富山県で作られる後発酵茶であるバタバタ茶について,発酵に関与する微生物を真菌類と細菌類に分けて調査した。発酵後の茶葉から,真菌類として
Aspergillus fumigatusが分離された。また,細菌類として
Bacillus coagulansが分離された。真菌類を対象とした菌叢解析では
Aspergillus fumigatusが最も優勢で,次いで
Thermomyces lanuginosusが優勢であった。
Aspergillus及び
Thermomycesで全菌叢の85%程度を占めていた。そのほか,
Saccharomyces cerevisiaeとその他の少数の真菌類が検出された。16S rRNA遺伝子による細菌類を対象とした菌叢解析では,最も優勢であったのは,
Niabella terrae(23.1%)であり,次いで,
Actinomadura keratinilytica(8.6%),
Sphingobacterium thermophilum(8.4%),
Pseudoxanthomonas taiwanensis(8.3%)および
Caenibacillus caldisaponilyticus(8.2%)が同程度を占めていた。これらの微生物が,バタバタ茶の発酵に関与すると考えられる。特に
A.fumigatusと
T.lanuginosusは,バタバタ茶の製造において重要であろう。茶葉は発酵工程で発酵熱により70℃近くの高温となることから,好熱性または芽胞形成といった耐熱性の微生物が多く見られる傾向があった。バタバタ茶の発酵においては,発酵熱が発酵に関与する微生物選抜の重要な選択圧となっていると考えられた。そのため,安定したバタバタ茶の生産には。適切な温度管理が重要であることが示唆された。
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