大阪物療大学紀要
Online ISSN : 2433-4758
Print ISSN : 2187-6517
8 巻
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  • Toshizo KATSUDA, Atsushi NOGUCHI, Nobuyoshi TANKI, Shinya IMAI
    2020 年 8 巻 p. 1-9
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
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    One of the characteristics of Gafchromic EBT3 (EBT3) is to handle under ambient room. However, ambient room lights are currently being replaced by light emitting diodes (LED). This study elucidates the light-frequency properties of a white LED. For our analysis, 60- and 40-W equivalent white LEDs and an EBT3 were used. The LEDs, kept at a distance of 5 cm from the spectrometer, was irradiated for 0, 1, 2, and 3 h. Similarly, blue and yellow lights were irradiated for 0, 30, 60, and 90 min under the same conditions. The spectra and illuminance were measured, and the mean pixel values and the standard deviations were obtained. Friedman rank sum test, Bonferroni test and Spearman's rank correlation were performed. The illuminances of white, blue, and yellow lights were 45,400, 11,400, and 25,100 lx, respectively. The results showed statistical significance (p ‹ 0.05). However, there was no correlation between the irradiation duration and pixel values for yellow light. The influence of the white LED on the EBT3 was estimated. White and blue light had a significant affect on the EBT3. However, yellow light had no effect on the EBT3 due to the presence of yellow dye in the active layer.
  • 丹喜 信義, 矢竹 秀稔, 澄 薫, 佐々木 菜緒, 関口 琴音, 佐々木 雅史, 五反田 龍宏, 勝田 稔三
    2020 年 8 巻 p. 11-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究ではラジオクロミックフィルムを用いたX 線マンモグラフィの線量計測に向けた検討を行うための準備として、線質補正処理による画像への影響について検討を行った。管電圧、管電流時間積およびフィルタの種類によって得られた画素値プロファイルカーブに違いが見られた。
  • 散乱線被ばく低減のための防護板の最適な位置の検証
    池ヶ谷 太一, 大岩 優太, 櫻田 廉, 亀井 修
    2020 年 8 巻 p. 19-23
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
    研究報告書・技術報告書 フリー
    胸部の一般撮影において、被検者に対して行う生殖腺防護用の防護板の使用の有無や方法が、各施設や撮影する診療放射線技師によって異なっていた。一般的に防護板を使用することで一次放射線の散乱による生殖腺(精巣、卵巣、子宮)への被ばく線量は低減すると考えられている。しかし、実際は検出器と防護板また人体との相互作用などにより散乱線が発生する場合もある。したがって、防護板を使用することで反対に散乱線が増加し、防護板を使用しない時よりも生殖腺に対する被ばく線量が増加することも懸念されている。本研究では、防護板による散乱線の被ばく線量に着目し、モンテカルロコードの一つであるPHITS(Particle Heavy Ion Transport code System)コードを使用し、散乱線を可視化できるシミュレーションを行い表面線量の計測と、防護板の有無や位置による生殖腺の被ばくの変化を計測した。また、実際に一般撮影装置を用いてシミュレーション時と同じ配置にし、また同様な撮影条件による表面線量の実測を行った。これら2 つの方法から、生殖腺被ばくの低減のための防護板の最適な位置を明らかにした。
  • 加藤 純平, 有留 優弥, 亀井 修
    2020 年 8 巻 p. 25-28
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
    研究報告書・技術報告書 フリー
    現在、がん治療法の一つである中性子捕捉療法では、BPA(p-boronophenylalanine)やBSH(sodium borocaptate)などのホウ素化合物の薬剤を人体に投与し、人体に照射された熱外中性子とがんに集積したホウ素との核反応で生じるα 線などによってがん細胞を死滅させる治療を行っている。また、ガドリニウム(157Gd)と化合した薬剤を用いた中性子捕捉療法も近年研究されている。そこで、本研究では、モンテカルロコードPHITS Ver3.10 を用いて、ホウ素とガドリニウム、それぞれの薬剤を用いた中性子捕捉療法のシミュレーションを行い、熱外中性子と各薬剤との核反応で発生した放射線を可視化して比較すると共に、中性子のエネルギーの違いによる吸収線量の変化の検証を行った。シミュレーションの結果、10Bおよび157Gd とも集積箇所の線量に局所的な線量の増加が確認できた。その結果、腫瘍組織内の10B 線量、窒素線量、水素線量などの合計線量に対する10B の線量の占める割合は92 %であった。また、正常組織の線量は10B および157Gd それぞれの薬剤使用時に比較してほとんど差が見られなかった。
  • 古田 裕太郎, 高橋 慧, 板倉 啓ニ郎
    2020 年 8 巻 p. 29-32
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
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  • 田中 梨夏子, 阿部 愛海, 羽紫 奈津子, 今井 信也
    2020 年 8 巻 p. 33-38
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年、マンモグラフィは2D 撮影にトモシンセシス撮影を併用した診断が普及している。トモシンセシス撮影は1 撮影で15 曝射しているため、管電流時間積は15 曝射の積算線量となっている。トモシンセシス撮影では曝射回数が多いため、患者の上半身への被ばく量の増加が起こる可能性がある。本研究では患者の水晶体への被ばくに対して、CC撮影とMLO 撮影の患者立ち位置における方向の空間線量を測定した。冠状面の空間線量測定値をカラーマップに示し、158 cm の被検者を想定した場合の水晶体の被ばく線量の推定を行った。その結果、水晶体の高さの線量はCC 撮影で、2D を基準としてST モードは約1.2 倍、HR モードで約2.5 倍となり、MLO 撮影で2D を基準としてST モードは約1.5倍、HR モードで約3 倍となった。これは2D 撮影ではRh フィルタ、トモシンセシス撮影ではAl フィルタを使用しており、Al フィルタは高エネルギー成分の除去ができないため、線質が硬くなり散乱線も多く発生したことが要因と考えられる。また、2D 撮影とトモシンセシス撮影を併用しても水晶体被ばくは、1 回のマンモグラフィ検診においCC 撮影で108.88 μGy、MLO 撮影で62.20 μGy で合計0.17 mGy となり29.4 回までは、公衆線量限度と予想される5 mSv/年に達しないことがわかった。
  • 木村 勇登, 𠮷川 武志, 長田 大和, 今井 信也
    2020 年 8 巻 p. 39-42
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/03/27
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年、医療技術の進歩によって様々なIVR(Interventional Radiology)が行われるようになった。それに伴い、術者の被ばく線量の増大が懸念されている。特にオーバーチューブ型X 線TV 装置では、術者の上半身への散乱線が多く、水晶体障害が報告されている。本研究では、オーバーチューブ型X 線TV 装置を用いた腹部領域のIVR における術者立ち位置で空間線量分布を把握することで、水晶体への被ばくについて推定することを目的とした。寝台周辺および照射野中心での高さ方向の空間線量率や、模擬患者の水平断面における空間線量率の計測を行い、術者立ち位置における空間線量率マップを作成した。その結果、照射野中心において床からの高さ120 cm の地点で最も高線量率となった。つまり、側方散乱に比べて後方散乱の影響が高いことが示された。床から130 cm 以上の高さでは110 cm 以下に比べ、線量率の低下がやや緩やかになった。空間線量率マップにおいては、術者立ち位置は照射野中心から外側50 cm 程度とし、その地点の床から160 cm 高さの線量率は約108 μGy/min であった。内視鏡的逆行性胆管膵管造影(Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography:ERCP)の透視時間を30 分とした場合、術者の水晶体への被ばくは1 検査当たり約3.2 mGy となる可能性が示唆された。白内障のしきい値は0.5 Gy 程度であるとされているため、156 回検査を行うと、しきい値を超えると可能性が考えられる。
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