超高圧力を用いた合成研究は,G.E.及びA.S.E.A.による世紀の夢であったダイヤモンドの合成の工業化とゆう華々しい成果によって,めざましい加速度をもって進行している。超高圧力下に於ける合成に対する考え方は,装置の開発研究に伴って変化が生じていると思われる。すなわち,圧力の増大,静水圧力範囲の増大,超高圧力下での超高温発生ならびに精度の高い温度制御,装置の大型化によって,ダイヤモンド以外の物質の工業化べ一スで合成が考えられる為であろう。 電子工業用材料,光学用材料,航空乃至は宇宙航行用機に対する材料では,1gr当り100円乃至100,000円のものが,その使用法目的によっては使用されている。上記価格範囲のものであるならば,超高圧容器及び装置,消耗圧力媒体(ガスケット材)及びその他の消耗材料,単位時間に繰返し得る回数とがからみ合って,場合によっては,充分採算べースに合う事がダイヤモンドで実証されている。(ダイヤモンドの場合約5,000円/gr)この様な情勢を考え合わせて装置開発の現況と研究方向を考察してみたい。
抄録全体を表示