結晶に複屈折分散がある場合の所謂異常干渉色について,筆者はすでに,色度図上の軌跡にもとつく型の分類2),異常干渉色と通常干渉色との境界3),異常干渉色の限界4)についてのべたが,これらの計算結果を利用して,未だ検討のおこなわれていない次の二点について考えてみた。(1)可視光のほぼ中間波長附近において,レターデーションRの分散直線が傾斜する場合,その影響は通常干渉色1)のRが増加する方向に類似してあらわれるか,あるいはその逆にあらわれるか。(2)鋭敏色板によって薄片のX',Z'を決定する場合,しばしば相加と相減とで同様な干渉色を呈し,区別が困難な場合があるので,薄片の回転にともなう色の変化によって,この区別がなしうるかどうか。
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