津軽地方でつくられている飯寿司の1 種である‘すしこ’の発酵に関与する微生物を,乳酸菌と酵母を中心に調べた。
‘すしこ’からは,乳酸菌として
Latilactobacillus sakeiおよび
Lactiplantibaciullus plantarumが,酵母として
Kazachstania servazziiおよび
Wickerhamomyces anomalusが分離され,製造時期により見いだされる菌種および構成が異なっていた。8月につくられた‘すしこ’では,細菌叢の92~95%を
L. plantarumが占めていた。真菌叢は
K. servazziiおよび
W. anomalusで占められており,それぞれ44%および54.8%であった。4℃で1か月間冷蔵保存したところ,84.1%が
K. servazziiとなっていた。すしこの発酵に関与する微生物は,製造する季節によって異なり,風味の変化をもたらすと考えられた。また,冷蔵保存中にも酵母による発酵が進み,風味が変化することが示唆された。
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