学習者が数学問題を理解するためには,試行錯誤が重要である.先行研究では軌跡という範囲で,数学的表現変換を用いた支援を試みており,その有効性が確認された.そこで本研究では,他範囲での適用を考え,軌跡と違い線を起点とし作図を行うベクトルを対象とした.具体的には,式から制約に沿った操作可能な図形へ変換を行い,学習者の誤りを可視化する学習支援システムを提案する.本稿では,開発したシステムの評価も行なった.
力学を対象とした誤り可視化の手法である力学Error-based Simulationは,個々の力と物体の挙動との対応関係の可視化が難しい.そこで,著者らは学習者の解答から「この解答では提示された問題ではなくこの問題を解いていることになる」という問題を提示するシステムである,Error-based Problem Posingの開発と評価を行った.本システムの実験の結果,一定の学習効果が見られた.
プログラミング学習において一連のコードの振る舞いとその機能を結び付けて理解することは重要だが,振る舞いと機能の同定を行わなければ理解することは難しい.そこで本研究ではコードのまとまりから振る舞いを観察し,振る舞いから機能を解釈する一連で学ぶ学習法を提案する.学習させるコードのまとまりを段階的に大きくすることでコードの機能を理解できると考える.さらに提案した手法を用いたシステムを開発し評価を行う.
本研究では学習支援Peerコンパニオンロボットの構築を目的として以下の次のことを行った.1)学習者が感じる「Peerさ」に関する心理モデルの構築,2)心理モデルに基づいた「Peerさ」を誘発するロボット動作の実験的検討.その結果,一定の制約下における「Peerさ」を誘発するロボット動作を確認した.
本発表では,教育・学習支援システム若手の会2021に関する報告を行う.今年度も新型コロナウィルスの感染状況を考慮してオンライン(Gather.town)で実施した.参加者は学生16名,社会人7名の計23名であった.参加者アンケートも実施し,アンケート結果から本会が参加者にとって有意義であったことを示唆する結果を得た.
プログラミングの授業では,教師にとって学生の行き詰まりをプログラムを見ただけで判断することは難しい.そこで我々はこれまでに学生の演習情報を自動で収集・解析することで行き詰まり情報を検出し表示するシステムを構築している.しかし,このシステムは対面での利用を想定しており,リモート形式での授業では利用できない.本研究では,このシステムをリモート形式での授業においても扱えるように拡張する.
近年日本語学習者に対する日本語教師の数が不足しているため,日本語学習者が独学で日本語を学べる環境が必要である.また現状教育現場で意味交渉は教えられていないが,会話中に問題が発生し話者両方が問題解決に志向した場合意味交渉が発生するため,意味交渉を学ぶ環境が必要である.これらの問題を解決するため,意味交渉を独学で学べる日本語学習支援システムを構築する.現在はサンプルのシステムを構築済みである.
我々は教材作成者の説明意図を対象世界の視覚化に反映できるプログラム挙動視覚化システムTEDViTを開発している。TEDViTはステートメント単位の挙動視覚化が可能だがブロック単位の視覚化はできないまた。アルゴリズム学習では段階 的詳細化など挙動再現の単位を徐々に変更することも有効である。本研究では段 階型拡張PADを利用して挙動再現時のブロック単位を学習中に変更出来るようTEDViTを拡張する。
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