董青石,かんらん石,斜方輝石,スピネルを有する, Fe, A1に富んだホルンフェルスが,能郷白山花崗閃緑岩体周囲の接触変成帯に産する。この中に含まれているスピネルはヘルシナイト的なものであり,かっV
2O
3を最高2.2 wt. %含む。かんらん石と董背石からなるシンプレクタイトが斜方輝石周囲に観察され,これには少量のスピネルが伴うことがある。 Mg-Fe
2+-Al-Si-O-H系における董青石,かんらん石,料方輝石,スピネルの相関係は,実験学的に既に求められている。この実験結果及び岩石記載から考えて,シンプレクタイトは後退変成作用時に,以下の反応によって形成されたと考えられる。すなわち,
10斜方輝石+ 2スピネル ?? 5かんらん石+董青石
P
total=1=P
fluld=2-3 kbと仮定した時に,最高変成温度は800°C以上であった。また後退変成作用時においては, f
o2が比較的低かったことが推定され,少なくとも赤鉄鉱-磁鉄鉱平衡曲線よりも低かったと考えられる。
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