日本総合健診医学会誌
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27 巻, 2 号
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  • 安達 久美子, 江角 幸夫, 富村 耕太郎, 深田 靖彦, 陶山 昭彦
    2000 年 27 巻 2 号 p. 137-141
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    臨床化学検査の領域において, 検査値の標準化が進められるなか, 1992年米国臨床検査標準委員会 (以下NCCLS: National Committee for Clinical Laboratory Standards) 指針案により, 基準範囲の定義, 設定の仕方および利用の仕方が具体化され実用的となった。この指針案に基づいて, 1997年6月から12月までに当施設において健康診断を受診した島根県内のJA職員および地域住民7, 197名 (男性: 3, 287名, 女性: 3, 910名) を母集団とし, 設定根拠を明確にしたHbAlcの基準範囲を算出した。併せて健診におけるスクリーニング指標の設定を試みた。
    統計処理より得た基準範囲は4.4~5.5%であり, 上限値は老人保健法によるスクリーニング基準値5.5%と一致した結果が得られた。JDS指標の5.8%に比べ低値を示したが, 健常集団を基準標本として求めたものであること, また軽度耐糖能障害を拾い上げることを重視する健診業務においては, 上限値5.5%はカットオフ値として妥当なものであり, スクリーニング指標として有効であると思われた。
  • 駒木根 一世, 萩原 幸恵, 後藤 直子, 川又 美保子, 直井 芳文, 岡 邦行, 門馬 勇次, 佐藤 明弘
    2000 年 27 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    LDLコレステロール直接測定試薬 (コレステストLDL) を用いて人間ドック健診受診者929名のLDLコレステロール (LDL-C) 測定を行った。本法の基礎的性能を検索したところ, 日常検査での使用に信頼できる測定精度を示した。健診者のLDLC値と生活習慣関連因子との関係を調べた。肥満, 高血圧, 喫煙習慣はLDL-C値が上昇した。肥満, 高血圧, 喫煙習慣は動脈硬化の危険因子であることが確かめられた。直接法によるLDL-C測定は, 動脈硬化症の診断に有用であると考えられた。
  • 西村 千尋, 今村 裕行, 森脇 千夏, 二神 友美, 宮本 徳子, 内田 和宏, 上濱 龍也, 嶋田 良子, 城田 知子, 中田 健次郎, ...
    2000 年 27 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1日の平均歩数が中高年女性の末梢循環機能に及ぼす影響について検討することを目的として行った。対象は, 平成5~7年に肥満予防教室や糖尿病予防教室等を受講した中高年女性58名であった。受講中の1日の平均歩数が8, 000歩以上であった者をA群 (61.7±6.1歳) , 7, 000歩代であった者をB群 (60.8±6.0歳) , 7, 000歩未満であった者をC群 (65.1±2.5歳) とし, 教室前後で比較を行った。末梢循環機能の評価は, 加速度脈波計を用いて右手第2指の指尖部にて測定した。得られた波形をA~Gに分類, また算出された加速度脈波形数 (APG-Index) を採用した。その結果, すべての群において教室前後で体重, BMIの低下がみられた。A群ではHDLCの増加とFBSの低下がみられ, B群では最大酸素摂取量の増加とSBP, TC, LDL-Cの低下がみられた。A・B群では, 教室後に加速度脈波の波形タイプの改善がみられ, さらに加速度脈波形数の増加もみられた。以上の結果から, 1日7, 000歩, またはそれ以上の歩行により, 中高年女性における末梢循環機能の改善が可能であることが示唆された。
  • 樂得 康之
    2000 年 27 巻 2 号 p. 154-160
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    今日, 我が国は多くの疾病を克服し, とりわけ熱帯感染症, 寄生虫症は過去のものと軽視される傾向にある。また現在, 年間1, 680万人以上の邦人が熱帯感染症, 寄生虫症に対する十分な知識, 対策を持たないまま世界各地に渡航している。しかしながらグローバルな見方をすれば, 開発途上国では熱帯感染症, 寄生虫症が依然として猛威を振るっており, 抵抗力のない邦人がこれらに感染する危険性が増加している。さらに近年Emerging Diseasesとしてラッサ熱, エボラ出血熱 (1類感染症) など新しい感染症の出現, マラリアや結核のように古くから存在する感染症の薬剤耐性の獲得 (Re-Emerging Diseases) など新たな脅威が我々を取り囲んでおり, 国際的視野に基づいた輸入感染症対策が必要不可欠である。産業医, 健診医がこれら輸入感染症に直面した場合, 多くが診断, 治療に戸惑い, 誤診する危険性を否定できない。その対策として感染症に国境はなく, 輸入感染症はボーダレスであるとの認識を深め, 問診の充実とインターネットによる情報収集が重要である。産業医, 健診医は新感染症予防法をふまえたうえで, 輸入感染症に対する正確な診断, 適切な治療, 予防, 最新動向を入手し, 帰国後健診に対応しなければならない。
  • 上田 貴子, 原田 彩子, 鷹岡 真理子, 薬師寺 すず子, 佐藤 美香, 萬澤 菜穂子, 伊奈 〓子, 西野 理英, 堀 三郎, 日野原 ...
    2000 年 27 巻 2 号 p. 161-164
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年の乳癌発生率の増加傾向は, 様々な領域で活躍する女性達にとって深刻な問題である。こういった社会情勢から, 健診施設では従来の乳癌検診にマンモグラフィーや超音波検査を積極的に取り入れようとする方向に動いてきている。当センターにおいても今後マンモグラフィーの実施が予定されているが, これに先だって当事者である女性受診者が現在の乳癌検診をどのように受けとめ, また自己検診についてどのような認識をもっているのか把握することが重要であると考え, アンケート形式による意識調査を実施した。今回の意識調査では, 女性受診者の乳癌に対する関心度を自己触診の実施状況から間接的に把握することにした。アンケート結果からは, 自己触診について知ってはいるが実施はしていない受診者が多く, 理想的とされる自己触診を実施している受診者は少ないということ, 今後自己検診について指導の機会があっても参加を希望しないという受診者が存在するということなどが明らかとなった。この意識調査の後, 希望者を対象に乳房の自己検診法についての集団指導を開始し, 同様に意識調査を実施したので, 今回そこで得られた結果も併せて報告する。
  • ―より有効な肺癌健診を行うために―
    尾形 利郎
    2000 年 27 巻 2 号 p. 165-175
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―膀胱・前立腺癌における癌健診―
    西村 泰司
    2000 年 27 巻 2 号 p. 176-179
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 4.動脈硬化の評価: 頸動脈エコー法を中心として
    山崎 義光
    2000 年 27 巻 2 号 p. 180-182
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 画像情報の標準化―DICOMと健診への適用
    安藤 裕
    2000 年 27 巻 2 号 p. 183-185
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 川真田 文章
    2000 年 27 巻 2 号 p. 186-188
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 菅沼 源二
    2000 年 27 巻 2 号 p. 189-198
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    総合健診の受診者の要請は, 受診成績の継続的な観察が可能な, 施設問の成績の互換性への要求である。
    この方法を満たすために共通表示の方法ならびに共通評価の方法を提案した。
    また, 各種専門臨床学会から基準値が提案されているが, 総合健診における, 健康と非健康とを識別する「健康評価のための基準値」との理解の上の混乱がみられるところから, 各学会からの報告書に忠実に「読み取り」解釈をし, 基準値の種々相について整理した。
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