建築學會論文集
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9 巻
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  • 原稿種別: 表紙
    1938 年 9 巻 p. Cover1-
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1938 年 9 巻 p. Toc1-
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
  • 森 徹
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 1-10
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本研究はコクゾウ試料として甲虫の生命と温濕度との關係を研究したものであつて、其の得たる結果は第27,28圖の如くである。コクゾウの死亡率はMは,温度T,濕度Hに關係するのみならず、該温濕度の下に置かれる時間Zに關係する状況が是等の圖から定量手に判明する。從つて木材を蝕害する甲虫の成虫期に於ける性状を定量的に一應推定し得る。
  • 十代田 三郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 11-16
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    建築用木材(6種類)の供試體に人工培養に依る腐朽菌「ワタグサレタケ」Poria Vaporaria,「スエヒロタケ」Schizophyllum Commune,「ナミダタケ」Merulius domesticusの3種類の菌糸を接種し之を3角壜内の飽和含水せる鋸屑上に置き綿栓をなし、温度約28℃を保てる恒温槽内に靜置し6ヶ月後之を取出して其重量及び強度變化を比較したものである。
  • 狩野 春一
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 17-23
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    曲げ破壊係數「F_b」と引張強度「F_t」とを比較研究する爲に行つた本實驗の主要範圍は次の3階程よりなつてゐる。 第一階程:異つた3種のセメントと2種の骨材とを用ひ、水セメント比「w/c」55乃至75%の範圍で軟度及び材齡の變化せしめたもの。但し曲げ試檢體はb×h×L=4×4×16cm梁形でスパン「l」10cm,中央一點荷重とし、引張は他の場合と同じく著者考案の試檢體を用ひた。 第二階程:前囘の結果に鑑みw/cの影響を詳しく知る爲に、その範圍を40∼80%に擴げて行つたもの。但し曲げ試檢には前囘の如くl/h=2.5以外に4.5のものに就ても行つた。 第三階程:主としてl/hの變化による曲げ破壊係數の状態を知る爲にl/hを1.5乃至10の範圍で行つたもの。但し曲げ試檢體にはl/h=4.5以下の場合の成形型は4×4cmの斷面を有する鐵製のものを、l/h=5以上のものには斷面10×10又は10×20 cmの木製型を使用した。以上の結果として 第1囘からは材料の變化、モルタル製作條件の如何を問はず(F_b)/(F_t)は2に近い値を持つこと。本實驗に於ける(F_b)/(F_t)の總平均は1.95であつたこと。就中材料の變化にかゝはらずw/c=65%軟度フロー200の4週試檢のものは何れも上記平均値に最も近い。但し仔細に觀察すればw/cの相異に關して其の小さなもの程F_b/F_tは小になる様であると述べ 第2囘に於いてw/cと強度との關係曲線を求め、w/cの強度に及ぼす影響はF_bの方がF_tに對するよりは大であること。l/hの大なる方がF_bの小なること。及びF_b/F_tはw/cの小なるもの程小であつて、本實驗のw/cの範圍ではl/h=2.5の時は1.81∼2.28l/h=4.5の時は1.45∼2.04の變化のあつたことを述べた。 第3囘に於ては同一條件のモルタルに於てはl/hの大なる程F_bが小なること、從つてF_b/F_tが小なることを圖示した。
  • 大野 和男
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 24-32
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本文は混練直後のコンクリートの原料組成に對する一種の物理的解法を提案するものである。此の方法の骨子は、一定容積のコンクリート試料を水洗篩別して砂及び砂利の部分を囘收し、其の乾燥重量及び實積を利用してコンクリート中の(セメント+混和水)の部分の容積及び重量を誘導し、セメントの比重に依つてセメント量並に混和水量又は水セメント比を求めるにある。本文第1節に於ては此の方法の要領に就いて説明し、第2節に於いては組成即知のコンクリートに就いて此の方法を實施せる成績を揚げた。之に依れば、例へば設計水セメント比70%のコンクリートに對し71∼72%、設計水セメント比50%のコンクリートに對し51∼52%なる結果を得る。尚此の操作に要する總時間數は、試料採取より最長の場合6時間、最短の場合1時間半程度である。
  • 栗山 寛, 幸田 太一
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 33-41
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    現場打ちコンクリート研究の一部として行つた實驗である。コンクリートから水の分離する現象は工事現場に於てコンクリート打施工中〓々目撃せられる現象である。本實驗に於いては建築學會制定のコンクリート試檢標準方法に從ひ試檢體を製作するに際し、水セメント比が増大するに從ひ型枠にコンクリート填充後、水の分離を來すことを確め、且之と標準試檢體製作用型枠の周圍及び底面に無數の小孔を有しコンクリート填充後自由に混和水のみを排出せしめ得る様にした場合の水量の分離とを夫々數種の水セメント比について測定し、併て兩者の壓縮強度間の關係を求め,實際のコンクリート施工に於ける混和水の分離現象並に試檢方法に對する何らかのヒントを得んとしたものである。
  • 栗山 寛, 幸田 太一, 柴田 三郎, 小山 仁平
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 42-50
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    昭和12年度1ヶ年間(但し便宜上昭和11年9月より12月迄の分79件を含めた)警視廳管内の建築工事場254個所、試檢件數798件、試檢體個數2416個につき行つた壓縮強度試験の結果を總括、諸統計として表示し、併せてセメント及び骨材に關する諸統計をも收録した。
  • 濱田 稔
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 51-60
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    鹽化カルシウムはコンクリートの冬季混和劑及び硬化促進劑として好適であるが、鐵筋コンクリートには電流を考慮する限り使用すべからずとされて居る。筆者は滿州に於ける冬季浩二の一助と又年々100萬tonに及ぶ癈棄鹽化カルシウムの利用策として、之れを鐵筋コンクリートへ混用し得る條件を求めんとした。其結果通常の儘では直流(交流なら差支へなし)を考慮する限りコンクリートの乾濕を問はず上記の希望は全然無理であるが、鐵骨の鹽用ひられる防錆塗料中、瀝青性のものを利用し、且多少電氣的に考案をなすに於て鹽〓化カルシウムの使用は敢えて無理ではないと考へた。尚此防止策の最後案に對しては實驗未了であるが、本文中は上記の外コンクリートの電氣抵抗・防錆塗膜の電氣抵抗及び防錆塗膜とコンクリートの附着強度等參考となるべき實驗を以て一應發表することとした。
  • 武藤 清, 小場 晴夫, 長澤 誠
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 61-70
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    構造力學で遭遇する有限差方程式の積分法による解の内容は、構造物が無限に連續する場合の解(特殊解)に限界條件による修正解(餘函數)を加へたもので表される。一般に行はれる解法は兩限界の効果を同時に考慮するものであるが、茲に述べた解法は限界條件を各別に考慮して、限界の影響量を求め、之を他端に波及せしめ、更にその端にて限界條件に合致せしむる様反射せしめ、同様の操作を繰返して結局の解を求めんとする漸近的方法である。 此の方法は單に數式の上の計算のみでは無く、物理的に波及と反射の性質を考察することに依つて、ラーメンの圖上計算或は圖式解法にも適用せしむることが出來るのである。 本論の内容は5節より成り、第1節に於ては本法原理を數式的に説明し、第2節に於ては計算の基礎事項をなす限界の影響量、波及率及反射率の計算法を述べその解法例を示した。第3節に於ては水平力を受くる高層1スパンラーメンへの適用を示し、更に反射率の物理的意味を解説し、又漸近的解法との直接解法との關係を明らかにして本法の基礎を明確ならしめた。第4節に於ては波及反射の物理的性質を明らかにし定點法等に依る場合の解法への應用をも述べた。
  • 野村 一夫
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 71-80
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    恩師鷲尾健三先生は、その論文「反復合成法に依る矩形ラーメンの實用解法に就いて」に於て、不靜定ラーメンの解法に關する考究が、現在節點の移動する場合に對して行き詰つてゐることの根本は、ラーメン解法の方程式そのものに存するが、從來のこの方面の研究を見るに、その多くがこの條件の惡い方程式をその儘使用し、最初の假定値を工夫する以外に何等根本的對策が講ぜられてゐないことを指摘され、これを改善する1つの方法として、撓角法式に對し、部材角の項を消去した。節點角の項のみを含む條件の良い方程式に轉換し、これに逐次近似法を適用し、節點の移動するラーメンに對しても應用し得る有力な實用解法として、撓角補正法を提案された。 然し乍ら、撓角補正法は吾々が直接必要とせざる節點角及び部材角を求め、これを用ひて新なる計算により初めて求むる部材の端モーメントを得ると云ふ、從來の變形法系諸解法と同一の方向を採つて居られる。 筆者は撓角補正法の數學的な取扱ひを更に深く考究することにより、節點の移動あるラーメンに對して撓角補正法と同一形の方程式を利用して、一擧に部材の端モーメントを直接求め得る1つの有力な實用解法を得た。この方法に於いては、部材の端モーメントのみならず、節點角並びに部材角の算出も簡單にせられ、且つ計算の驗算に關する工夫も充分に考究せられた。
  • 田川 忠之助
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 81-90
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    〓1は繼手の存在によりて生ずる自重の特殊性を指摘し、〓2に於いて鐵筋コンクリート構造に於ける影響を數量的に研究する爲實例を以て應力を示して、充分注目に値する問題なる事を説き、更に〓3にて増築時の繼手に言及したり。〓4以下は目次に示す如く附隨する諸問題に關するものなり。
  • 武藤 清
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 91-100
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    鐵筋コンクリート構造ラーメン或は通しガセツトを有する鐵骨構造ラーメンが接合部に剛な區域を有することは既に知られた處である。筆者は豫て剛域を有するラーメンが水平力を受くる時の略算法を研究して居たが、此の程一應の案を得たので茲に報告する次第である。 本文は建築學會鐵筋コンクリート構造計算規準中の略算法と同様の方針よりなるもので、その方法を第1章に述べた。計算方法は適當な補正を施した梁の剛比を考へ、柱の剪斷力を算出し、又普通ラーメンの圖表を用ひて柱の反曲點を算出して曲げモーメントを求めんとするものである。 第2章に於ては略算法の根據を説明し、第3章に於てはその誤差を述べたものである。
  • 坂 靜雄
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 101-105
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    連層耐震壁の横力負擔に關する第1解法はラーメン及ラーメン内に張られた壁の特性に基き、力の平衡と變形の連續性から方程式を立てたものであつた。本論に示す解法は壁を圍むラーメンを壁と共に切り放し、壁體部はプレートガーダーの如く扱ひ、切り放されたラーメンの別の部分との間に縦横兩方向の移動、斷面の廻轉が夫々一致すべき條件によつてラーメン部の柱及び壁體部(兩側の柱を含む)の剪斷力を決定するものである。此の方法は第1法より寧ろ簡易であり、又前解法にて扱つた有壁ラーメンを第2法にて解いた結果は大體滿足すべき一致を得た。1張間連層耐震壁の問題はある層のみに剪斷力が作用する時のみ撓みの性状に關聯し、それは更に1張間1層の有壁ラーメンの撓みの性状の究明によつて正しく求め得るものと信ず、かくて連層耐震壁をもつラーメンの問題は1張間1層の有壁ラーメンの研究に壓縮得べし。
  • 川島 定雄
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 106-109
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    建築物内に設置せられたる諸機械の運轉等により、建物が強度振動力を不斷に受けることは〓〓經驗することであり、之が防振への對策として、所謂可撓性防振材料が選ばれるが、之が防振効果の算定は、材料自身の有する彈性係數s、純粹抵抗rを知らなければ、不可能であることからして、茲に欺る材料の前記常數を動力學的方法によつて實驗的に求め、且つ得たる値が信頼し得るものであることを示し、更に實驗中に現れた防振對策へ利用し得る二三の現象を附記した。
  • 谷口 忠
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 110-119
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本研究は先に鐵筋コンクリート造の上部構造が振動破壊するに隨ひその減衰係數と週期が如何に變化するかを報告した研究に對比すべきものであつて、主として基礎の状態により如何に影響するかを研究したものである。その結果色々新しき事項を定量的に探り得て剛柔構造並に基礎地盤と建物の剛度との關係に關し耐震上の得失を明確ならしめたものである。本研究は著者が日本學術振興會第14小委員會委員として分擔研究せる事項で研究費は同會より與へられたものである。茲に謹みて謝意を表す
  • 河野 輝夫
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 120-129
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本實驗の目的とする處は、木構造柱梁の仕口が地震力又は風壓の如く水平力に對して幾何のモーメントに耐え得るものであり、又其仕口は如何なる剛度を有するものであるかを究めんとしたものである。 本論文は管柱と梁、通柱と梁の場合の2部に別ち、共に我が國に於て普通住宅建築等に慣用されてゐる仕口を主とし、之に若干考案を加へたるものを合して管柱の場合は計9種、通柱の場合は計8種に就いて實驗した。
  • 田邊 平學, 勝田 千利, 後藤 一雄
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 130-139
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本研究は著者(田邊)が日本學術振興會第14小(耐震構造)委員會の委員として擔當してゐる『木造耐震壁に關する研究』の一部を成すもので、曩に公表したる 第5報: 交番水平荷重を受くる木造無壁骨組の實驗の後を承けて、眞壁を有する5種類の木造骨組に水平荷重を正負兩方向より交番的に作用せしめ、夫々の「破壊經過」「節點の荷重變位曲線」「横力分布係數」「變形エネルギー吸收率」及び「最大荷重」の特性を攻考究したものである。
  • 李 鴻祺
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 140-148
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本報告は鐵金煉瓦桂の強度並びに變形を實驗に基き研究したものである。
  • 藤田 金一郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 149-158
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    昨年來、鋼材の價格は極度に騰貴し、目下は、又、平和的事業に使用する鐵鋼は勿論の事、緊急の工事に於ても、之に使用する鐵鋼は極端なる節約に迫られてゐる時機である。重要物資節約の立場からも、鋼の騰貴價格に對應する工費經濟化の必要からも、此際、從來の慣習的な設計方針を再檢討する必要がある。本論文に於て取扱つた所のものは主として鐵筋コンクリート造建物について、(i)構造用鋼材の各種の節約案の提示(ii)其れによつて節約し得る鋼材の概略數量(iii)構造費用への影響(iv)騰貴せる鋼價格に對應する床版、梁、柱斷面の經濟化に關する設計の試料である。 要するに、騰貴せる鋼價格に對處し、又は鋼の節約を主眼とした設計方針に關する研究である。 本文に於て提示する節約案は別に目新らしいものではなく、案の過半は鋼材節約の今日、既に實行されてゐる事でもあるが、節約案の各項がそれぞれ、どれだけの鋼を節約し得るか、如何なる點が鋼節約に大なる効果があるか、如何なる鐵筋比が鐵の色々な單價に對して最も經濟的であるか等の問題を總括的に及び組織的に觀察する事が主目的である。 これによって、一般に從前の設計の鐵筋コンクリト構造用鋼の30%位を節約する事の容易なる事を示し、又必要に應じ更にそれ以上の節約も相當可能である事を示した。 獨り鐵筋コンクリート造のみならず鐵骨鐵筋コンクリート造に於ても次に述べる如き節約方針を實施するならば、近來建築會に於て毎年消費した構造用鋼の60%にて濟ます事が出來る。
  • 鶴田 明
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 159-166
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    ボルトと隅肉熔接とを併用した接手に關し、前囘報告後引續き行ひたる實驗結果を報告せるものであつて、前囘實驗がボルト1本とそれに稍々強さの匹敵する熔接とを併用したものに限る實驗であつたに反し、今囘のものはボルトの數と熔接の長さとを種々に變じた場合の兩者の協力状態を研究する事を目的としてゐる。 今囘の實驗結果は次の如く要約し得る。 (1)今囘の實驗に於ては、熔接部の靱性の増加と隅肉寸法を増大した事によつて、ボルトと熔接との協力作用が相當長く續き、或種のものはボルトの破斷近く迄協力作用が行はれた事を認め得る。 (2)最大荷重時に於ける状態を以て設計し得るものと假定すれば接手の強さをP,ボルトのみの強さをB,熔接の強さをWとして、P=0.85(B+W)、又はP=0.67B+Wなる式によつて計算した計算値が比較的よく實驗値と一致し、之等の式の持つ意味を度外視すれば、實用的には何れの式によつて設計するも差支へない。 (3)實驗の結果P=K_BB+K_WW式による方が、P=K_BB+W式を用ふるより一層合理的である様に思へる節あるも、今囘の實驗のみよりK_B及K_Wの値を決定した得ず、今囘の研究に譲る。 (4)P=K(B+W)及びP=K_B+Wの兩式に於て、Kの値及K_Bの値は、ボルトの數に對し熔接の長さが増すに從つて、前者は増加、後者は減少する傾向を示してゐる。
  • 仲 威雄
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 167-170
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本論文は衝合熔接の熱變形並に熔接熱應力に關する基本的實驗事實を報告せるものである。拘束を與へない即ち自由なる板の變形と拘束を與へたる板の變形とは拘束の性質並に程度に應ずる差を見るものであつて本實驗に於ける如き拘束を加へる時は概して變形量小となるが拘束部の性質によつては彎曲變形は寧ろ大となることさへある。著者は數種の試驗體に就いて種々の拘束條件を變へて拘束條件と變形との相互關係を索め最後に拘束が接手の強さに及す影響を調査した。
  • 谷口 忠, 今井 光雄
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 171-179
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本報告は繰返應力を受けた場合の溶接部の振動強度信頼度増大を目的として行はれたる研究結果の報告である。實驗方法は在来のNS曲線を求めるものと異なり正負曲げモーメントを約0.42秒の週期で與へ、材縁の應力を100kg/cm^2増す毎に1萬囘繰返し破壊迄此の操作を續け、振動中の應力と歪を新方法で測定し、振動時の應力歪曲線を畫き、之より振動比例限度を定める新方法を考案した。更に振動最大強度を求めるためには、疲勞の結果實際斷面係數が變化してゐるから、實驗より求めた應力歪曲線に基いて材縁應力を補正する算式を誘き之れによつた。その結果σ=M/S式に依る場合の80%なることを確かめた。此の方法による熔着鋼と軟鋼の振動強度及靜力強度に就き比例限度及び最大強度を比較した。その結果振動強度は靜力強度の約65%、又熔着鋼は軟鋼の約80%であることを確めた。次にX型溶接部附近の振動強度を調べたるにX型中心部が最も弱く、軟鋼と熔着鋼の境界附近に最大の點あるを認めた。次に盛金を有したままの仕上げざるものに就き繰返曲げ試驗を行つた。此の場合は何れも應力集中最大である盛金部の端、軟鋼部にて破壊した。之は繰返應力を受ける場合は應力集中の部分に破壊を起し易きことを示すもので、かゝる場合の熔接方法は熔接棒の強度を高めることも必要だが寧ろ接手の型に就て應力集中の起らないものを選ぶのが得策である。同じくX型熔接に就き上向、堅向、下向作業にて製作したるものの振動強度及破面の状態を統計的に調べたるに三者の間には區別少なく、見掛上の施工困難が他の條件に依り補充されることを知った。
  • 井坂 富士雄
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 180-186
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    鐵筋コンクリートラーメンの柱脚が不同沈下をなす場合に應力分布が如何に變化するかを研究する目的を以て、先づ基礎スラブ及び基礎梁よりなる平版基礎にに就て柱脚が不同沈下をなした場合の基礎に生ずる沈下求め、之を用ひて版が梁に及ぼす剪斷力及び梁が柱脚に及ぼす剪斷力を計算し得ることを示した。
  • 北澤 五郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 187-194
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    昭和10年丸ノ内地盤沈下に關する二、三の資料を、昭和11年本所、深川の地盤の地盤沈下に關する二、三資料を、昭和12年丸ノ内の地盤沈下に關する研究を報告したが、その後沈下原因考究の目的を以て、沈下の状況を詳細に知るために、毎日の沈下量を測定することを企圖して、その装置を考慮し、之を實施して、1ヶ年に渉り日々の沈下量を測定した。また私の謂ふ所の「第2地下水々位」を測定する可き水位計を設備し測定した、その結果の報告である。 而して1ヶ年の沈下量48.5mm,夏季に於て沈下最も大、而して地下水々位との關係は、地下水々位が低くなる時、沈下増大することを知り得た。即ち私が沈下の第2原因を第2地下水の下降に置いた事の證明は出來た理である。尚、丸ビル前に於ても同様の沈下測定を實施したがそれも附記した。
  • 森 蘊
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 195-202
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本論は著者の行へる平安鎌倉時代造園遺蹟研究の一端として平安時代後期を代表する阿彌陀堂伽藍たる平等院の庭園に就て考察せるものである。先づ文獻によつて創造、沿革を述べ、次いで現況に及び鎌倉時代描かれたりとせられる平等院古圖と照合しつゝ、創造當初に於ける平等院の建築配置と庭園構成との關係を顯明せんとしたのである。而して平等院はその建築遺構のみならず造園遺蹟も亦當代を代表するに足るものであつて、住宅庭園研究上にも貴重なるものであると結んで居る。
  • 福田 舒光
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 203-212
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    作庭記が我邦往時の造園法を傅へる古書として貴重な文獻であることは、庭園學或は建築學の歴史的研究に從事せる一部學者の間に於て夙に認められたる所である。乍併、その著作年代並に關する意見には種々なる異説があつて、未だ一般的に確認されたる定説は存在しない。 何分檢索の困難な古書のことであり、研究者はわづかに群書類從の作庭記刊本によつて、その内容を知るに過ぎなかつた次第であるから、研究の手段及び方法も當事者夫々の立場に偏せる結果、欺くの如く態々なる異説を生ずるに至つたことも亦當然であらう。 然るに今般私は作庭記原本の副本(原本を影寫せるもの)に就て、親しく研究する機會を得たるによつて、茲に淺學菲才を顧みず、その成績を發表する次第である。 扨て作庭記の原本は、現在金澤市十間町住谷村庄平氏の所藏にかかり、昭和10年文部省によつて國寶に指定されたるものである。而して之を影寫したる副本が大倉精神文化研究所によつて保管されてゐるのである。副本は專問の技術者によつて、可及的原本との合一を目的として影寫作製されたものであるから、原本自身に就てと略々同様の信頼を置くことが出來る。 飜つて作庭記の價値を考察するに、之は單なる造園史の參考史料たるに止らないやうに思はれる。作庭記の内容を覗知したる人々は均しく認むる所であらうが、夫は所謂寝殿造の庭園に就て計畫・意匠・施工等に關する各般の技法を説述したるものである。而して人も知る如く所謂寝殿造なるものは、藤原時代の公卿住宅の一規範として、住宅建築上重要なる意義を有するものであるが、蓋しその特徴とすることの一つは建築と庭園とが有機的な關聯ある一體として、或る約束の下にその相互的関係を規定されてゐた事であると考へられる。 此の約束の起因をなすものに當時の行事が有つた。行事が政治的意義を持つた祭〓として、當時の上流社會の生活と密接な關係を有し、深くその内に浸潤したることは周知の事實であらう。 此處に於て即ち、當時の公卿住宅の庭園は、行事の爲の實用園としての意義を重視せねばならぬと同時に、建築も亦庭園との關聯から考究察れるべき必要のあることを知るのである。 作庭記が建築史の資料としても相當の價値を附與得る所似は此に存するのである。 以下作庭記に關する私の研究は、その著作年代を考證することに焦点を置き、之に關しては略々結論を纒め得るに至つたのであるが、尚著者の問題に關しては、今後共研究すべき餘地が殘されてゐることをお斷りせねばならない。 何分、淺學菲才、過誤も亦多からんことも畏れると共に、諸賢の忌憚なき御批判と御叱責を賜らば、以つて幸とするところである。
  • 土屋 純一, 城戸 久
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 213-222
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    近江彦根城の沿革を考究し、城郭規模の特異點を指摘し、構造外觀の現状を考察し重視すべき點を論述し、建設年代を檢討して我國城郭建築史上の位置に就て述べた。即ち築城の最初は慶長8年佐和山城を現在地に移城せるものであり、後元和8年に到つて規模完備するを得たるを考察し,その繩張は全般的に平山城であるが、なほ山城としての郭配置の形態を多分に保有する點に注意すべきを述べた。天守は3層3重にして附櫓及多門櫓を附加し、初層以上望樓を形成する。本天守は舊大津城天守を移設せるものと傅えられる處を檢討して、少なくも外觀の構成、構架法及唐破風等の細部手法に於て慶長8年築造當時の天守建築の手法より遡り得ると認められるものがあつて、天正13年大津城築城の當時の俤を多分に留めて居ることを考察した。從つて全般的には安土築城以後より慶長初期にかけての我國城郭建築の形態手法を考察する上に於ての最重要遺構であるを結論とし、なほ附論として天守以外の遺構たる西丸三重櫓、太鼓櫓門、天秤櫓門、二丸多門櫓の建設年代に就ての私見を附加し、終りに天守實測圖寫眞の一部を示し附圖とした。
  • 川上 邦基
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 223-228
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    數寄屋又は數寄屋造の壁面仕上に、自然の土砂が有つ色澤其まゝを採つて、明暗さまざまの壁を構成することは、世界の建築に類例のないことであるにも係らず、殆んど顧みられずに過ぎて來た。今假りに之れを"日本壁"と呼んで其調査研究を志した。"長〓壁"は其1部で、先づ歴史的遺構を探つて、大阪市南區餌差町木原邸内牛部屋茶室及唯松庵腰掛、また京都市右京區御室仁和寺境内遼廓亭及飛擣亭の4に就いて、構造形式、創立沿革を略述し、其壁に就き諸朮し、次にこれら實例の使用せる壁土と仕上技法とを細叙し、其模製に就いて土砂の調合を記述して後、長〓壁を定義づけ、最後に其創案のモチイヴを稽へ、京都府乙訓郡大山崎村喜庵數寄屋の壁を引いて愚考を述べ、當時の民家に於ける泥壁に示唆を受けたものとして、妙喜庵の壁を長〓壁の前驅とした。
  • 杉山 信三
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 229-237
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    塔自身に天寳17年云々と銘記を有して建立年代の極めて明瞭なる葛項寺三層石塔婆が持つ部分の寸法が如何なる比例を有するものか、圖式的に説明をなさんと解析したものである。先づその塔身の高さを基準にとれば、第1層屋蓋の幅はそれに對して極めて簡單な比の有することを認め、第1層軸部以下順次に第2層第3層の軸部と夫々の屋蓋の幅を求める方法を導き、基準の長さを長邊とする矩形に於て、その短邊が長邊と黄金比をなす様な矩形-旋囘方形矩形-を補助とし採用し、これより塔身各部の高さを求め得て夫々に比定し、更に基壇各部の關係を求め、これを解析圖と名附けるもの7個を以て表はした。 この求め得た7個の解析圖は結局、この塔の比例と均齊との特質を表してゐると考へるもので、これを、他の石塔に於ても爲せば得られるであらう解析圖と比較することによりて成す朝鮮塔婆建築の比例に關する研究の一部である。
  • 村田 治郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 238-242
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    元の大都の平面を調べて見ると、大内宮闕の位置が都城の南部の中央區附近にあつて、普通の支那式首都とは異なつてゐる。その特異性が生じた原因は、遼・金以來の宮闕を一方に偏せしめる傾向を繼承して、宮闕の位置を適當に移動しようとする思想があつたこと、その背景の下に蒙古古來の斡耳朶の配置法が採り入れられたらしいことにあると推察し、その點を明らかにするために斡耳朶の配置法を考へ、且つ斡耳朶の固定都市に採り入れる役を演じたのが1西域技術者ではなかつたらうかと推定した。
  • 千々岩 助太郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 243-250
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本論文には筆者が數年前より繼續中の高砂族住家研究の中間報告である。高砂族は其數15萬餘に過ぎないが全島の山間僻地に散在居住するを以て其調査研究には相當の日數を要した筆者は漸くパイワン族、ブヌン族及びツオウ族の各蕃を踏査し得たのみであるが各種族とも其住家には夫々特徴があり、殊にパイワン族の如きは甚だ變化多く大別しても5形式に分類する事が出來且つ亦各種族間の關係、交渉等にもつきざる興味が存在するが未だ研究の途中にあるので結論には到着しないが近年中には全島の蕃地を隈なく踏破して研究を完成する豫定でゐる。
  • 谷口 吉郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 251-260
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    矩形斷面の室内(窓なし)に種々の障壁を設け、室内の暖房氣流がそのために如何なる影響を受けるかを考究するもので、「シユリーレン寫眞」により高温範圍の蔓延情況を觀察し、「流線寫眞」により流動の經路を觀察し、以て障壁の位置及び形状が暖房効果に如何なる作用を及ぼすかを知らんとする。
  • 伊藤 正文
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 261-270
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    塵埃量特に多しとされる大阪市を對象として、その學校塵埃の建築的處理方法に關する知見を得る爲に行ひつゝある教室塵埃量測定の一部であつて、參考測定として該市に分散する小學校の代表的地域12ヶ所の校舎屋上に於ける積塵量の地域別比較、其他一二の條件比較測定を行ひ、之を據り所として既設教室内の積塵状態に就き、學童在不在の差異、通氣機構による分布變化、更にHopper通氣法を設けたる新教室内の分布状態を觀察比較したもので、方法としては寫眞現像用バツトを用ひ、グリセリンを媒体として收塵し、之を處理して秤量し、尚有機性、無機性塵埃の量の全量に對する比率を求めた。
  • 木村 幸一郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 271-279
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本文は先に發表せる拙著「模型室に於る擴散照度の實驗」の續編であつて前囘は室内に於る擴散反射の定性的實驗であつたのが、今囘のものは、それの定量的實驗である。即ち、種々の模型室内に生ずる周壁天井等からの擴散反射の分量を數量的に求めそれによつて、實際の場合に適用出來る實驗式を求めんとしたものである。
  • 平山 嵩
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 280-289
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    本論文は窓を有する中庭壁面の照度分布に關する實驗的研究である。實驗は模型天空の下に模型中庭を置き壁面の照度をセレン光電體に依つて測定し、中庭上端の水平面照度との比をとつて晝光能率を求めた。模型中庭は正方形の中庭とし、各種の反射率の壁面と、窓とを作つて組合せ、又窓の間隔を數種に變化させた。 その結果窓有る中庭の晝光能率は、窓と壁との平均反射率に等しい反射率を持つ窓無き中庭に於ける晝光能率に殆ど等しいことがわかつた。但し壁と窓の平均反射率(=ρ^^-)は次式にて求める事が出來る。ρ^^-=ρs+ρ_<w^s_w>/s+s_wこゝでρ, sは窓の反射率、窓面積、ρ_w, s_wは壁の反射率と壁面積。 次にガラス窓のある場合は完全擴散性のガラス無き中庭の照度より明るくなり、特に底部が著しく明るくなることが實證された。即ち中庭壁面の反射率ρ_w=46%のときガラス面をつけた爲晝光能率の増加率は深さz=2に於て17%, z=3のとき47%, z=4のとき96%, z=5のとき200%となる。更にρ_wが少なくなるに從つて増加率は増加しρ_w=2.8%, z=4に於ては430%に迄増大することがわかつた。
  • 船越 義房
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 290-299
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    オーデイトリアムの床斷面を作圖の簡單な抛物線形とした場合に、其の曲線上の如何なる點の座席迄が視焦點に對する視線を前席の觀客に依つて妨げられないかを明らかにしたのが本論文であつて、先づ第1節に於ては床斷面が1つの抛物線から成る場合を論じ、第2節に於ては床斷面の最前部が水平な直線であつて、之に續く部分が抛物線となつてゐる場合を論じたが、何れの場合に於ても抛物線定數及び他の基本條件と可視限度との關係を曲線追跡を利用して定めたもので、最後に之を利用する場合の設計の順序が示してある。 之に依つてオーデイトリアムの基本條件と共に奥行が與へられれば、全座席が可視となる様な抛物線の形を求める事が出來、且つ其の最後端に於ける床の傾斜を求めて之を法規の制限と比較することが出來る様にしたものである。
  • 加藤 得三郎
    原稿種別: 本文
    1938 年 9 巻 p. 300-309
    発行日: 1938年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー
    鐵筋コンクリート造又は煉瓦造建物内に設けられる空襲避難所、即ち防護室の窓及び出入口の構造について述べたものである。最初に防護室の窓及び出入口に對する要求を述べ、次に既存建物内の一室を防護室に充てる場合の參考に資せんが爲に、在來のSteel Sash及びSteel Doorにつき防空的檢討を試み、更に大改造又は新築の場合の參考に資せんが爲に、窓防護扉の試案、出入口防護扉の試案各二種宛を提案した。 この研究は東京工業大學に寄附せられたる原田積善奬學金によれるものである。同會に對し謝意を表す。
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