記憶障害や認知症の中核は,必要な情報を必要時,現実場面で有効に活用できない情報障害と考える。したがって,必要な情報をいかに速やかに提供するかが記憶障害や認知症のリハビリテーションの要となろう。筆者は今まで身体装着用のメモ帳など,さまざまなローテク情報器具を工夫してきた。市販のICレコーダーや携帯電話もメモリーエイドとして活用してきた。最近は,テレビ電話などのIT技術を用いた認知リハビリテーションを試みている。認知症は進行するが,多様な介入法を開発することで,その進行に応じたリハビリ内容の強化,変更が可能となり,症例の行動的心理的安定と介護者の負担軽減が支援できよう。インターネット上の単語集を用いた失語症などの自由会話支援についても紹介する。
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