(1) 完全浮遊の場合の混液の濃度と損失水頭との関係を調べるために管路実験装置により測定した。
(2) 結果は平均流速の増加および混液のベントナイトの濃度の増加と共に損失水頭が増大した。
(3) 本実験に用いた鉄管の摩擦係数fとレイノルズ数Reとの関係を求め, この曲線を用い濃度の増加によるみかけの粘性係数の増大を考慮に入れて濃度別の流速損失水頭の関係曲線を画いた。
(4) 実測より得た濃度別の損失水頭一流速曲線と摩擦係数-レイノルズ数の関係曲線に濃度による粘性増加のみを考慮して得た損失水頭曲線は両者相似たものとなるから, 完全浮遊の混液ではみかけの糟性のみを考慮して損失水頭を推定すれば大差ないことがわかつた。
(5) 粘性以外の因子の影響は完全浮遊の場合, 比較約少ないので, 本実験のような簡単な装置の実験ではつきとめ難く, もつと精度の高い実験方法を採用しなければならない。
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