現在の家庭における低温保存法である冷蔵・冷凍に対して, 家庭規模での保存法としてのチルド・パーシャルフリージングの有効性を明らかにするため.K値・TMA値・メチレンブルーテスト, PH, ドリップ量・硬さの測定, 及び官能検査を行った。本実験ではチルド保存を食品中の水分が未凍結の範囲での低温保存としてとらえ, 魚, 肉, 豆腐を試料とした。
(1) 魚は, 保存温度が低い程K値・TMA値が低い値を示し, C, Pでは二週間程度の保存では上昇が小さく, 鮮度が良く保持された。マグロの場合ドリップ量は凍結した冷凍・パーシャルフリージングの場合に多く, 官能検査でも未凍結のチルド保存のものが好まれた。
(2) 豚肉は, 保存温度が低い程品質保持期間が長くはなるが, 凍結した冷凍・パーシャルフリージングはドリップ量が多く, 焙焼後には硬くなった。
(3) 豆腐は漬水PH測定の結果, 冷蔵では保存5日で腐敗していたが, チルドでは10日目でも食用可能であった。
(4) これらの結果より, 未凍結の範囲での零度付近の保存法は家庭において有効であると考えられた。
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