筆者らはesportsの練習支援システムについて、スキルを発揮する上で必要な知識に着目して構築してきた。先行研究ではチーム戦による戦略型FPSを対象に構築したが、本研究では個人戦による対戦型格闘ゲームを対象にスキル構築をした。学習支援システムは中級者向けのシステムであり、スキル構造に基づいて学習者自身が演習を効率的に進められることを想定している。また、プロのesports選手によるインタビュー評価も行ったので、報告する。
昨今esports競技は広く注目を浴びており、日本でも複数のチームが擁立されている。しかしesportsの練習などはwiki等に頼るしかなく、1人で行うには難しい側面もある。そこで本研究ではVALORANTを対象とした個別チュータリングシステムの設計・開発を目的とする。なお、システムはVALORANTのスキル構造を定義しており、システムはこれに基づいて学習者に学習の自己調整を促す。したがって中級者以上を対象としたシステムとして設計した。なお、上位層による評価についても併せて報告する。
Impasse-driven learningやProductive failureの概念によって,学習における間違いの有用性が注目されている.しかし,これは単に間違いがあるから良いというわけではなく,効果が期待できる間違いをできるようにし,それをトリガにして振り返りができる学習環境整備が重要となる.本研究では,間違いについて効果が期待できるものかそうではないかを解答プロセスから判断するために質的かつ量的な分析手法であるOrdered Network Analysisの利用を検討する.
本研究は,Gentry(1999)の研究を基に,習熟度別クラスと通常クラスが学生の学力向上に与える教師の教授法,クラス編成,学生のモチベーションの3つの要因を分析することを目的として,エージェントベースのシミュレーションを構築した.習熟度別クラスでは高習熟度学生が,通常クラスでは全体の学力が向上する傾向が確認された.また,モチベーションによる学力の影響が,1.5倍増加とする場合,習熟度別クラスでの学力と標準偏差が共に1.5倍向上することが示された.
多肢選択式問題自動生成における重要タスクの一つとして,誤答選択肢の作成が挙げられる.従来の大規模言語モデルを用いた誤答選択肢生成の研究では,選択肢生成に関わる専門知識を明示的に扱わず,モデルが持つブラックボックスな知識のみに頼った生成を行っている.そこで本研究では,誤答選択肢を作る際の具体的な考え方をモデルに与えることで,特定の考え方に沿った誤答選択肢を大規模言語モデルに生成させる手法を提案する.
学習支援システムの研究では,システムをドメインモデル,学習者モデル,教授戦略モデルに分け,各モデルの再利用性や拡張性を高めてきた.しかし,従来のモデルは,知識やスキルの構造と学習タスクの構造を区別せず,学習目標に対するタスク設計の合目的性は陽に議論されてこなかった.本研究では,学習目標設定から合目的的な学習タスク設計,システム適用に至る設計過程をドメインモデル設計プロセスとして整理し,その各段階の必要性と構成要素を議論する.
本研究では、学修データに基づいた学生のクラスタリングを通じて、問題を抱えた学生の把握が容易になるか検証する。学修データは、当期GPA、累積GPA、当期修得単位数、累積修得単位数、当期出席率等を用いる。学年別とし、k-means等でクラスタリングを行い、現に問題を抱えている学生からなるクラスタを抽出できるか検討する。クラスタリングによる問題把握が可能である場合には、特別な対応が必要な学生の発見が容易になり、悩みを抱える学生にとっても、教育および学生支援を行う教員にとっても、有効であると期待される。
項目難易度の予測は教育分野において重要な役割を担う.しかし,推定に広く用いられる手法である項目反応理論では,項目に対する人間受検者の正誤反応データを必要とする.本研究では,人間受検者の項目反応を模倣する仮想受験者モデルを設計し,このモデルを用いて収集した正誤反応から項目反応理論により難易度推定を行う手法を提案する.実データ実験の結果,従来手法と比較して,より高い精度を達成できることが示された.
面接試験は採点にコストがかかり、評価者の主観に左右される問題がある。本研究では、人工知能を用いて映像、音声、テキスト情報を解析し、自動採点を目指す。従来の手法では、性能が人手で設計した特徴量に依存し、複数観点の相関を明示的に考慮していない。本研究では深層学習から抽出した特徴量と人手設計の特徴量を併用し、Attention機構を用いて評価観点間の相関を活用するマルチモーダルなモデルを提案する。
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