同定でき、産業界で急速に普及しつつある。しかしスペクトルの解釈が解析者に依存しているため、解析に大きな任意性が存在する。そこで本研究では、XPSスペクトルの解析を自動化することにより、任意性の排除を目指した。今回は、解析の際に重要となるスペクトルの数学関数近似の自動化に成功した。このソフトウェアはスペクトル処理システムCOMPROに組み込み一般公開する予定である。

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有機導体中のキャリアの分子間移動は分子間のπ電子軌道の重なりに依存する。有機分子は異方的な電子輸送特性を持つため分子配向制御が課題の一つとなっている。Ｘ線吸収分光法の偏光測定とオージェ電子分光法を組み合わせ、遷移モーメントを利用した3次元解析手法を構築し、P3HT:PCBMハイブリッド膜表面のP3HTラメラの構造の配向評価を行った。

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材料の導電性やデバイスのキャリア輸送をナノスケールで調べるため、STS測定及び走査トンネルポテンショメトリー可能な多探針STM装置を開発した。この手法はSTM像と表面電位分布を同時に測定できる。μmスケールで数十μVの電位勾配を確認したが、粒界や異種接合界面における電位降下をnmスケールで検出すべく、測定回路の改良を進めている。当日はこの手法の詳細と導電性ナノインク電極の測定結果を報告する。

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光電子と表面素励起との非弾性相互作用を利用した分光法は、ＳＦＧ分光では検出できない吸着分子の束縛モードを検出できるなど、新たな振動分光法として期待される。本研究では、この新奇振動分光法の更なる発展を目的として、CO/Cu(001)表面の非弾性光電子分光スペクトルの角度依存性を測定した。得られたスペクトルにおける非弾性放出成分の解析から、CO/Cu(001)表面のＦＲモードの分散について検証した。

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発表者らはアトムプローブ（ＡＰ）の分析対象を非金属試料に拡げることを目的として走査型アトムプローブ（ＳＡＰ
）の開発を行っている．ＳＡＰとはＡＰに微小引出電極を導入して，試料形状の制約を緩和した装置である．
市販の漆（ウルシ）液からアセトン抽出したウルシオールを用いて，金属探針の上に熱硬化膜を作製し，ＳＡＰで分析を行った。
先の発表時よりも分離精製の方法を改善して再現性を確かめたので報告する。

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140KのPt(111)に吸着した水分子の和周波発生(SFG)振動スペクトルを測定した。OH伸縮振動のスペクトルは被覆率に応じて単調増加し、氷中に強誘電的なドメインが成長していることが明らかになった。多層吸着氷を昇温したところ140K-160Kにおいて強誘電-常誘電転移を示唆するスペクトル変化が現れた。ヘテロダイン検出SFGスペクトルに基づき、これらの強誘電氷のプロトン配向についても議論する。

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Si(110)-16x2清浄表面の表面最安定構造モデルは決定しておらず、いくつか提唱された中からAdatom Buckling(AB)モデルとAdatom-tetramer-interstitial（ATI）モデルが有力視されている。そこで、本研究では、光電子-オージェ電子コインシデンス分光法を用いてSi(110)-16x2清浄表面の最安定構造を検討し、ABモデルが最適であることがわかった。

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近年、軽量ながら高い強度と耐熱性を示すMg-TE-RE三元系合金に注目が集まっている。この合金の優れた物性はLPSO相（Long Period Stacking Ordered phase）と呼ばれる特異な構造相によって発現していると考えられているが、現在まで構造の詳細は解明されていない。本研究では走査トンネル顕微鏡を用いることで、これまで観察が困難であったLPSO相局所構造の直接観察を試みた。

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薄い膜の積層構造を利用したデバイスの開発においては、電気コンタクトを形成して特性を測定することが必須である。従来のプローバーでは、試料表面を削ってコンタクトを形成しており、極薄膜やグラフェンなどの二次元物質では試料を破壊してしまう。そのため、試料にパターニングを施した電極を蒸着するなどの方法を採っていた。今回、試料を破壊せずに簡便に電気コンタクトを形成する方法を開発した（特許出願済）ので報告する。

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近年、抵抗変化型メモリ（ReRAM:Resistive Random Access memory）が次世代の不揮発性メモリとして注目を集めている。ReRAMは金属酸化物などの絶縁膜を金属電極で挟みこんだ単純な構造をしており、微細化に適した性質をもつ。本研究ではNiナノワイヤを用いたReRAMの形成を試み、またそのメモリー素子としての基本動作の確認を行った。

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Si(100)基板を使用し、基板温度を600－1000℃、10^-4－1mbarの圧力領域での亜酸化窒素(N₂O)ガスにより、シリコン熱酸窒化を行った。形成された酸窒化膜をX線光電子分光によって分析した。結果、反応条件の違いによって膜厚や元素組成が大きく変化することがわかった。今回得られたシリコン酸窒化膜の元素組成に関して、基板温度依存性とガス圧力依存性についての知見を報告する。

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交流表面光電圧(AC SPV)法を用いた多結晶Si薄膜の結晶性評価装置の開発を行っている。多結晶Si薄膜から得られるAC SPVは、結晶粒径に依存する。今回、真空中で熱処理したアモルファスSi薄膜について、熱処理温度とAC SPVの関係を調べた。AC SPVは熱処理温度500 ℃以上で増大し、熱処理温度800 ℃で最大となった。この結果は、アモルファスSi薄膜の結晶化を反映したものと考えられる。

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Si基板上に形成したシリコン酸化膜を無酸素雰囲気中で加熱すると、酸化膜は不均一なボイド状に熱脱離する。それに伴い、ボイド内部には様々な脱離条件に対応して、微細構造が形成されることを明らかにした。ボイド内部構造をSEMやAFMを用いて分析し、その形成機構について議論する。

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時間分解STMを用いてGaAs中に光励起されたキャリアの減衰過程を解析した。測定ではバルク再結合による減衰に加え、探針誘起のバンドベンディングにより表面蓄積したキャリアの減衰が観測された。特に表面キャリアの減衰時定数は光強度に強く依存するが、その現象は数値計算を用いて、従来の熱的拡散モデルに詳細な実験条件を組み込むことで再現することができた。これより時間分解スペクトルの定量的な解釈が可能になった。

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薄膜成長から光触媒、電子素子として重要なSrTiO₃（STO）、及び燃料電池や酸素センサーの材料として電極Y₂O₃安定化ZrO₂（YSZ）表面上にNiやPtなどの金属クラスター／粒子を作製し、その形態や成長過程、界面構造をUHV-TEM及STMを用いて調べた。また面方位や表面処理の差によるそれらの違いについても述べる。

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ガスセンサは幅広い分野で応用が期待される重要なデバイスであり、小型化、低消費電力化、高機能化が求められている。これらを実現するためには、センサの微細化、集積化が不可欠である。そこで、我々は、局所的に陽極酸化することにより酸化チタンナノチューブを電極間の微小領域に形成し、微小水素ガスセンサを作製し、被検ガスである水素に対する安定性を向上させるために、水素雰囲気下での熱処理を行い、その評価を行った。

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ガスセンサは幅広い分野で応用が期待される重要なデバイスであり、小型化、低消費電力化、高機能化が求められている。これらを実現するためには、センサの微細化、集積化が不可欠である。そこで、我々は、局所的に陽極酸化することにより酸化チタンナノチューブを電極間の微小領域に形成し、微小水素ガスセンサを作製し、被検ガスである水素に対する安定性を向上させるために、水素雰囲気下での熱処理を行い、その評価を行った。

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微細加工により微視的に(100)面、(111)面を露出させたSi(100)基板上に、SiC薄膜を作成して超高真空中アニール処理によりグラフェンを形成した。このようにして作製したSiC及びグラフェンのキャリアドープ量が、ナノスケールで変化することを、顕微光電子分光法により明らかにした。

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近年、分子架橋系の量子伝導が注目され、共鳴準位トンネル、ループ電流等の興味深い特性が報告されている。
我々は、SD電流に比べて大きなループ電流がいつ形成されるかに注目して研究を進めてきた。
今回、3サイト三角分子モデル、密度行列・非平衡Green関数法を用い、ループ電流の起源と過渡特性を調べた。
その結果、分子のエネルギー縮退準位の解け方に依存して、過渡特性は3種類に分類されることが明らかになった。

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近年分子架橋などのナノスケールデバイスにおける電子輸送の研究が盛んに行われている。これまでの多くの研究では電極と１箇所で接合している分子系が主な対象であり、電極と複数箇所接合した分子系の研究は限られている。そこで本研究では複数箇所で電極と結合した分子系に注目し、接合の幾何や電極内の相関が分子を流れる電流の過渡特性にどのような変化を生むかを密度行列の時間発展方程式を数値解析することで明らかにする。

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高配向性熱分解グラファイト（HOPG）表面に、単層以下のシリコンを蒸着し、その構造をXPSおよびX線吸収微細構造法（XAFS）により調べた。1/5層の極薄Si膜のSi K-吸収端XAFSスペクトルには、π*およびσ*軌道への共鳴吸収によるピークが観測され、その強度には偏光依存性が認められた。このことから、Si薄膜の一部は、グラフェンと類似の構造をとり、表面に平行に配向することがわかった。

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紫外領域に強い励起子発光特性を持つ酸化亜鉛微粒子はその生体安全性から生物系研究のラベル物質として注目されている．しかし，酸化亜鉛のバンドギャップが広く励起子発光を起こすためには紫外領域の光照射を行う必要がある．そこで，酸化亜鉛に金属微粒子を担持し，このプラズマ吸収を利用した励起を考え，生体安全性がある金微粒子を担持した酸化亜鉛を作成し，その光学特性を測定した．

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グラフェン電界効果トランジスタ(GFET)は将来性のあるデバイスとして期待されている。前回の発表では、高抵抗の原因となるグラフェンシート/金属電極界面にできる電荷移動領域の直接観測に成功したことを報告した。今回は、親水性と疎水性で異なる基板に作製したGFETの電子状態空間分布の比較を3DnanoESCA装置を用いて行い、電荷移動領域やキャリアドープの状態を制御できることを実証した。

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シリセンはグラフェンと類似の構造を持ち、同じくDirac電子系に属する新物質である。グラフェンと似た物性を持ちながらもシリセン特有の歪み構造によりグラフェンにはない性質も期待される。そこで本研究では時間依存密度汎関数法を用いてシリセンナノリボンにフェムト秒レーザーを照射した時の電流放出シミュレーションを行った。グラフェンナノリボンからの放出機構と電流量の違いに焦点を当てて議論する。

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金属電極間を1つの原子あるいは1列の原子列で架橋した単原子接点はナノデバイスへの究極の微細配線としての応用が期待されている。デバイスにおける要素として機能するためには、それらが直流や低周波の信号だけでなく、高周波の信号、パルスを伝播できる必要がある。現在、単原子接点の研究は直流を用いた研究しか行われていないため、本研究では単原子接点の高周波特性を明らかにすることを目的としている。

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グリシン/アラニン分子をCu表面に吸着させると、(111)表面では量子柵構造が形成され量子閉じ込めによる電子状態が、(100)表面では自己組織化膜の形成により異方的な分散関係を持つ2次元電子状態が発現する。後者の場合、分子により異方的な分散関係から得られる有効質量の比が変化することも見出された。分子のキラリティーが重要な担う役割を担うことが明らかになったが、本講演では、これら詳細について紹介する。

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我々は，酵素を高密度に固定したカーボン繊維を作製し，本電極を安全で環境に優しいウェアラブルなバイオ電池へと応用する研究に取り組んでいる。本講演では，カーボン繊維へCNTおよび酵素を修飾し，柔軟かつ出力の高い酵素電極の作製に関して報告する．また，本電極をイオン電導性に優れるハイドロゲルと組み合わせることで，シート型酵素電池を開発することにも成功したので，その試験結果も併せて報告する予定である．

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Poly-[(R)-3-hydroxybutyrate](PHB)は生分解性高分子の一種で、環境中の分解の容易さや熱可塑性、比較的高い融点等という性質から産業への活用が期待されている。応用化に向けた研究の中で、同じく生分解性高分子であるpoly(L-lactide)(PLLA)を加える事によりBulk状PHBの結晶化の振る舞いが抑制される事が近年明らかになった。しかし、薄膜状PHBへのPLLAの影響は未知の部分が多い。本研究ではPHBに様々な分子量のPLLAをブレンドして薄膜を生成、評価し結晶性変化にどう寄与するのかを検証する。

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ドーパミンは神経伝達物質として生体調節へ重要な関 与が推定されているカテコールアミン類の1つで、通常の金電極上では不可逆な酸化還元反応を示す。金電極表面をカルボキシル基やアミノ基を有するチオール化合物の自己組織化単分子膜（SAM）によって修飾し、機能化した場合、ドーパミンの酸化還元反応の可逆度が向上することが明らかになった。SAM修飾金電極を用いたドーパミンの酸化還元挙動を詳細に調査し、この結果より生体分子間相互作用について考察を行った。

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グラフェン上のDNAの塩基配列決定を行うことを本研究の目的とする。STM観察に適したグラフェンを作成し、その上にDNAを固定し、STMやAFM観察によりDNAの構造や塩基配列を1分子解析する。

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自然界には表面微細構造に由来する様々な機能を有する表面があり、近年ではこの微細構造を模倣することで機能を発現させた材料を作製する、バイオミメティクスと呼ばれる分野が注目を集めている。本発表では整流効果や抗付着性を有するサメ肌表面に着目し、その表面に形成しているリブレットとディンプルの階層構造を自己組織化を利用して模倣・作製し、その表面機能の測定を行ったので報告する。

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生体材料では望ましくない生体反応を抑制するため、材料表面へのタンパク質吸着の理解が必要である。タンパク質吸着には界面水分子が重要と考えられることから、界面選択的な測定法である和周波発生分光法により界面水分子の構造解析を行った。双性イオン性高分子の界面水分子は規則性の高い構造をもつことが分かった。タンパク質吸着量との比較から規則性の高い構造をもつ界面水分子がタンパク質吸着を抑制することが示唆された。

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エンドサイトーシスで働く膜変形モジュールタンパク質の1つであるF-BARの脂質膜表面での自己組織化反応をその場観察した。Phosphatidylinositol含有脂質膜内に形成される10-100 nmオーダーの微小ドメインの役割と、この微小ドメインを含む脂質膜の流動性について原子間力顕微鏡観察および蛍光一分子計測の結果から議論する。

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アルツハイマーの発症に関わる重要タンパク質として知られるタウタンパク質分子の分子内部の動的挙動は全く評価されていない。今回は、Ｘ線1分子追跡法を用いて、基板上固定したタウタンパク質分子の抗体反応時及びリン酸化のよるダイナミクス変化を1分子計測した。

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リチウムイオン電池の寿命向上のため、充放電時、電極と電解質の界面における構造変化が注目されている。透過型電子顕微観察法は界面における局所的な構造 に関する情報が得るため、有効である。そして我々は、正極材料であるLiMn2O4ナノワイヤを用いてナノスケールのリチウムイオン電池を作製、透過型電子顕微鏡を用いて”その場”観察した。充放電反応に伴って電解質に接している構造が変化することを見出した。

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我々は光変調トンネル分光法(LM-STS)を用い、有機太陽電池の局所構造による太陽電池性能のばらつきの解析を行った。今回MDMO-PPV：PCBMとP3HT：PCBMの2種類のBHJ有機太陽電池試料の測定を行った。実際に得られた試料表面のSTM形状像、短絡電流像、開放電圧像を元に有機薄膜の構成と関連づけた空間分布の違いを示す。

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We have simulated electrochemical impedance spectra by the Kinetic Monte Carlo method, to examine the correlation between the impedance behavior and atomistic processes in solid oxide fuel cells (SOFCs) as well as to obtain further insights into the interface effects on ion transport behavior in SOFCs. We have taken Y-stabilized zirconia between Ni electrodes as an example, artificially changed the activation barriers near the electrode/electrolyte interfaces, and analyzed how this change affects the spectra.

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The quantum efficiency of the water splitting reaction over NaTaO₃ photocatalysts is significantly improved when properly doped. Possible roles of the dopants have been examined to date. In the current study, NaTaO₃ doped with Sr or other elements is examined with Raman spectroscopy to deduce dopant-induced transformation of composition and structure of the photocatalysts. Scanning electron microscopy and X-ray diffraction are used as supplementary instruments to confirm surface structure and distribution of dopants.

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白金代替カソード触媒として窒素ドープグラフェンナノシートを調製し酸素還元触媒活性と活性点を調べた。最も高活性な触媒では、酸素還元開始電位が約0.84 Vであった。また、触媒活性点がピリジニック窒素という仮定からCO₂-TPD測定を行ったところ、CO₂吸着量と酸素還元開始電位の間に相関がみられた。この結果は、ピリジニック窒素近傍に形成されるルイス塩基点が酸素還元反応の活性点であることを示唆している。

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表面形成により、表面に規則的な突起を有するエラストマーが、基板上を滑り運動する系についてモデル化し、シミュレーションを行った。このシミュレーションを用いて、エラストマーのスティックスリップ運動発生のメカニズムの解明を目的とした。シミュレーションでは、エラストマー表面の突起を、付着と解離を繰り返すばねでモデル化し、エラストマーの滑り運動の再現を行った。

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巨視的な滑り摩擦における，試料全体の滑り運動と各突起の振る舞いとの関係を明らかにするために，モデル系として，表面に大きさの等しい半球形の突起を規則正しく配置したエラストマーがガラスプリズム上を滑る際の滑り摩擦について研究した．このモデル系において，試料が定常滑りおよびスティック・スリップする際の摩擦界面のその場観察を行い，試料全体の滑り運動との関係を調べた．

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摩擦運動の様式と試料の物性の関係を明らかにするため，半球形の多数の突起が規則正しく付いているエラストマー試料を作製し，研究を行った．今回は，試料の物性として弾性率に注目し，試料の弾性率を操作して摩擦実験を行い，滑り運動の様式と摩擦界面の振る舞いを観察した．

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グラフェンのデバイス応用においては、グラフェン自身の物性制御に加えて、グラフェンと既存の異種物質、すなわち基板、電極といったものとの複合構造形成における界面物性の解明と、それに伴う物性制御が必要である。本講演では、複合構造形成によるグラフェンの物性変調、物性制御についての知見を紹介する。また、新奇機能、物性を有するグラフェン関連物質の紹介も行う。

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グラフェンFETの潜在的な可能性と現実的な課題について議論する。

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