メディア・英語・コミュニケーション
Online ISSN : 2436-8016
Print ISSN : 2186-1420
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研究論文
  • ―東京⼤学の声明を例にして―
    メディア意識研究分科会
    原稿種別: 研究論文
    2024 年14 巻1 号 p. 55-67
    発行日: 2024/09/30
    公開日: 2025/02/21
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では、2022 年の⽣成 AI の急速な発展を受けて、東京⼤学が発表した⼤学声明に反映される教育観や学⽣像を探った。分析対象とした⼤学声明は、4 ⽉から5 ⽉にかけて発表された⼀般的な声明⽂、教員へのメッセージ、学⽣へのメッセージの計3 つである。物語批評と批判的談話分析の2 つの分析⼿法を⽤いて、これら3 つのテクストを分析した。結果として、東京⼤学が⽇本を代表する学府として、教育、倫理、尊重の重要性に重点を置きながら、⽣成AI が社会に与える影響について責任を負う姿勢が声明には⽰唆されていた。やみくもに⽣成AI に依存したり、その使⽤を禁⽌したりするのではなく、リスクに対する意識を⾼め、開かれた対話姿勢を保ちつつ、批判的思考と⾃⽴した思考をはぐくむ教育とそれらを⾝に付ける学⽣を求めていた。

実践報告
  • 国際英語論の授業導⼊
    ⼩林 ゆみ
    原稿種別: 実践報告
    2024 年14 巻1 号 p. 33-53
    発行日: 2024/09/30
    公開日: 2025/02/21
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では、1 学期間にわたり国際英語論を取り⼊れた授業が、英語コミュニケーションにおける学⽣の不安にどのような変化をもたらすかについての探索的研究を実施した。私⽴⼤学に在籍する 2 年⽣ 13 名の学⽣を対象に、外国語教室不安尺度(FLCAS の⽇本語版)(Yashima et al., 2009)を使⽤し、授業開始時、中間、学期末の 3 時点で不安の度合いを測定。参加者内⼀元要因分散分析を⾏った結果、授業回数を経るごとに学⽣の全体的な不安が有意に減少したことが確認された。さらに、フォーカスグループインタビューと⾃由回答形式の質問紙を⽇本語で実施し、in vivo コーディングとパターンコーディングを⽤いた内容分析を⾏った。この分析から、国際英語論の理解を深め多様な英語のリスニングに触れることが学⽣の英語コミュニケーションに対する不安を軽減し⾃信を⾼め、「My English」に対する肯定的な認識へと繋がることが⽰された。この研究は、英語教育において国際英語論の組み込みが、学⽣の不安を軽減し、⾃信を向上させる可能性があることを⽰唆している。

研究ノート
  • ⽇本⼈英語学習者による英⽇字幕翻訳事例の質的分析から
    春⽊ 茂宏, ⾦井 啓⼦, 吉⽥ 国⼦, 南津 佳広
    原稿種別: 研究ノート
    2024 年14 巻1 号 p. 11-32
    発行日: 2024/09/30
    公開日: 2025/02/21
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の⽬的は、初級から中級の⽇本⼈英語学習者の翻訳事例に対して質的分析を⾏い、次の 2 点を ⽰すことである。(I)⾮英語専攻の⽇本⼈⼤学⽣が訳出した英⽇字幕翻訳事例を⾔語学および諸分野の観点から分析し、メタ⾔語能⼒が扱う⾔語や⾔語伝達に関わる要素を⾒つける。(II)分析結果を整理し、翻訳過程において⽤いられる、また、メタ⾔語能⼒の対象となる⾔語や⾔語伝達に関連する要素を体系化する。本研究を含む研究プロジェクトとしては、メタ⾔語能⼒と英語運⽤能⼒を向上させる TILT(外国語教育における通訳翻訳の活⽤)を取り⼊れた英語授業活動を提案することを最終⽬標にしている。

基調講演
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