日本CT技術学会雑誌
Online ISSN : 2434-2750
Print ISSN : 2434-2769
7 巻 , 2 号
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原著
  • 南島 一也, 杉澤 浩一, 木津 啓介, 益田 翔太, 大脇 由樹, 陣崎 雅弘
    原稿種別: 原著
    2019 年 7 巻 2 号 p. 1-
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/06/29
    ジャーナル フリー

    重要な要点

    1) HIRは非線形挙動である.

    2) 新生児ではHIRのdisplay field of view依存性が影響し,成人ほどの線量低減効果は得られない.

    3) HIRの使用により成人では50%,新生児では37.5% 線量低減が可能であった.

    要旨

    [目的]

    本研究の目的は,hybrid iterative reconstruction (HIR) のdisplay field of view (DFOV) 依存に着目し,GALACTICの撮影条件に準拠した成人と新生児のcomputed tomography (CT) 検査を対象として,HIRによる線量低減率の違いを明らかにすることである.

    [方法]

    成人および新生児ファントムを撮影し,それぞれstandard deviation が10となる画像を基準画像とした.また,基準画像に対して撮影線量を低減し,HIRで再構成した画像を低線量画像とした.各画像にて,noise power spectrum (NPS),task transfer function (TTF) およびシステム性能関数 (system performance: SP) を測定し,HIRにより低減可能な線量を導出した.

    [結果]

    NPS解析より,同一線量低減率下の比較において新生児では成人と比較して2.0倍程度ノイズ量が増加した.また,低線量画像のNPSのピーク周波数は基準画像と比較して低周波数側へシフトしたが,そのシフトの程度は新生児では成人よりも減少した.TTF解析より,低線量画像の10%TTFは基準画像と比較して低下したが,その低下の程度は新生児では成人よりも減少した.SP解析より,成人では50%,新生児では37.5%の線量低減が可能であった.新生児CTにおけるHIRの使用では,DFOV依存を考慮した撮影プロトコルの設定が必要である.

  • 日比野 友也, 市川 勝弘
    原稿種別: 原著
    2019 年 7 巻 2 号 p. 6-
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/06/29
    ジャーナル フリー

    重要な要点

    ・薬物動態の基本原理において,血漿中の薬物濃度と薬物分布容積の関係は,反比例の非線形関係である.

    ・薬物動態の非線形性に基づく新たな造影剤量決定法により,動脈造影値における体格依存性の改善が可能であった.

    ・新たな造影剤量決定法の元では,体重が動脈造影値における体格依存性の改善に簡便で有効な体格指数であった.

    要旨

    [目的]: 本研究の目的は,computed tomography (CT) による血管造影 (CT angiography: CTA) の動脈造影における体格依存性を改善するための,薬物動態原理に基づく非線形回帰分析を用いた新たな造影剤量決定法を提案することである.

    [方法]: 非線形回帰分析は,固定造影剤量で冠動脈CT検査を施行した被検者118名の動脈造影値(造影CT値-単純CT値)データを用いて行われた.分析結果から, 4種の体格指数 (体重,除脂肪体重,血液量及び体表面積) のそれぞれの造影剤投与関数を決定した(提案法).118名の動脈造影値データから,決定した投与量における造影値をシミュレートし,体格依存性を検証した.体格依存性は,体格指数と動脈造影値の間の相関係数とP値 (P < 0.05:有意な依存性) 及び平均絶対誤差 (mean absolute error: MAE)を用いて評価した.

    [結果]: 従来法ではすべての体格指数で有意な体格依存性が示され(高い相関係数とP<0.05),提案法によってすべて改善された.Body weight (BW),Lean body weight (LBW) 及びBlood volume (BV) のMAEは提案法で従来法より有意に減少した (P < 0.05) .

    [結論]: 提案法は従来法に比較し,BW,LBW及びBVの動脈造影における体格依存性の改善を認めた.提案法を用いることで,身長の情報を必要としないBWは簡便で体格依存性を改善する適切な体格指数となり得ることが示唆された.

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