本論文では, 単項イデアル整域上で定義された線形システムのブロック非干渉制御問題を, 出力行列がフルランクの場合について考察する.単項イデアル整域上のシステムは, 実数体上で定義されたシステムの自然な拡張であり, パラメータを持つシステムや単一の時間遅れ作用素を持っ遅れ型むだ時間システムなどを適当に抽象化して得られるシステムである.WonhamとMorseは体上のシステムに対して, 出力行列がフルランクであるという仮定のもとで, ブロック非干渉制御可能であるための必要十分条件を, ある条件を満たす可到達性部分空間の族の最大元を用いることによって与えている.筆者らは, すでに同様の問題を単項イデアル整域上の線形システムについて考察し, WonhamとMorseの必要十分条件がある条件のもとに成り立つことを示したが, 本論文ではこの条件を仮定しない必要十分条件を与えている.また, そのブロック非干渉制御システムの極配置可能性についても考察する
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