日本総合健診医学会誌
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25 巻, 2 号
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  • 鈴木 康司, 伊藤 宜則, 篠原 力雄, 青木 國雄
    1998 年 25 巻 2 号 p. 137-144
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    北海道某地域住民を対象として, 体脂肪率と他の肥満指標について, 血圧や血清成分値との関連を検討した結果, 以下の結果を得た。
    1) 男性では, 体脂肪率, BMI, WHRは50~59歳にピークに達し, その後減少し, 皮下脂肪厚は加齢とともに低下した。女性では, 体脂肪率, BMIは60~69歳で, 皮下脂肪厚は50~59歳でそれぞれピークを示し, 以降減少し, WHRは, 加齢とともに増加した。
    2) 体脂肪率と最も相関の強い肥満指標は, 男女ともBMIであり, 体脂肪率とWHR, 皮下脂肪厚との相関性に性差がみられた。
    3) BMIは正常域であっても, 体脂肪率において肥満と判定されたり, 体脂肪率では正常域であっても, BMIにおいて肥満と判定される相違例が認められ, 前者は女性が, 後者は男性が多かった。
    4) 体脂肪率と血圧との関連は, 収縮期血圧, 拡張期血圧と有意な正相関を示し, BMIと血圧との関連に類似した。
    5) 体脂肪率は, 血清HDL-コレステロール値と有意な負相関を得, 血清中性脂肪値, γ-GTP活性値, LPO値, 尿酸値と有意な正相関を示し, さらに男性では血清総コレステロール値, 女性では血糖値と有意な正相関を認めたが, 50歳以上の女性では, 総コレステロール値と有意な正相関を示さなかった。体脂肪率とBMIは, 各血清成分値との有意な関連が類似したが, 体脂肪率の方が, より多くの血清成分値と強い相関性が認められた。
    以上の結果から, 体脂肪率は健診時などにおいて, 有用な肥満指標であることが確認された。
  • 若尾 勇, 岸本 剛, 鈴木 美博, 深川 和弘, 大江 敏江, 高橋 英孝, 吉田 勝美
    1998 年 25 巻 2 号 p. 145-151
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    健診で生活様式を評価する際, BreslowらのHealth practice index (HPI) が問診の項目として利用されている。しかし, それらの項目が我が国で行われている健診で発見される健康異常と整合性があるかどうかについては十分な検討がなされていない。本研究では, 1993年に健診を受診した35歳以上70歳未満の3, 046名 (男性1, 823名, 女性1, 223名) の検査異常と生活様式との関連をロジスティック回帰分析で解析し, 健診結果と適切に対応する新たなHPIの導入を目的とした。
    BreslowらのHPIについては, 肥満, 飲酒, 喫煙および運動と健康異常との整合性が確認された。
    さらに, 外食習慣, 脂っぽい物を好む, 緑黄色野菜摂取, 甘味習慣および食物線維摂取と健康異常との関連も示唆されたことから, これらを健康診断における新たなHPIとして導入するべきと考えられた。
  • 高橋 英孝, 深川 和弘, 鈴木 美博, 飯田 行恭, 大江 敏江, 伊津野 孝, 杉森 裕樹, 宮川 路子, 吉田 勝美
    1998 年 25 巻 2 号 p. 152-159
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    脳ドックの効用について年齢階級別に医学判断学的評価を行い, MRAによる脳ドック受診勧奨年齢を明らかにすることが本研究の目的である。
    受診者10万人がMRAによる脳ドックを受診したと仮定して, 75歳までの転帰について樹状図を用いて年齢階級別 (30歳未満, 30~49歳, 50~59歳, 60~69歳) に検討した。
    脳動脈瘤有病率と未破裂脳動脈瘤の生涯破裂率を年齢階級別に設定し, 脳動脈瘤に対するMRAの感度・特異度, 脳血管撮影合併症による死亡率を共通に設定して樹状図を作成した。
    脳ドック受診の有無で, 死亡数, 脳動脈瘤保有者で救命された数および動脈瘤保有者で破裂しなかった非出血と社会復帰を合わせた数を比較した。脳ドック受診者の死亡数が非受診者を下回り, 非出血と社会復帰を合わせた数が非受診者を上回る年齢を受診勧奨年齢と判定した。データの不確実性によって生じ得る影響を評価するために, MRAの感度, MRAの特異度, 脳血管撮影による死亡率のおのおのについて, 1項目のみを変化させた判断分析を行った。
    脳ドック受診者の死亡数が非受診者を下回っていたのは50~59歳の時のみであった。救命数は30歳以上のすべての年齢階級で脳ドック受診者が非受診者よりも多かった。非出血者と社会復帰の合計が非受診者を上回っていたのは, 30~49歳と50~59歳の時であった。
    MRAを用いた脳ドックによる脳動脈瘤スクリーニングは, 現在の医療技術レベルにおいて50歳代を対象にした場合には有用であり, この年齢階級を受診勧奨年齢にすべきであると考えられた。30~49歳についてはMRAの特異度を高くするか合併症による死亡率を低くする必要があるが, 専門医のいる施設では達成可能と思われた。30歳未満は有病率の点で脳ドック受診勧奨年齢ではなく, 60歳以上は脳ドック受診時の死亡数が多く, 非出血者と社会復帰の合計も少ないため, 脳ドック受診は適当でないと考えられた。
  • 西村 千尋, 今村 裕行, 森脇 千夏, 二神 友美, 城田 知子, 今村 英夫, 嶋田 良子, 内田 和宏
    1998 年 25 巻 2 号 p. 160-166
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    耐糖能異常と判定された地域住民を対象に運動・食事併用療法が加速度脈波に及ぼす効果について検討した。NIDDM患者で1日の平均歩数が7, 000歩未満を1群 (n=6) , 7, 000歩以上をII群 (n=12) として糖尿病教室前後で比較したところ, 体重, BMI, HbA1c, AIおよびCrが有意に低下し, 最大酸素摂取量およびHDL-Cが有意に上昇した。すなわち, II群においてHbA【1c】, が有意に正常域まで低下したことから, II群でのみ血糖コントロールが改善された。糖尿病教室終了後に加速度脈波係数の有意な変化は認められなかったが, 1群では悪化傾向を示し, II群では改善傾向を示した。また, II群でのみ加速度脈波波形パターンが改善する傾向を認めた。
    以上のように, 耐糖能異常者でも運動・食事併用療法により末梢循環機能が改善されることが示唆された。また, その改善のためには少なくとも7, 000歩以上の運動量が必要であることも示唆された。
  • ―加齢変化および大動脈脈波伝播速度との関係―
    新啓 一郎, 和田 光弘, 加治 清行, 近藤 伸宏, 萎沢 利行, 荻野 淑郎
    1998 年 25 巻 2 号 p. 167-172
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 田島 優理
    1998 年 25 巻 2 号 p. 173-175
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 菅沼 源二
    1998 年 25 巻 2 号 p. 176-229
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 25 巻 2 号 p. 239
    発行日: 1998年
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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