美味技術学会誌
Online ISSN : 2186-7232
Print ISSN : 2186-7224
18 巻, 2 号
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会長就任の挨拶
論説
論文
  • 奥村 真衣, 平井 菜未, 吉村 明浩, 澤井 美伯, 正木 和夫, 島田 昌也, 早川 享志, 中川 智行
    2019 年18 巻2 号 p. 53-57
    発行日: 2019/12/31
    公開日: 2023/04/26
    ジャーナル フリー
    本研究では,岐阜大酵母GY115株の高泡非形成型変異株(泡なし酵母)の育種とその産業利用を見据えた醸造条件の検討を目的とした。まず,Froth flotation法を用いてGY115株由来の泡なし酵母を5株獲得した。これら5株の中から,発酵力が最も高く,醸造した清酒の味にキレがあり,さらには親株であるGY115株と同様に多酸性の性質を持ち合わせていたGY115-a3株を泡なし岐阜大酵母株として選抜した。次にGY115-a3株の発酵特性を活かしたより良い清酒醸造条件の検討を行ったところ,GY115-a3株は低温(もろみ最高温度10.2℃)にて発酵させることにより,特徴的な有機酸組成に由来する酸味を活かした低アルコール清酒(日本酒度-16.1,酸度2.27)を醸すことができた。これら結果は,泡なし岐阜大酵母GY115-a3株の個性を活かした新たな清酒商品を開発できる可能性を示している。
  • 奥浜 真乃助, 山中 和季, 宮崎 千保, 中本 紬, 中川 智行, 楠部 真崇
    2019 年18 巻2 号 p. 58-61
    発行日: 2019/12/31
    公開日: 2023/04/26
    ジャーナル フリー
    地元の要請で開始した地産地消を目的とする地酒醸造プロジェクトは,安珍・清姫伝説で有名な名所道成寺境内から清酒酵母を採取することから開始した。単離された野生清酒酵母は,ITS塩基配列解析により協会7号酵母(K7)ITS遺伝子の配列と類似し,小仕込み試験の結果からアルコール醗酵能が比較的強いことが分かった。さらに,K7の醗酵能と比較して乳酸組成が高く,酢酸イソアミルやカプロン酸エチルといった吟醸香の含有率が高いことがわかった。
  • 堀江 祐範, 西岡 浩貴, 多田 敦美, 杉野 紗貴子, 水野 智文, 豊留 孝仁, 岩橋 均
    2019 年18 巻2 号 p. 62-70
    発行日: 2019/12/31
    公開日: 2023/04/26
    ジャーナル フリー
    富山県で作られる後発酵茶であるバタバタ茶について,発酵に関与する微生物を真菌類と細菌類に分けて調査した。発酵後の茶葉から,真菌類としてAspergillus fumigatusが分離された。また,細菌類としてBacillus coagulansが分離された。真菌類を対象とした菌叢解析ではAspergillus fumigatusが最も優勢で,次いでThermomyces lanuginosusが優勢であった。Aspergillus及びThermomycesで全菌叢の85%程度を占めていた。そのほか,Saccharomyces cerevisiaeとその他の少数の真菌類が検出された。16S rRNA遺伝子による細菌類を対象とした菌叢解析では,最も優勢であったのは,Niabella terrae(23.1%)であり,次いで,Actinomadura keratinilytica(8.6%),Sphingobacterium thermophilum(8.4%),Pseudoxanthomonas taiwanensis(8.3%)およびCaenibacillus caldisaponilyticus(8.2%)が同程度を占めていた。これらの微生物が,バタバタ茶の発酵に関与すると考えられる。特にA.fumigatusT.lanuginosusは,バタバタ茶の製造において重要であろう。茶葉は発酵工程で発酵熱により70℃近くの高温となることから,好熱性または芽胞形成といった耐熱性の微生物が多く見られる傾向があった。バタバタ茶の発酵においては,発酵熱が発酵に関与する微生物選抜の重要な選択圧となっていると考えられた。そのため,安定したバタバタ茶の生産には。適切な温度管理が重要であることが示唆された。
資料
シンポジウム講演
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