近年,深層学習を用いた小論文自動採点手法として,全体得点と複数の評価観点別得点を同時に予測できるモデルが提案されている.しかし従来モデルは,予測の根拠について解釈性が低いという問題があった.この問題を解決するため,本研究では多次元項目反応理論を統合することで,予測根拠の解釈性を高めた新たな複数観点同時自動採点モデルを提案する.
筆者らの取り組んでいる算数文章題の作問学習支援システム「モンサクン」は、学習者の理解を対象である算数文章題の知識構造に基づいて推定できる。しかしこのシステムでは毎回の課題における理解を推定するのみで、算数文章題に対する能力の時間発展の程度までは推定できていない。したがって本研究では、この知識構造に、力学系の習熟度関数を用いた定量モデルを組み合わせることで、この理解度の推定を目指す。
オンライン学習講座の手法を、高等教育におけるクラス授業のパフォーマンス向上に融合・活用する方法について検討・提案し、今後の計画について述べる。特徴は、①実クラス授業外の個人学習において、実クラス授業記録コンテンツに基づくオンライン学習を活用する、②このオンライン学習に適応学習の機能を導入する、③この個人学習過程からのフィードバックにより、クラス授業のコンテンツを向上する機能を導入することである。
学習者にとって十分に吟味・検討した内容であっても,他者から見れば検討の余地が残っていることは少なくない.これは,他者視点で思考を吟味的に見直し,再構成するといったメタ認知活動が十分に行えていないことが原因にある.本研究では,他者視点の認知を促す機会としてプレゼン作成活動に着目して,聴衆モデルとプレゼンシナリオに則した助言を提示するシステムを開発し,真正な学習場面で利用した結果を報告する.
言語発達の過程で個々の子どもが抱える困難は多様である.とくに音声の認識を支える音韻意識という能力が未熟なとき様々な発話の誤りが表れる.個別の誤りへの対応では,それぞれのメカニズムの理解に基づく支援が重要である.このために,子ども個人の音韻意識に対応づけた認知モデルを利用する音韻意識形成支援システムの構築を目指す.とくに本研究では,子どもがもつ音韻意識の状態を推定する方法を検討する.
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