本研究の目的は,SC・相談員・教師が児童生徒を支援する時に感じる「協力のやりにくさ」がどのようにつくられるか,それに関わる要因を明らかにし,また,そのようなやりにくい状況へどのように対応しているのかを検討することであった。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した結果,3つの大カテゴリーを生成した。援助者は大カテゴリーⅠ【潜在している協力のやりにくさ】に対して,大カテゴリーⅢ【意図的な関係修正】を行うことで協力関係を維持していることが理解できた。また,大カテゴリーⅠ【潜在している協力のやりにくさ】から,大カテゴリーⅡ【協力のやりにくさの顕在化と葛藤】に陥っていく可能性が示唆された。
本研究では,利益・コストおよび内的ワーキングモデルを用い,中学生を対象に2つの質問紙調査を実施した。研究1では,内的ワーキングモデルおよび利益・コストに媒介され,援助要請意図が援助要請意図に与える影響を検討した。その結果,内的ワーキングモデルが,利益・コストの予期に影響し,それらが援助要請意図に影響することが示された。研究2では,実際の過去の援助要請エピソードを尋ねた。その結果,内的ワーキングモデルは,利益・コストの発生に影響し,それらが援助評価に影響することが示された。
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