下水熱を利用した地域冷暖房(DHC)システムの導入効果を定量的に解析するための2つのモデルが筆者らにより既に開発されている.まず,これらのモデルの特徴の1つである下水熱利用に伴う下水温度変化を考慮したことの有用性について示し,また,下水熱利用DHCの導入に最低限必要な下水流量についての定量的な解析を行った.これらのモデルにCO
2排出量やコストについてのライフサイクル的評価方法を導入することで,下水熱利用によるCO
2排出削減量の厳密な評価が可能となり,また経済性についても解析可能となった.これらを東京都芝浦処理区北部に適用した結果,高熱需要密度地域を流下する下水幹線では下水流量1万m
3あたり約2.1∼2.5トンのCO
2の排出削減ポテンシャルを有していることが分かった.
抄録全体を表示