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古賀 愼, 和田 猛郎, 北山 淑江, 下坂 康哉, 竹内 義弥, 小川 孝雄, 高橋 昭三
セッションID: A1
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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平成10年に鉱物本館、平成13年に粘土新館が建設され、村立の小さな博物館として牛歩的に活動が続行されている。経済社会が停滞し、国民の間には閉塞感が漂い、未来に希望を失っている状況下、人に重点を置いた温もりのある社会派の博物館運営が渇望されている。これまでの活動内容、現況(特に粘土鉱物試料の収集整理保管・データーベース化、生活と密着した粘土製品の展示)、マネージメントミュージアム、将来ビジョンなどに関してご報告したい。
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田崎 和江, 渡辺 弘明
セッションID: A2
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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石川県加賀市柴山潟の底質(ヘドロ)は絹や綿を薄紫色に染める性質がある。ヘドロの粘土鉱物組成、化学組成、生息する微生物についてその特徴を明らかにした。化学的、鉱物的な特徴に加え、微生物の存在と水質により様々な色合いに変化する。ヘドロを資源と考えると様々な応用・利用が可能となり、町おこしの一助となる。
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小暮 敏博, 井上 厚行
セッションID: A3
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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カオリン鉱物(kaolinite, dickite, nacrite)中には積層不整が普遍的に存在するが,その構造は長年の研究にかかわらず未だに明らかでない。TEMによるHRTEM観察はこの積層不整の解析に有効と考えられるが,電子線損傷のためにその報告例はほとんど無かった。今回我々はいくつかの成因のカオリン鉱物についてHRTEM観察によりその欠陥構造を明らかにした。
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あびでぃん ざえなる, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A4
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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When the dissolution of allophane is promoted from the pore regions, the size of the pore regions become larger and this process is followed enlargement the pore of regions as network opening until the structure of allophane become collapse. The partial dissolution of allophane is very advantage for increasing surface properties of allophane such as adsorption and CEC. The purpose of the present study is to observe on change in surface properties of allophane after alkaline treatments.
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大世古 光弘, 佐藤 努
セッションID: A5
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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オマーンオフィオライトをはじめ世界の超塩基性岩地域において高pH(11-12)、約40℃の温泉が湧出する。温泉の生成要因として鉱物溶解と蛇紋石の生成(低温蛇紋岩化作用)が提案されている。しかし低温における蛇紋石の生成は一般的ではない。オマーンにおける現地調査・分析より過去の水道と考えられる炭酸塩脈中にSi-Mg-Al相を発見した。室内実験による低温・高アルカリ環境におけるMg鉱物の合成は高pH温泉生成の可能性を示すと考えられる。
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鈴木 正哉, 鈴木 麻起子, 高橋 みどり, 宮本 早苗, 佐藤 久代, 池田 智英子, 佐藤 公泰, 犬飼 恵一, 前田 雅喜
セッションID: A6
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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イモゴライト前駆体懸濁液を30℃および50度で熟成・乾燥させたところ、アロフェンやイモゴライトでないX線回折図形を示す新しいアルミニウムケイ酸塩が合成された。また今回合成された生成物の水蒸気吸着等温線を調べたところ、相対湿度30%から80%の領域において、従来のイモゴライトに比べ、約2.5倍の吸着量を有することがわかった。
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江橋 俊臣, 後藤 晶子, 丸茂 克美
セッションID: A7
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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我々は、様々な環境下でフェリハイドライトの合成実験を行い、フェリハイドライトの合成条件の違いにより、合成フェリハイドライトの結晶構造や化学的特徴がどのように変化するのかを透過型電子顕微鏡、赤外線吸収分析、X線回折分析などの分析法を用いて評価した。
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藤原 大輔, 會澤 純雄, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: A8
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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層状複水酸化物(LDH)は陰イオン交換能を持つ無機層状化合物である。一方、シリカゲルは広いpH範囲で負に帯電している無機化合物である。本研究では共沈法によりMg-Al系LDH/シリカ複合体の合成を行い、染料の吸着特性および高分子材料への充填特性について検討した。LDH/シリカ複合体はLDH基本層とシリカが複合化した状態で生成していると考えられ、OR_II_およびMB共に吸着することが明らかとなった。また、充填特性についても述べる。
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大川 政志, 渡部 雅子, 井上 佳彦, 山口 力, 鈴木 正哉
セッションID: A9
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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高濃度溶液からのイモゴライト合成を改良しGeとFeを含有させたイモゴライトを調製した。Ge含有イモゴライトのXRDパターンやIRスペクトルは、過去に報告されたSiをGeに置換したイモゴライトと類似していた。Fe含有イモゴライトの拡散反射スペクトルからFeは構造に取り込まれていると考えられた。シクロヘキセンの酸化反応から表面性質を検討したところGeイモゴライトは、イモゴライトと同様にエポキシ化を起こすことが分かった。Feを含有させると酸化能力が向上した。
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中川 昌治, M. Santosh, 吉倉 紳一, 原田 亜実, 三浦 正裕, 福田 照久, 松田 靖正, 桑田 泰宏, K. J. Mat ...
セッションID: A10
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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南インドKerala州のTrivandrum近郊では,良質のカオリン粘土の鉱床が多く存在し,紙や衛生陶器用に採掘されている.カオリナイトと少量の石英からなる白色塊状粘土の層が第三紀層中に胚胎し,鉱床上部にはラテライト化した砂質カオリンが分布する.これらの粘土中のカオリナイトはXRDとSEMから結晶性が非常に高い.基盤岩(先カンブリア時代のアルミナ質グラニュライト)が強烈な風化変質作用を受けカオリン化し,近くの湖に堆積してできたと考えられる.
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田中 芳則, 中山 千栄子
セッションID: A11
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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本研究の目的はローム土における硝酸態窒素の吸着能を明らかにすることである。実験方法は硝酸溶液によるローム土試料3点とアロフェン粘土試料1点の計4試料を用いたバッチ試験である。試料はそれぞれ硝酸態窒素を吸着した。しかしながらアロフェン粘土試料と比較したとき顕著な吸着を示した試料はローム土試料であった。ローム土はアロフェン粘土鉱物のみならず他の粘土鉱物も含む土壌である。以上よりアニオン吸着はローム土内の無機物が関与したためと考えられる。
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氏家 亨, 丸茂 克美, 中川 さや香
セッションID: A12
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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地すべりは、地下水の通り道となっている箇所で、風化を受けることにより岩や堆積物が粘土化し、その部分がすべり面となって発生する。すべり面深度の迅速・正確な判定は、その後の対策に大きく役立つが、従来はコアによる目視判定などが主流であった。本研究では、現場にも搬出が容易な赤外線分光光度計を用いて、地すべりを発生させる粘土を簡易的に同定する手法の開発に望んだ。
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東 正治, 永冨 真紀子
セッションID: A13
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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串木野鉱山東部冠岳地区には第三紀(中新世_-_鮮新世)の安山岩類が分布し,広域的なプロピライト変質帯のほかに珪化帯(一部石英脈)とその周囲の粘土化変質帯を形成している。プロピライト変質は緑泥石・スメクタイト・沸石の生成で特徴づけられ,珪化帯にはK長石がよく伴う。粘土化変質帯ではセリサイト(S/M混合層鉱物)が最も普遍的であり,カオリン以外にナクライト(分泌脈)とトスダイト(淡青色小結球状)の産出も確認された。
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香月 裕宣, 富田 克利, 高橋 英和, 河野 元治, 恒富 赳彦
セッションID: A14
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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温泉地すべりは、第三紀層地すべりや破砕帯地すべりに比べ、その発生機構が複雑である。そのために地すべりに対する予知が困難であるほか、その対策計画においても不明な点が多い。そこで、温泉地すべり地に生成している粘土鉱物と地すべり土塊の分布並びにすべり面との関係を把握することにより、熱水変質作用や続成作用、またその後の風化作用により形成されたすべり面生成機構の一考察を行う。
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地下 まゆみ, 北川 隆司
セッションID: A15
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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Pyrophyllite鉱床は世界各地に分布しているが,特に東アジア地域・ウラル地域に多く分布している.東アジア地域の鉱床は塊状であるのに対し,ウラル地域の鉱床は片理状組織を呈している.Pyrophylliteの結晶成長模様はこのような産状の違いを反映していると考えられる.そこで今回,異なる産状からpyrophylliteを採取し,それらの結晶表面マイクロトポグラフの観察結果を報告する.
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Son Byeong-Kook
セッションID: A16
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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くろらいと-すめくたいと いん ss 南西韓国沖
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宮原 正明, 北川 隆司
セッションID: A17
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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愛媛県伊予三島市の中央構造線付近において,泥質片岩中に炭酸塩鉱物脈(マグネサイト,シデライト,ドロマイト,方解石),石英,スメクタイト及びカオリン鉱物から構成される熱水変質帯が見出された。XRD,EPMA及びHRTEMを用いて,この熱水変質帯に生成するスメクタイト及びカオリン鉱物の鉱物学的特徴を明らかにした。
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村上隆 隆, 井上 厚行, ランソン ブルーノ, メニエ アラン, ボフォー ダニエル
セッションID: A18
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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HRTEMの格子像を用いてのイライト・スメクタイト混合層鉱物観察は、像解釈に曖昧さを残し、結果的に形成機構の解明が不十分であった。一次元構造像により、像観察を行い、R1タイプとイライトが順次形成し、イライト化が進むという結果を得た。
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地下 まゆみ, 北川 隆司
セッションID: A19
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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花崗岩中に生成しているハロイサイトは,一般にチューブ状の形態を呈している.しかしながら,このチューブ状の形態には生成環境による相違点がある.熱水生成作用で生成したハロイサイトと風化作用で生成したハロイサイトのチューブ幅を比較すると,風化作用で生成したハロイサイトの方が太くなる傾向がある.これら産状の異なるチューブ状ハロイサイトの結晶表面マイクロトポグラフの観察を行ったところ,異なる成長模様が認められたので報告する.
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渡邉 克晃, 北川 隆司
セッションID: A20
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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菌類‐藻類共生体である地衣類は、岩石・鉱物のみならず、人工基物の風化作用にも関わっていると考えられている。実際、コンクリート表面など地表のほとんどの場所でその生育が容易に確認されるものの、都市部では種類、個体数ともに著しく減少する傾向にある。その原因として、人工基物が減少の一要因となっている可能性が考えられる。構成化学組成は岩石・鉱物と類似しているにもかかわらず、人工基物表面で地衣類が繁茂しない原因について、光学顕微鏡観察およびX線、EPMA分析の結果から検討した。
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佐藤 努, 黒田 真人, 横山 信吾, 福士 圭介, 筒井 政則, 田中 忠夫, 中山 真一
セッションID: A21
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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アルカリ環境におけるスメクタイトの溶解速度一般式を求めるため、pHや温度条件の異なるフロースルー溶解実験を行うとともに、AFMによる溶解反応表面積の評価を行った。その結果、反応溶液のpHや温度によって変化する表面陰イオン種のサイト数と溶解速度の関係式が得られ、温度、pH、溶存種濃度の異なる条件でスメクタイトの溶解速度が評価可能となった。
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横山 信吾, 黒田 真人, 佐藤 努
セッションID: A22
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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放射性廃棄物処分システムの安全性評価において、高アルカリ環境下でのスメクタイトの安定性の理解が叫ばれて久しい。本研究では、AFMを用いたスメクタイト溶解のその場観察を行った。その結果、スメクタイト粒子の溶解は終始エッチ端面から進行するが、反応初期と定常状態の溶解速度はオーダーで異なることが明らかとなった。また、この観察結果は、従来から行われているバルク溶解実験での構成元素の溶出トレンドとよく一致する。
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柏谷 公希, 米田 哲朗
セッションID: A23
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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稲田花崗岩起源のまさ中より採取したコアストンの鉱物組成・化学組成分析を行った。定方位試料のXRD分析でMg飽和処理によりほぼ完全に14Åへと移動する10Åピークが認められたが、これは黒雲母層間のKイオンの不安定さに起因していると考えられる。Kイオンの不安定化の要因について検討を行い、報告する。
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玉村 修司, 王 喜龍, 大田 由貴恵, 佐藤 努, 青田 容明, 熊谷 道夫, 柏谷 健二
セッションID: A24
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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PAHとは隣接したベンゼン環を2個以上もつ化合物の総称である。これらは発癌性および突然変異誘発性を有することから、その運命は大きく注目されている。我々は琵琶湖セディメントトラップサンプルを2003年5月から毎月回収している。これらのPAHおよび重金属の抽出、TOCの測定、XRDによる鉱物同定を通じ、湖底へのPAH堆積速度の季節変化を明らかにした。発表では、季節変化の要因とPAHの起源についても考察する。
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河野 元治, 富田 克利
セッションID: A25
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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代表的なタンパク質の一種であるアルブミンを含む溶液中でのカオリナイトの溶解実験を行った。その結果、アルブミン濃度に依存してカオリナイト溶解速度の著しい増大が確認された。この結果は、天然環境での鉱物-微生物相互作用を考えるうえで、有機分子の関与する素反応レベルでの検討の重要性を示唆している。
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鈴木 覚, 市川 康明, 河村 雄行
セッションID: A26
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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スメクタイトの膜を作製し,イオン透過性能と分子ふるい効果について検討した.膜は陽イオンを選択的に透過し,また,エタノール程度の分子に対して,分子ふるい効果があることが明らかになった.
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石井 亮, 篠原 由寛
セッションID: A27
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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層状シリカ化合物の一種であるアイラライトの層間に、4,4'-Bis(triethoxysilyl)Biphenyl(以下BESB)を挿入し、BESBの加水分解とアイラライトとの縮合反応を起こさせることにより、アイラライトの層間をビフェニル基によって架橋した有機シリカハイブリット多孔体を合成した。得られた多孔体は、ミクロ細孔体であり、比表面積は、764m2/gであった。
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石丸 臣一, 三品 太志, 池田 龍一
セッションID: A28
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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Na, K, Hを層間陽イオンに持つケニヤアイトを合成し、それぞれについて複素インピーダンス法によってプロトン伝導度の測定を行なった。討論会では、Na-オクトシリケートにおける測定結果と関連付けて、層状シリケート化合物中におけるプロトン伝導機構について報告する。
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立花 宏, 田島 正弘, 江口 美陽, 武井 秀晃, 高木 慎介, 井上 晴夫
セッションID: B1
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト等の粘土について、その電荷分布を半経験的分子軌道法(MOPAC/PM3,PM5)により算出した。粘土表面にカチオン性色素を吸着させた場合の、色素の構造変化について検討した。粘土の電荷分布の変化について、同形置換部位付近を部分構造最適化などによって、カチオン性色素との相互作用について検討した。
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大原 祥平, 掛川 武, 中沢 弘基
セッションID: B2
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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アミノ酸からタンパク質へと高分子化するための脱水重合反応は、生命の起源を考える上で重要な反応のひとつである。我々のグループではこの反応が地下深部で進行したとする仮説をたて、アミノ酸とモンモリロナイトの混合物に水を加え、高温・高圧下(150℃・100MPa)でのペプチドの生成率を調べた。その結果、含水量10~30wt%ではペプチドが生成するが、40wt%以上ではペプチドがほとんど生成せず、過剰な水の存在がアミノ酸の高分子化を妨げることが明らかとなった。
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皆瀬 慎, 近藤 三二, 河村 雄行
セッションID: B3
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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一般に有機ベントナイト(OB)には、四級アンモニウムとして長鎖アルキル基はC18であるが、本研究では、さらに炭素数の多い四級アンモニウムとしてトリメチルベヘニル(C22)アンモニウム塩(TMV)を反応させたOBを生成した。生成物のTMV添加量の増加に伴う底面間隔の変化は特異な段階状で増大し、その基本面ピークの半値幅には最大値が現れた。その最大値を示す生成物が、トルエン中で最大の膨潤力を示した。
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鬼形 正伸
セッションID: B4
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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粘土鉱物モンモリロナイト及びその有機変性粘土である有機ベントナイトは、アルコールのような極性有機溶剤中では膨潤性を発現せず、凝集、沈殿してしまうため工業的な利用はできなかった。しかし、モンモリロナイトを水またはホルムアミド、N-メチルホルムアミドで予め膨潤させた後、各種電解質を添加して溶解させた複合体が、極性有機溶剤中で高い分散性、粘性、チキソトロピー性を示すことを見出した。
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高木 慎介, 江口 美陽, 立花 宏, 井上 晴夫
セッションID: B5
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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我々はこれまでに、粘土-カチオン性ポルフィリン複合体について検討してきた。本研究ではポルフィリンの吸着配向について、偏光測定などにより検討した。四価のカチオン性ポルフィリンでは、ポルフィリン分子は粘土平面に平行に吸着する。二価のカチオン性ポルフィリンにおいては、バルク溶媒組成など外部の環境変化により、水平吸着から非水平吸着へと配向制御が可能であることを見い出した。
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東 達郎, 宮崎 総司, 仲村 沙弥香, 谷 誠治, 速水 真也, 川俣 純
セッションID: B6
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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今回我々は粘土鉱物と複合化させることで、スピンクロスオーバー現象を示す鉄錯体を用いたラングミュア‐ブロジェット(LB)膜を作製することに成功した。一部の鉄錯体は、粘土と複合化し圧縮したときのみ表面圧の上昇が観測された。このように粘土との複合LB膜化は機能性分子の配列制御に有効であることを報告する。加えて、得られた膜の分光学的な性質やAFMにより調査したモルフォロジーの特徴についても報告する。
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藤田 修二, 佐藤 久子, 山岸 晧彦
セッションID: B7
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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プロキラルな有機分子であるスルフィドが、キラルな錯体で修飾した粘土表面上で立体選択的に酸化されるかを調べた。その結果、均一系ではキラルな錯体を用いても、エナンチオ選択性は見られなかった。錯体修飾粘土での不均一反応で、はじめてエナンチオ選択性が実現した。
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近藤 三二, 岡田 朋子, 水野 克巳, 遠藤 和人
セッションID: B8
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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深谷 哲生, 由井 樹人, 高木 克彦, 仲村 亮正, 文 相吉吉, 志知 哲也, 藤嶋 昭
セッションID: B9
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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セピオライトはタバコの臭い成分をよく吸着することが知られている。そのためタバコ用脱臭剤としてさまざまな分野に利用されているが、セピオライトの脱臭能力はすぐに性能が低下してしまう。
そこでわれわれはセピオライトに吸着した臭い成分を光触媒により分解することで脱臭性能の向上ができると考えた。本発表では、セピオライトと酸化チタンを複合化した手法とそれら複合体の脱臭性能について検討した結果を報告する。
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有光 直樹, 亀島 欣一, 中島 章, 岡田 清, MacKenzie Kenneth
セッションID: B10
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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四面体層へのAl置換量の異なる2:1型粘土鉱物,モンモリロナイト(Mon),サポナイト(Sap),バーミキュライト(Ver),フロゴパイト(Phl)を酸で選択溶解し,それらの固体酸性をアンモニア昇温脱離法で評価した.その結果,固体酸量はPhl<Mon<Ver<Sapの順に大きくなること,また,Sapではその他の試料と比べ,強い酸点に対応する高温ピークが著しく強いことなどが明らかとなった.
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呉藤 勝彦
セッションID: B11
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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福井県川西地区で採掘されるゼオライトのリートベルト解析を行い、構造を解明するとともにイオン交換能についての考察を行った。その結果、1M酢酸アンモニウム溶液を用いたイオン交換において、希釈率を200倍としても交換されない陽イオンの存在を確認した。
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松本 泰治, 飯沼 友英, 磯 文夫, 山村 隆, 三星 敏雄, 後藤 義昭
セッションID: B12
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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アロフェン成形体の直接結晶化法によりゼオライトA成形体を作製した。直径5.75mm、長さ4.40mmの円柱状に成形されたアロフェン成形体を3mol・dm
-3のNaOH溶液中、80℃で水熱処理を行った。アロフェン成形体はその形態を保持したまま、ゼオライトAへと変化した。ゼオライトAの結晶化速度は成形体の表面が内部よりも速いが、熟成処理はその差を減少させた。ゼオライトAの結晶形態は表面では{100}面からなる立方体であり、内部では{100}と{110}面が現れた。
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木場 祥介, 渡辺 真太郎, 板垣 哲朗, 黒田 一幸
セッションID: B13
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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H型オクトシリケートとアルコールを反応させて、エステル化オクトシリートを合成した。アルキル鎖長が3以上のアルコールはH型オクトシリケートと直接反応せず、ジメチルスルホキシドなどの有機分子をインターカレートした中間体が必要であった。生成物のXRD, IR, 固体13C NMRから、層間にアルコールが導入されたことが、TG-DTAにより層間のアルコールが層表面に固定化されていることを明らかにした。
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田中 佑介, 岡田 友彦, 小川 誠
セッションID: B14
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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スメクタイトを含む固体表面における陽イオン性または非イオン性色素の移動について蛍光顕微鏡を用いて観察した。色素としては強いルミネッセンスを示すルテニウム(II)トリスビピリジン錯体、ピレンなどを用いた。
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山内 悠輔, 板垣 哲朗, 黒田 一幸
セッションID: B15
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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Ni型スメクタイト層間に還元剤種をインターカレートした後、層間化合物を加熱処理することでナノ粒子を合成した。Niの析出に伴い試料色が黄緑色から灰色に変化し、反応終了後も層間隔を保持していた。また、FE-SEM、EDXによって、試料表面にはNi粒子の析出はなく、Niがほぼ均一に分散していることを確認した。以上のことから層間を反応場に用いたNiの無電解析出反応が進行したことが示された。
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佐々木 啓, 中村 江理子, 會澤 純雄, 平原 英俊, 高橋 諭, 成田 榮一
セッションID: B16
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
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本研究では、Mg-Al系層状複水酸化物(LDH)の熱分解物を用いる再構築法により、非イオン性大環状有機分子であるシクロデキストリン(α-, β-, γ-CD)をLDH層間へ取り込み、CD/LDH複合体を合成するとともに、その性状について検討した。複合体は約2nmの底面面間隔を持つLDH構造を示し、CDはC軸がLDH基本層に対して垂直に二分子層を形成して水素結合により取り込まれているものと推定された。
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安武 愛子, 會澤 純雄, 高橋 諭, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: B17
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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近年、ヌクレオチドは遺伝子治療薬などの分野において注目されており、層状複水酸化物(LDH)層間へのヌクレオチドの取り込みが可能であれば分子コンテナーなどへの応用が期待される。本研究では、LDHを用いるイオン交換法により、ヌクレオチド/LDH複合体を合成し、その熱安定性についての検討を行った。TG-IR、TG-MSによる分析の結果、LDH層間へ取り込まれることによるヌクレオチドの熱安定性の向上が確認された。
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笹井 亮, 伊藤 崇倫, 井伊 伸夫, 藤田 武敏, 高木 克彦, 伊藤 秀章
セッションID: B18
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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我々はこれまでにレーザー色素であるローダミン6Gを界面活性剤と共に粘土と複合化することにより,層間でのローダミン6Gの会合を抑制できることを明らかにしてきた。この界面活性剤による会合抑制効果への界面活性剤の種類の影響を明らかにするための研究を行った。その結果について報告する
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川本 有洋, 大久保 彰, 柚木 正志
セッションID: B19
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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近年、水環境の富栄養化が進行し、深厚な問題となっている。そこで、層状化合物の一種であり陰イオン交換能を有するハイドロタルサイト様化合物を用い、水環境からのリン除去を検討した。ハイドロタルサイト様化合物は高いリン酸イオン吸着能力を有し、汽水河川のような低リン濃度域から効率的にリンを除去することが可能であった。また、水環境からリンを除去することによって、富栄養化を抑制できることが示唆された。
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童 志偉, 笹本 慎, 高木 慎介, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫
セッションID: B20
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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層状半導体であるニオブ酸カリウムの層間に多フッ素アゾベンゼンカチオンをインターカレートし、新規な光機能材料を合成した。その複合体の薄膜は透明であり、XRD,AFM,IR,UV可視スペクトルなどによりその特性を評価した。さらに、シスートランス異性化などの光応答性および、その微小空間の光制御を検討した。
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掛川 法重, 柴山 貴洋, 山岸 晧彦
セッションID: B21
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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光学活性なルテニウムフェナントロリン錯体とアルカロイド誘導体カチオンの合成ヘクトライト層間へのインターカレーションを試みた。XRDの結果より、二種のゲストはヘクトライト層間に共吸着していると考えられた。合成した層間化合物をカラム充填剤に用いHPLCカラムを作成し、ルテニウムアセチルアセトナート錯体、ビナフトールおよびアミノ酸ラセミ混合物の光学分割を試みた。
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日比野 俊行
セッションID: B22
発行日: 2004年
公開日: 2006/05/13
会議録・要旨集
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様々なアミノ酸をインターカレーションした層状複水酸化物を、ホルムアミドに投入するとデラミネーションが起こることを確認し、すでに報告してきている。本発表では、デラミネーションが起こる条件を詳細に検討し、そのメカニズムを推察した結果を報告する。
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