日本テスト学会誌
Online ISSN : 2433-7447
Print ISSN : 1880-9618
2 巻, 1 号
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論文
  • 内田 照久, 大津 起夫, 椎名 久美子, 林 篤裕, 伊藤 圭, 荘島 宏二郎, 杉澤 武俊
    2006 年 2 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 2006年
    公開日: 2022/06/17
    ジャーナル フリー

    平成18年度の大学入試センター試験から,新たに個別音源を用いた英語リスニングテストが導入される.その実施に向けて,これまで平成15-17年の間に,高校生を対象とした「プレ試行テスト」,「試行テスト」,大学1年生を対象とした「ポスト試行テスト」の計3回の予行実施調査が行われてきた.本報告では,平成17年1月21日に行われた「ポスト試行テスト」の実施結果について整理した.ここでは筆記試験とICプレーヤーを使用したリスニングテストの成績の分析結果,及び航空機騒音に関わる簡易実験の結果についてまとめた.また,新しい方式の試験の導入に際し,基礎的研究と実用的研究の連携,社会的な認知を視野に入れたテスト研究の必要性を議論した.

  • 坂野 永理, 坂井 美恵子
    2006 年 2 巻 1 号 p. 91-100
    発行日: 2006年
    公開日: 2022/06/17
    ジャーナル フリー

    本稿では、項目応答理論の一つのモデルであるRaschモデルを使い、漢字のプレースメントテストの改良を行なった。被験者は日本の大学で学んでいる留学生で、改訂前のテストの被験者187名、改訂後のテストの被験者176名が多肢選択式の漢字プレースメントテストを受験した。Raschモデルによる分析の結果、改訂すべき点が見つかったため、これを基に1) 適切でない項目の改訂又は削除、2) 選択肢数の削減、3) 同じ困難度パラメータを持つ項目の削除を行なった。2度に渡る改訂の結果、改訂後のテストは改訂前のテストに比べ、信頼性を落とすことなく、項目数及び選択肢数が減り、より効率的なテストとなった。また、受験者能力をより適切に測る項目が増え、質的な面でも改良が加えられた。

  • 深町 珠由, 中川 正宣
    2006 年 2 巻 1 号 p. 113-125
    発行日: 2006年
    公開日: 2022/06/17
    ジャーナル フリー

    近年増加しているインターネット上での購買行動など,事前に商品の全容を確認できない選択状況では,選択肢のイメージを正確に把握する能力が良い選択につながると予測される.本研究では,視覚的イメージ能力を客観的に測定するテストを開発し,信頼性と,実際の選択場面での妥当性を検討した.研究1では,様々な立体図形や平面図形から成る視覚的イメージ能力テスト(VIT)を同一被験者に2回実施し,信頼性と因子構造の安定性を検討した上で,標準化を行った.研究2では,別の被験者群のデータを研究1の標準化得点で換算し,信頼性と3因子構造を検討した.研究3では,視覚的イメージ能力を要する一現実例として,仮想空間上の部屋立体図を想像しながら間取図を選択する課題を行い,3次元組合せ因子との高い相関を得て,構成概念妥当性の一証拠を得た.今後は,他因子の妥当性の検証や,現実課題と能力因子との詳細な関連を検討する必要がある.

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