地域農村NIDDM患者男性9名と女性6名の計15名 (62.7±6.5歳) を対象として, 3ケ月間の糖尿病教室 (食事・運動併用療法) が血糖コントロールに及ぼす影響について検討した。すべての被検者が指示エネルギーを±10%以内で順守していたため, 1日の平均歩数が約7, 000歩以上の群をI群とし, 7, 000歩未満の者をII群とした。その結果, 以下のような知見を得た。
1) I群は教室前後でW/H比が有意に減少した。またII群においては体重, 体脂肪率, BMI, W/H比が有意に減少した。
2) 教室前後では, I群の血糖2時間値とFRAが有意に減少した。しかし, II群に有意な変化はなかった。
3) I群の蛋白エネルギー比と脂質エネルギー比は教室前後で有意に増加した。II群に有意な変化はなかったが, 両群ともに日本糖尿病学会の「糖尿病治療のための食品交換表」における栄養素摂取量, 摂取率の原則とほぼ一致した。
以上の結果から, 1日7, 000歩以上の歩行と食事療法を併用することでNIDDM患者の血糖コントロールが改善されることが示唆された。
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