黒鼻山玄武岩は第四紀の船形火山の一部と考えられ,東北日本第四紀火山の中で最も未分化な玄武岩を産することで重要視されてきた。この玄武岩から3試料について,各々5.03±0.50 Ma, 5.2±1.2 Ma, 5.64±0.31 MaのK-Ar年代値を得た。この結果から黒鼻山玄武岩は従来考えられていたより古く,中新世後期∼鮮新世前期(4∼6Ma)の噴出物と考えられる。これは最近の層序学的データと矛盾しない。また黒鼻山玄武岩はその平坦な山容や岩石学的な特徴が第四紀の船形山本体とは異なっている。
本地域周辺では中新世後期以降,約8 Maの三滝ソレアイトおよび定義玄武岩,4∼6 Maの黒鼻山玄武岩,第四紀の船形山において玄武岩質の火山活動が見られる。これらの噴出物のNa
2O量は時代が新しくなるにつれ高くなる傾向が認められる。
Kurohanayama, 黒鼻山; Funagatayama, 船形山; Ushiroshirahigeyama, 後白髪山; Kitaizumigatake, 北泉ヶ岳; Izumigatake, 泉ヶ岳; Kitamatsumaruhozawa, 北松丸保沢; Hizagawa, ヒザ川; Mitaki, 三滝; Joge, 定義
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