アジア市場経済学会年報
Online ISSN : 2424-2195
Print ISSN : 2185-1379
最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • Tran Thi Tuyet Nhung, Nguyen Ngoc Mai, Jing Zhang, Yoshirou Fujioka
    2023 年 26 巻 p. 1-9
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    Vietnam has been the target of many global retailers owing to its potential population and economic growth. Competition among international retailers in emerging markets such as Vietnam has attracted the attention of both practitioners and researchers. Against this background, this study observed and analyzed the battle between Thai and Japanese retailers, Vietnam’s two largest foreign retailers. To investigate how these two retailers build different competitive advantages in the Vietnamese market, the study applied the theory of dynamic marketing capabilities, which is especially appropriate for analyzing businesses in the changing environment of emerging countries. The research model of dynamic marketing capabilities comprises the following four dimensions: marketing planning, marketing implementation, relationship building and management, and technological adaptability. Using secondary data and in-depth interviews with Vietnamese consumers and representatives from both retailers, the research compared and contrasted the two businesses’ dynamic marketing capabilities, revealing the parallels and distinctions that provide each an edge in the marketplace. This study contributes to both business practice and academic research. This study provides many suggestions for foreign retailers conducting business in Vietnam and those planning to enter the Vietnamese market. In addition, it provides knowledge to Vietnamese domestic retailers and helps them understand their foreign competitors. In terms of academic contributions, it offers additional observations about dynamic marketing capabilities, which require further development in future research.

  • Huijuan Wang
    2023 年 26 巻 p. 11-19
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    This study investigates the omni-channel shopping value, examining its connotations, influences, and outcomes. First, the current state of shopping value research is reviewed. Next, qualitative data is collected through in-depth interviews and analyzed using grounded theory. The findings reveal that omni-channel shopping value comprises three dimensions: utilitarian shopping value, hedonic shopping value, and social shopping value. A model of omni-channel shopping value is presented, highlighting the importance of perceived consistency in shaping customers’ perceptions.

  • 石川 和男
    2023 年 26 巻 p. 21-30
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿は,アジア,とくに中国を中心としたEV生産拡大によるインパクトと課題を明確化した。ガソリン車で競争優位にあった日本や日系メーカー視点から,EV生産拡大の脅威,EVシフトへの課題を考察した。まず,ガソリン車からEVへの関心上昇は,環境対応が強調される。しかし,これまでのゲームを変化させようとする中国政府の強い意図と,それに従う中国自動車メーカーの積極的対応,さらに市場拡大があることを明確にした。ただEV生産では,走行時の排出ガスゼロを強調するだけではなく,その生産局面で発生する排出ガス等にも言及しなければならない。またアメリカや中国をはじめとして,自動車生産での環境規制の強化を取り上げた。そこにおいてもEVあるいはNEVへの優遇策と,HVが環境対応車には含まれず,排除される傾向にあること,規制強化を謳いながら自国のEVメーカー中心に支援している状況を取り上げた。その結果,中国ではEV生産台数が増加し,海外輸出を志向し,産業の柱の1つとして育成している状況に言及した。わが国の自動車メーカーは,ガソリン車やHVにより成果を上げてきたためにEV開発が遅れていることがしばしば指摘される。そして,日本のメーカーが圧倒的優位を誇ってきた海外市場における異変,完全にEVシフト体制を取ることへの躊躇についても取り上げた。EV化は,航続距離や蓄電池開発というEV自体の課題,充電設備拡充など,それを取り巻く課題もあり,EV生産シフト体制にリスクがあることを強調した。

  • 張 佳成
    2023 年 26 巻 p. 31-41
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    本報告は中国市場で急速に進展する電気自動車の現状と主要メーカーのマーケティング戦略について考察する。自動車産業は脱炭素化,電気自動車へ向かって大きく動き出した。自動車の動力がエンジンからモーターに移行することで新たな参入や事業の転換が行なわれている。中国市場における新エネルギー車の状況について中国新興EVメーカー「御三家」のLi Auto(理想汽車),Xpeng(小鵬汽車),NIO(上海蔚来汽車)の「理小蔚」について調査する。本報告は激動中の中国自動車市場において新エネルギー車メーカーがどんなマーケティング活動を実施しているのかについて情報収集して考察する。

  • 星田 剛
    2023 年 26 巻 p. 43-53
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    企業は,拠点がある地域社会との関係つくりが欠かせない。特に,大型の商業施設を構える立地型小売業は,地域の生活者,自治体や消防・警察などの公的セクター,商品ベンダー・テナントなどの商業セクターと直接のコンタクトがあり,地域社会の課題とその解決に対して,重点的に取り組めるメカニズムを有している。本稿は,ポル・ポト政権により国家の基本インフラが破壊されたカンボジアにおいて息の長いCSR活動を行い社会制度作りに貢献したイオンが,事業活動においても新しい制度作りに寄与した事例を検証する。イオンが創業以来,地域社会との関係を深めることで培ってきた経営資源,および立地型小売業としての事業メカニズムが,本事例の背景にあることを明らかにしていく。

  • 藤岡 芳郎
    2023 年 26 巻 p. 55-65
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    これまでに多くの日系小売業がASEAN市場に進出してきたが成功事例は多くない。これまでの継続的なバンコク市場の調査から,日本国内で成功した同じ業態で海外進出すると,一部の企業以外成功できない可能性が極めて高いことがわかった。なぜならば,現地市場が求めているのは現地にない新たな業態や,ネット通販ができない独特な体験やコンセプトを提供できる小売業だからである。以上の問題意識から日系企業が進出国で課題を克服して成功モデルを築くためには伝統的マーケティングでは限界があると考えている。そこで,本研究は現地市場で顧客と相互作用しながら価値を共創する新たなマーケティングからのアプローチを採用する。研究目的はバンコク市場で日系小売業が今後成長する可能性について価値共創マーケティングからのアプローチで検討することである。

  • 川島 哲
    2023 年 26 巻 p. 67-74
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    2022年1月のRCEP(地域的な包括的経済連携協定)の発効により,日本の貿易総額に占めるFTA(自由貿易協定)発効国との貿易額のシェアは約80%となった。日本企業はFTAをいかに活用していくかが今問われている。人口の減少により日本の国内市場規模が縮小しつつある中,中長期的に着実に成長が期待できるアジア市場をターゲットとする必要がある。アジア市場を狙うにはアジアと締結しているFTAの活用は不可欠である。これは地方の企業にとっても喫緊の課題である。このような現状認識に基づき,筆者の居住している石川県に本社のある企業がいかにFTAを活用しているかをインタビュー調査をした。石川県に焦点をあてたFTAの企業調査は研究として初めてである。全国的な調査と比較しながら課題として何があげられるのか。行政の支援はどのように期待されているのかなどを考察した。

  • 劉 燕
    2023 年 26 巻 p. 75-85
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    本報告は中国市場におけるコーセーのコスメデコルテの顧客接点を活かしたマーケティング戦略について考察する。コスメデコルテは都心部で生活する若い女性を対象に積極的に顧客接点を重視するマーケティング戦略を実施している。コスメデコルテはオンラインとオフラインの特徴を組み合わせながら若い女性の課題を解決しようとしている。これまでの化粧品の流通システムはオフラインの実店舗を重視してきた。中国市場で後発ブランドのコーセーはコスメデコルテのブランドを市場に浸透させるために積極的にオンラインとオフラインの顧客接点を活用している。本報告はコスメデコルテのオンラインとオフラインの顧客接点から情報収集して考察した結果を報告する。

  • 柯 麗華
    2023 年 26 巻 p. 87-97
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/02
    ジャーナル オープンアクセス

    世界規模で小売業における電子商取引(Electric Commerce,以下ECという)の市場規模が拡大し続けている。中国では,ECの市場規模の拡大と共に,越境ECも急速に成長している。この研究の目的は,中国における越境ECの発展及び消費者の購買行動の特徴を明らかにすることであった。まず,中国の越境ECの現状と発展を概観した。次に,越境ECにおける日本産食品の販売実態と課題について分析した。最後に,中国人消費者の購買特性を明らかにした。

feedback
Top