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大熊 武司, 石川 智巳
セッションID: OS1-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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我が国における架空送電設備は,内陸山岳部や海岸線など複雑な地形上に建設される場合が多く,またその構造特性もあいまって強風により多くの被害が生じている.このため,建設地点に応じた設計風速や構造特性に応じた風荷重評価法を確立することが望まれている. 著者らは,多くの設備被害の生じた台風9119号以降,電力会社とともに局地風対策研究および耐風設計合理化研究を実施してきた.さらに,これらの研究成果を体系的に取りまとめて,送電用鉄塔の風荷重指針(案)を策定している. 本報告では,「送電用鉄塔の風荷重指針(案)」の基本的考え方を紹介する.
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中村 秀治, 山崎 智之, 石川 智巳, 田中 伸和
セッションID: OS1-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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送電用鉄塔の合理的耐風設計法の確立のためには,建設地点の風の風向特性と地形による影響を考慮した設計風速の算定法を確立することが重要である.このため,著者らは気象官署観測値と台風シミュレーションによる値のキャリブレーションにより気象官署位置の風向別基本風速を求め,気流解析結果を援用することにより,地上10m,粗度区分_II_の10分間平均風速に基づく風向別基本風速マップを策定した.また,小地形の影響による増速率を簡易に予測する方法として,数値シミュレーションによる方法と2次元崖状地形に関する増速率DBによる簡易増速率算定法を用意した.後者の方法は,地形の3次元性を無視しているため,安全側評価となる場合が多いものの,鉄塔設計に簡易に用いることができる.最後に,これらの方法に気象学的影響を加えて,設計風速評価法を構築した.
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石川 智巳, 橋本 純也
セッションID: OS1-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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風向別風速と送電線路の構造特性を考慮した耐風設計を実現するためには,任意の風向に対する風荷重を精度良く評価できなければならない.すなわち,風向に応じた鉄塔・架渉線連成系の動的効果を考慮できる必要がある.このため,著者らは,ガスト影響係数法に基づき鉄塔風圧荷重,架渉線風圧荷重,張力荷重といった個々の風荷重評価式を提案した.さらに,理論的,実験的考察に基づきこれらの荷重の組み合わせ方法を開発し,より実況に応じた風荷重評価が可能となった. 本報告では,本風荷重評価法の特徴を述べるとともに,四国試験線観測値との比較検証結果を示す.
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大石 祐司, 北嶋 知樹, 三上 康朗, 山崎 智之
セッションID: OS1-4
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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2002年10月,台風21号による強風により,茨城県潮来市と鹿島市に施設された送電用鉄塔の損壊事故が発生した。東京電力では,事故箇所近傍に設置された風速計データを利用するとともに気流解析,等価静的風荷重算定,時刻歴応答解析等の最新の風工学技術を駆使して,事故原因究明を行い,結果,評価された風荷重は設計値を下回っていたことを確認した。
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日本風工学会 風環境評価研究会
セッションID: OS2-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本稿では、日本風工学会に設置された「風環境評価研究会」で行った気象,交通,土木,建設工事,ビル風などの風工学諸分野における風環境評価の現状と課題に関する調査の概要を報告する。その結果、分野ごとにそれぞれの風環境の評価尺度に対して規制・規準,条例あるいはコンセンサスが存在することが明らかとなった。
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野口 和俊
セッションID: OS2-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本報では、ビル風問題と法律の係わりについて、法曹界の立場からの見解を述べている。
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今井 俊昭, 島村 泰介, 福原 隆彰
セッションID: S3-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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強風に関する運転規制基準を検討するために、海上の観測点における長期間の風速時系列データを対象として数分間から10分間程度の短時間に生じる風速の変化量に関する統計的な分析を行った。直前10分間平均風速が10_から_20m/sの風速領域において、引き続く10分間平均風速との差の階級別度数を調べたところ、風速差0m/s付近では正規分布型の度数分布となり、大きな風速増加となる領域では変化量の度数は変化量の絶対値に関する指数関数に似た分布形状となることが分かった。風速変化量に関する統計的な性質は、ある規制基準により運転規制を行う場合の危険風速に遭遇する確率を算定するあたって重要であると考えている。
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各種SGSモデルの評価
新藤 貴子, 曹 曙陽, 田村 哲郎
セッションID: S3-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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丘陵地まわりの流れ場は、圧力勾配変化、流線の曲がりの影響により乱流構造が複雑に変化する。このような流れ場を精度良く予測するには、時間平均の操作を施すRANSを用いるより、直接的にDNS,LESのような非定常解析を行ったほうが適切であると考えられる。しかし、丘陵地を対象としたLESにおいて、そのSGSモデルについての評価はまだなされておらず、計算の妥当性が確保されていない。そこで本研究では、DNSデータを用いて丘陵地まわりの流れ場を対象としたa priori testを行い、各種SGSモデルの厳密な検証を行う。さらに、a priori testの評価を踏まえながらそれらのモデルを実際に使って、Re数の高い場合について乱流境界層中の二次元丘陵地まわり乱流場のLES解析を行い、既往の実験と比較することにより、より適切なSGSモデルの選定を行う。
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-気象モデルCSU-RAMSと工学モデルRIAM-COMPACTの比較-
内田 孝紀, 大屋 裕二, 鵜野 伊津志
セッションID: S3-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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我々はRIAM-COMPACT(Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, Computational Prediction of Airflow over Complex Terrain)と称する局地的風況予測モデルを開発している。本研究では、急峻な野間岬を対象とし、数(十)km以上の広域スケール(メソスケール)を対象とした地域気象モデルCSU-RAMS(Colorado State University and Regional Atmospheric Modeling System)とRIAM-COMPACTの比較を行った。
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丸山 敬
セッションID: S3-4
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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植物や建物などが分布する粗面上の接地境界層内の気流性状について,k-ε乱流モデルを用い,差分法により流れの支配方程式系を離散化して計算する場合の粗面境界条件の与え方について,べき法則と対数法則を用いた場合の違いを比較検討する.
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橋田 光二, 田村 哲郎, 片渕 真人
セッションID: S3-5
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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近年、LESなどの非定常計算の流入条件に流入変動風を導入する研究が意欲的に行われている。これまでの流入変動風に関する既往の研究は、その生成手法により確率統計的手法と非定常計算の2つに大別される。本研究で解析対象とする一様乱流においては、確率統計的手法が従来から適用されているが、しかしその欠点から流入境界への自然な導入は困難である。一方、非定常計算を用いれば流入変動風の自然な導入が期待される。そこで、本研究では低波数側に空間的にランダムな外力を与え、乱流エネルギーを定常に保持した乱流場を用いた流入変動風の生成手法を提案し、目的とする乱流統計量の得やすさなどの観点から、その適用性を明らかにする。
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飯尾 耕次, 木村 繁男, 岡島 厚, 木綿 隆弘
セッションID: S3-6
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本研究では、森林内部の乱流構造や渦拡散係数などを明らかにするために、金沢大学キャンパス内の森林内に建てられているタワーで、三次元超音波風速計を用いて風速分布を測定した。その結果、1月の混合距離と渦拡散係数の値は、10月の測定値に比べて10倍も大きく、季節による葉の茂り具合の影響を大きく受けることが確認できた。これは風に対して葉が障害物として作用し渦スケールを小さくしているからと考えられる。また風速変動のパワースペクトルから、高周波数域では慣性小領域の存在を確認することができた。平均流の空間構造の規模を示している空間スケールの値は、10mから100mの範囲を取り、おおよそ平均風速に比例した特性を示す。
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奥野 東, 田村 哲郎, 稲葉 貴人
セッションID: S3-7
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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近年、温暖化現象に関連して植生のCO2吸収量を見積もることが重要になってきている。そこで本論文では、植生の効果を調べるため植生モデルを組み込んだ乱流場のLES解析を行う。植生モデルとしてGoldsteinの提案したFeedback Forcingを拡張することで、植生が乱流場へ与える影響を表現できると期待される。
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古澤 卓士, 田村 哲郎, 中山 浩成, 奥田 泰雄, 喜々津 仁密
セッションID: S3-8
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本研究では、空間発達する対流境界層を解くためのモデルとして、Lundの手法を用いて十分発達した乱流中に温度をパッシブスカラー量として入れた中立乱流場をドライバ部で作成し、温度成層性を伴う本計算部に流入させる事で対流境界層を空間発達させる。この適用例として実在都市域を対象とした解析を行い、土地被覆状況に応じた温度境界条件設定を行う事で、メソスケールでは積分値であった領域での細かい土地被覆に基づいた解析の意味を考える。
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建物周辺気流のCFD予測に関するベンチマークテスト(その5)
富永 禎秀, 持田 灯, 片岡 浩人, 張本 和芳
セッションID: S4-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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本報では、建設当時に様々な研究機関の協力により詳細な風洞実験や実測調査が行われた開発初期の新宿副都心を対象としたベンチマークを行い、CFDの予測精度を検証した。CFDの解析結果は、高層建物周辺等の形状が正確に再現され、かつメッシュ分解能が十分な領域においては、実験や実測結果とよく一致した。一方、低層建物周辺等のようにメッシュ分解能が形状再現性に大きな影響を及ぼす領域では、風向によっては、メッシュ分割の違いにより予測結果に差が現れた。
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胡 承祜
セッションID: S4-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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数値流体計算に基づく建物周りのウインド・イフェクトと諸環境の評価
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高橋 岳生, 加藤 信介, 大岡 龍三, 河野 良坪, 渡辺 壮亮
セッションID: S4-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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縮尺1/600の市街地模型を使用した風洞実験により、実在する交差点周辺での自動車排気ガスの汚染濃度分布を予測するとともに、CFD解析の検証用データを取得する。主要道路からの拡散ははやく、風下での濃度減衰は非常に大きい。また、高架道路から排出されるガスが地上に与える影響は小さいことがわかった。
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稲葉 貴人, 田村 哲郎, 奥田 泰雄
セッションID: S4-4
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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ローカル・アーバンスケールにおける汚染物質の輸送過程を予測しそれを評価することは、人間への影響に直接的であるため、重要である。このスケールにおける物質輸送は、地表近傍での不規則形状により形成される細かいスケールの渦の影響を受け、複雑な拡散場を形成する。しかし、環境アセスメントでも頻繁に使われているプルーム・パフモデルは、計算負荷が低い反面、二次元的な拡散場の統計量を扱うに留まっており、複雑乱流場における拡散現象の再現性に問題を残している。従って、本研究は、実在する都市を対象とし、対象地域に実在するごみ焼却場の煙突から放出される排ガスを点源と想定して、LES非定常解析を行い、都市域の上空での物質の輸送過程を議論する。
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(その1)植栽状況の違いによる温熱快適性の変化
佐々木 澄, 持田 灯, 吉野 博, 岩田 達明
セッションID: S4-5
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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近年、都市の暑熱環境緩和対策の一つとして、街路空間における植栽の効果が注目されている。仙台市においては「百年の杜づくり」が進められており、その一環として「緑の回廊づくり」が計画されている。これは、仙台市の中心部に位置する仙台駅を中心に、半径2km程度の圏内を対象として重点的に緑化をはかるものである。本研究では、街路樹が歩行者空間の風環境、熱・空気環境に及ぼす効果を検討するために、仙台市内の実際の市街地(東二番丁通)をモデル化した街区を対象に、非定常放射解析とCFD解析の連成解析を実施した。本報(その1)では、街路樹の有無、疎密、高低による温熱環境の改善効果を検討し、新標準有効温度(SET*)を用いて評価した結果について報告する。
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(その2)植栽状況の違いによる流れ場・拡散場の変化
岩田 達明, 持田 灯, 吉野 博, 佐々木 澄
セッションID: S4-6
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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本研究では、街路樹が歩行者空間の風環境、熱・空気環境に及ぼす効果を検討するために、仙台市内の実際の市街地(東二番丁通)をモデル化した街区を対象に、非定常放射解析とCFD解析の連成解析を実施した。前報(その1)では、歩行者空間の温熱快適性に関する検討を行った。本報(その2)では、同街区モデルを対象として、自動車排気ガスによる汚染を想定した濃度分布の解析を行い、植栽状況の違いによる街路空間の空気環境の変化を検討した結果について報告する。
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中村 太輔, 吉川 祐樹, 木村 吉郎, 久保 喜延
セッションID: S4-7
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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北九州市も日本の他の多くの都市同様に,ヒートアイランド現象が問題となっている.そこで,北九州市における風況パターンをヒートアイランド緩和につなげるための基礎資料とすることを目的とした.まず,北九州市内10地点における風向風速の実測データに基づき,北九州市地域の夏季の風向分布のパターンを明らかにした結果,9つの風況パターンを導いた.さらに,この9つのパターンごとにヒートアイランドの強さ(北九州市都心部と宗像市との気温差)を調べた.その結果,海風にはヒートアイランド抑制効果がみられ,陸風ではみられないという結果が得られた.
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-仙台と原町の比較-
吉田 知弘, 佐々木 澄, 持田 灯, 吉野 博, 渡辺 浩文
セッションID: S4-8
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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日本の多くの都市は沿岸部に位置しており、都市の気候形成には海風が大きく影響すると考えられる。本報では、ともに太平洋沿岸に位置する規模の異なる2都市、すなわち、東北地方の中核都市である「仙台」、人口5万人規模の小都市である「福島県原町市」を対象にメソスケール気候数値解析を実施し、大気部の熱収支構造を比較し、両都市の気候形成に及ぼす海風の影響について検討する。その結果、両都市ともに気候形成に及ぼす海風の影響は大きいことが確認された。
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奥田 泰雄, 林 泰一, 横木 研, 村田 文絵
セッションID: S5-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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平成15年9月11日、台風0314号は宮古島上空を通過し、宮古島地方気象台では最大瞬間風速74.1m/s、最低気圧912hPaを観測した。気象官署等での気象観測データ、気象レーダエコー図等の資料を用いて、台風0314号の強風について調べた結果、この強風は台風の二重眼の内側の環の西側に定在する強い降雨帯周辺で観測されたことが分かった。
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岡田 恒, 奥田 泰雄, 喜々津 仁密, 松井 正宏, 田村 幸雄, 土谷 学, 山本 学, 林田 宏二, 近藤 宏二, 丸山 敬
セッションID: S5-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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平成15年9月11日、台風0314号は宮古島上空を通過し、宮古島地方気象台では最大瞬間風速74.1m/s、最低気圧912hPaを観測した。この強風に伴い宮古島では1968年の第3宮古島台風以来の大きな被害が発生した。建築研究所・東京工芸大学・鹿島建設、京都大学防災研究所ほかが被害調査を実施したので、その概要を報告する。
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その1 被害調査
石原 孟, 山口 敦, 藤野 陽三
セッションID: S5-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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台風14号による風車倒壊を調査し、風車のブレード,ナセル,タワー,基礎,制御機構の被害状況を明らかした.
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その2 強風の推定
ホム ホ タイ , 石原 孟, 藤野 陽三
セッションID: S5-4
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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台風シミュレーション及び気流解析を行い,台風14号の強風を推定した.その結果,推定された平均風速の最大値と風向は気象台で得られた観測値とよく一致した.
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吉田 昭仁, 田村 幸雄, 趙 康杓
セッションID: S5-5
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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台風Maemiは韓国において、人的被害130名(死者117名、行方不明者13名、10月20日現在)と未曾有の大被害をもたらした。また、物的被害額は10月20日現在で4兆7810億ウォンとなっており、最終的には5兆6000億ウォン(日本円で約6000億円)を超える史上最大規模となることが見込まれている。特に、釜山では11台のコンテナクレーンが倒壊もしくは脱線するなどの被害を受けた。また、この台風の影響により韓国国内での物価が上昇し、農作物などの価格が急騰するなど、非常に多くの影響をもたらした。
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喜多村 美保, 友清 衣利子, 前田 潤滋
セッションID: S5-6
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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NeWMeKの観測データを用いて,住家被害の拡大に及ぼす最大風速および最大瞬間風速の影響に加えて、風速の標準偏差の影響を統計的に検討した.その結果、最大風速よりも最大瞬間風速の方に被害率拡大はより明確な相関を示し、また風速の標準偏差にも相関があることが分かった。そのような状況下では、平均して高い風速を長く記録する風況よりも、瞬間的に高い風速を繰り返し記録する風況の方で被害率が高くなることが分かった。
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鈴木 実, 種本 勝二, 前田 達夫, 今井 俊昭, 藤井 俊茂
セッションID: S5-7
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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鉄道において、強風は列車の安全な運行に直接係わる現象である。1872年の鉄道開業以来、30件以上の強風が原因と推定される事故が発生している。列車脱線事故が契機となり、運転規制方法が整備されてきたわけだが、1986年に発生した余部橋梁事故以後、強風地域における列車運転規制が強化され、防風柵設備等の安全対策が行われてきた。本件は、鉄道における強風時の運転規制方法と強風対策について紹介する。
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吉岡 英樹, 林 吉彦, 西本 俊郎, 野口 貴文
セッションID: S5-8
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本稿では、建築研究所火災風洞にて、実規模の和風瓦屋根(L1,800×W600mm)を垂木から上の部分を傾斜角30°になるように架台の上に設置し、屋根瓦被害状況(全壊、半壊、小損)と風速(0, 3, 6m/s)各々をパラメータとして組み合わせて、計3×3=9ケース程実験を行う。火源としては、クリブ(80×80×60mm)を組んでバーナーの火で炙ったものを試験体上部に設置して、落下した火の粉に見立てる。計測項目としては、温度(試験体表面, 裏面)、試験体の燃え抜け時間、火炎の到達距離等である。これらの実験結果を屋根被害と風速といったパラメータ毎に比較検討すると共に、火の粉による跳躍延焼シミュレーションモデルを今後開発していく際の初期条件として活用する予定である。
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吉岡 英樹, 林 吉彦, 佐藤 英人, 野口 貴文, 大宮 喜文
セッションID: S5-9
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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建築研究所火災風洞内において、実大防火木造家屋(モルタル外壁、瓦屋根)を設置し、風速をパラメーターとして(3m/s, 6m/s)、火災実験を行った。計測項目は、_丸1_温度, _丸2_入射熱, _丸3_家屋の質量減少, _丸4_風速, _丸5_映像である。_丸1_温度に関しては、家屋の躯体、仕上げ材表面、空気温度等、計60箇所に熱電対を設置して、火災進展に伴う温度変化を計測した。_丸2_入射熱に関しては、家屋より3m程風下側に熱流束計を設置して、家屋の燃焼に伴う入射熱流束を計測した。_丸3_家屋の質量減少に関しては、家屋の下部四隅にロードセルを配置し、火災の進展に伴う質量減少を計測し、発熱速度算定のためのデータとした。
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本城 勇介
セッションID: OS6-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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1995年のWTO/TBT協定の締結により, この協定の要求する国際規格の尊重(2.4項)および, 性能による製品仕様の規定の要求(2.8項)に基づき, 日本の主要な土木構造物の設計コードは, 大幅な改定を行っている. 構造物の設計の基本を定めたISO2394は, 限界状態設計法の採用を規定しており, すべてのコードがこの設計法の採用に動いている. さらに, WTO/TBT協定の影響, また公的な決定の透明性や説明責任を問う一般的な風潮のなかで, 性能設計も重要な概念となっている. ここでは, 性能設計の発達の経緯や特徴について触れた後, 最近開発された「code PLATFORM ver.1」(土木が会)及び「地盤コード21」(地盤工学会)について, その概要を紹介する.
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佐藤 弘史, 木村 吉郎
セッションID: OS6-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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特に橋梁の耐風設計を念頭において,性能規定,性能設計について記述した.まず,性能規定とNKBレベルシステムの概要を示し,続いて道路橋示方書改訂の概要と道路橋耐風設計便覧の手法を再整理した検討結果を示した.最後にJSSCで取りまとめた「土木鋼構造物の性能設計ガイドライン」の概要と関連部分を紹介した.
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森 伸之, 樫村 俊也
セッションID: OS6-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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建築基準法の性能規定化へ向けての方向性が示されて以来、建築の構造設計実務者の間でも、これに対応した動きが活発化した。各設計者や設計組織では、発注者の構造性能に対する理解を促すための手段の構築が進められた。JSCAでは性能設計を目指した構造設計指針の作成などが行われた。本稿では構造設計実務者の性能設計に対する取り組みとして性能設計を目指した構造設計指針作成等のJSCA活動を中心に紹介する。更に性能設計に対する認識を高めるための、構造性能を視覚化する手法の開発・発展の現状について、実例を示す。これらを通して、建築構造設計実務者の性能設計に対する取り組みの現状と展望を示す。
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糸井 達哉, 高田 毅士
p.
35
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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浅井 武, 瀬尾 和哉, 小林 修
セッションID: OS7-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本研究では、カーブキック及びナックル系キック(ボール回転数が少なく不規則にゆれるボール)のインパクト特性やボール回転数を高速VTRカメラによって分析すると共に、風洞実験により基礎的空力特性について検討した。結果を以下に要約する。1)インフロントカーブキックにおけるボール回転数の平均値は7.8回転であった。2)全てのインフロントカーブキックの試技においてフェイスベクトルとスイングベクトルのなす角度(迎え角)がみられ、その平均値は35.4deg.であった。3)サッカーボールの抗力係数はレイノルズ数が増加してもCD=0.36_から_0.4の範囲で一定もしくは微減で,表面突起球のCDに近い傾向を示すと考えられた。
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瀬尾 和哉, 小林 修, 村上 正秀
セッションID: OS7-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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ラグビーのハイパントは無回転、或は低速回転でボールを高く蹴り上げるキックである。ハイパントでは、しばしば空中でボールが予測不能に揺れる。プレーヤーにはキャッチし難いキックで、不思議な現象として認識されてきた。そこで、無回転のラグビーボールの空力特性を風洞実験により調べた。縫い目位置を変数とした空気力測定の結果、迎え角が90°の場合(ボールの投影面積最大)には、縫い目が1回転する間に横力は4周期分の変化をすることが明らかになった。この原因をオイルフローによる可視化実験で調べたところ、ボールの4つのコーナーが流れに対して左右非対称の位置にある場合には、左右で境界層剥離位置が異なることが明らかになった。
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錦織 大介, 溝田 武人, 久羽 浩之
セッションID: OS7-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
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野球の投手が投げる球種の中に,大リーグ・ボストンレッドソックスのTim Wakefield投手が投球する事で有名なナックルボールがある.これまで,本研究室で行われてきたナックルボールの研究で,Wakefield投手が投球するナックルボールは1[rps]以下のゆっくりとしたサイドスピンをしている事が確認されている.しかし,近年のWakefield投手が投球するナックルボールは,ジャイロ回転をする新型のナックルボールである事が確認された.本研究では,先ず理論によるフラッタ方程式を導き,その後,フラッタ実験を行う事で,方程式が成立する事を証明する.その結果から,新型ナックルボールのメカニズムの解明を試みる.
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清水 鉄也, 姫野 龍太郎, 谷口 哲也, 桶田 史朗, 宮嵜 武
p.
39
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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後藤 崇史, 野中 正洋, 青木 克巳
セッションID: OS7-5
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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ゴルフボールの飛翔距離はボール表面に施されているデインプルの表面構造により大きく影響を受けることが知られている.本研究では,レイノルズ数0.423×105_から_1.69×105の範囲に対し,ディンプル数を0_から_504個ディンプルを規則的に配列させた時の非回転時における揚・抗力特性,回転速度比(ボールの周速度/飛翔速度)を変化させた時の揚・抗力特性,並びにデインプルの深さを変化させた時の揚・抗力係数特性を明らかにすると共にこれらの特性に対するボール表面の圧力及びボール周りの流れを火花追跡法により可視化し,デインプル構造に対する飛翔特性と流れ場との関係を明らかにしている.また,これらの特性を基に飛翔シミュレーションを行い,飛距離の検討を行っている.
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深町 友和, 溝田 武人, 朴 盛敏, 鳴尾 丈司
セッションID: OS7-6
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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飛翔中のゴルフボールは自然風の影響を大きく受ける.本研究では,市販されている3種類のゴルフボールを用い,それぞれのディンプル形状による空力特性を風洞実験により求める.気流中で高速回転するゴルフボールに加わる空力特性の測定を行う.そして, 風が吹いてくる時にも飛距離の正確なシミュレーションができるようにするため,3次元飛翔軌道方程式に3次元の大気境界層の影響をいれて飛翔軌道解析を行う.それから,海岸で実際の打球実験を行い,計算値と測定値を比較して検証をする.
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友清 衣利子, 前田 潤滋
セッションID: S8-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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NeWMeKの観測記録を用いて風力発電のための九州地区の各観測点での風向及び風速の変動特性について検討を行った。風速変動特性の指標として10分間での風速の標準偏差を日平均風速で除した値を日平均乱れの強さで定義して検討を行ったところ、沿岸部で変動が小さいことが分かった。また、風向変動特性の指標として風軸上の風向出現率を用いて検討を行ったが、山間部で風向変動が小さいことが分かった。
周辺地形の影響を受けて観測点ごとに傾向は異なるが、沿岸部では風速変動は小さいものの風向の安定性が低い傾向が見られた。また、内陸の山地部では風向は比較的安定しているが、風速の変動が大きいことが分かった。
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気象シミュレーションによる風況精査
山口 敦, 佐々木 庸平, 石原 孟, 藤野 陽三
セッションID: S8-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本研究では関東地方沿岸海域を対象とし,メソスケール気象モデルを用いた水平解像度2kmのシミュレーションを行い,以下の結論を得た.
1.洋上では基本的に沿岸から離れるにつれて風速が増大するが,沿岸からの距離が一定でも場所によって年平均風速は大きく異なり,洋上においても風車立地サイトの選定が重要である.
2.関東地方沿岸海域には東京電力の供給電力量の94%という高い風力発電可能量が存在する.
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技術的,社会的条件を考慮した発電可能量の評価
佐々木 庸平, 山口 敦, 石原 孟, 藤野 陽三
セッションID: S8-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本研究では地理情報システムを利用し,技術的,社会的,経済的制約条件を考慮した関東地方沿岸域の風力発電量を評価した.その結果以下の結論を得た.
1.着底型基礎を用いた場合に利用可能な発電量は0.4TWh/yearにすぎないが,浮体式基礎を用いると94TWh/yearが利用可能である.
2.浮体式基礎構造の開発目標水深は20m_から_200mとした場合に最も発電量が望める.
3.基礎の償却年数を50年とすると,浮体式洋上ウィンドファームは事業化基準を満たすため,耐用年数50年以上の浮体式基礎の開発が望まれる.
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野々村 善民, 平原 裕行, 川橋 正昭, 小林 信行
セッションID: S8-4
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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本報では、PIVによりマイクロ風車(直径500mm)周辺の気流を計測した.以下に得られた知見を示す.1)マイクロ風車は,本体周囲を通り抜ける流れを効率よく利用して発電している.2)風車後方における風の減速は高い効率を示している.3)翼端から風下側後方に,2.0以上になる風速比が生じている.
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大屋 裕二, 鳥谷 隆, 渡辺 公彦, 桜井 晃, 井上 雅弘
セッションID: S8-5
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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風力エネルギーの有効利用を促進させるために新しいタイプの風力発電システムを開発した。風力発電においては、高精度の風況予測を行うこと、風エネルギーを高い効率で取り出すことの2点が重要である。まず、従来の風車に比べ、はるかに高出力となる集風装置付きの小型風車を考案した。この集風装置付き風車とは、風車とこれを覆うディフューザ部、ディフューザの出口端に取り付けたリング状のつば、および風取り込み口のインレットシュラウド部からなる。できるだけ高出力を得るためにつばの大きさ、ディフューザの開き角度の検討、インレット部の最適形状の選択、ハブ比、センターボディーの大きさを検討し、さらにこのつば付きディフューザに最適な風車翼の設計を行い、これらを適切に組み合わせた結果、風車だけの場合に比べて最終的に4-5倍の高出力を達成した。実用化を図るためにこのプロタイプ機を2種(0.6mおよび1.2mローター直径)製作し、フィールド試験を行い、その性能を確認した。
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山田 均, 宮田 利雄, 勝地 弘, 須賀 一大
セッションID: S9-1
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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並列ケーブル構造は,送電線,斜張橋ケーブル,吊橋ハンガーケーブルに見られ,明石海峡大橋ハンガーケーブルにも採用されている.しかしながら,ケーブルが並列に配置されることで,ウェイク振動の発生が懸念され,明石海峡大橋ハンガーケーブルでも橋軸直角(並列ケーブル軸線)方向から若干傾いた10m/s程度以上の風速において,ウェイクインデューストフラッターの発生が確認された.また,その後に行われた風洞実験においても並列ケーブル中心間隔9D(D:ケーブル径),迎角10_から_15度程度で風速が10m/s程度以上から大振幅の振動が観測された.本研究では,ウェイク中にある下流側ケーブル周りの流れの状態を調べることを目的とし,数値流体解析(CFD)によって検討を行った.また,明石海峡大橋ハンガーケーブルを対象とした風洞実験結果とも比較検討を行った.
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足立 洋一, 松本 勝, 八木 知己, 岡田 太賀雄, 大石 孝弘, 劉 慶寛
セッションID: S9-2
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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斜張橋ケーブルにおいて,降雨時に観測されるレインバイブレーションの発生メカニズムの解明が必要となっている.発生要因として,ケーブル表面に生成される水路,傾斜していることに起因する軸方向流,カルマン渦放出周波数特性などが考えられているが未解明な点が多い.また,最近の研究報告で水路のケーブル周方向への動きが重要な要因であると指摘されており,本研究では水路がケーブル周方向に振動すると仮定し,非定常空気力を測定することで,水路のケーブル周方向の振動がケーブルの空力振動に及ぼす影響について検討を行った.また,非定常空気力と準定常的に算出した空気力との比較を行い,各水路位置の持つ特性について検討を行った.
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松本 勝, 八木 知己, 岡田 太賀雄, 大石 孝弘, 足立 洋一, 劉 慶寛
セッションID: S9-3
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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斜張橋ケーブルのレインバイブレーションは未解明な点が多い.過去の研究において,St数が傾斜ケーブル模型スパン方向に変化する領域で高風速渦励振の励振力と考えられる低周波数成分の渦が形成される可能性を示している.本研究では,水路位置をスパン方向に変化させて各種風洞実験を行い,高風速渦励振の発生メカニズムについて考察を行った.その結果,水路位置のケーブルスパン方向における非一様性,及びその特定の形成位置が高風速渦励振の発生に関連しており,ケーブルスパン方向におけるSt数の変化による,非定常,3次元的な低周波数成分の渦の放出が,高風速渦励振の発生において重要であるものと考えられる.
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松本 勝, 呉 宏波
セッションID: S9-4
発行日: 2004年
公開日: 2006/01/26
会議録・要旨集
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従来、フラッターに対する安定性評価は、主に桁断面形状の変化による非定常空気力係数の改善といった観点から進展してきた。今後、耐フラッター安定性評価の更なる進歩のために、本研究では構造物の空力特性に質量、慣性モーメント、たわみ・ねじれ振動数比それぞれの変化が与える影響について考察を行った。対象とした断面はB/D=5,8,10,12.5,15,20の矩形断面である。本研究により、質量と慣性モーメントの変化によって空力減衰に重大な影響が与えられることが確認され、この現象は主に断面辺長比に起因すると考えられる。また、振動数比の増加により、フラッター発現風速が上昇し、断面辺長比に寄らず、フラッターに対して安定化することが確認された。
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