京都市を例に、自治体スケールでの廃棄物系バイオマス導入効果を試算することを目的にLCAを実施した。対象バイオマスは廃食用油、厨芥類、廃木材とし、サブシナリオを含む5つのシナリオについて地球温暖化および埋立地消費を環境影響領域とした。なお、厨芥類については選別工程を評価するため、一般可燃ごみを機能単位とした。
本研究では、廃食用油のBDF化により2,700t-CO2の削減効果となった。厨芥類は機械選別過程で紙ごみも混入し、13,000t-CO2の削減となった。そして、京都市が将来目指しているバイオマス資源を利用したシナリオではバイオガス化および廃木材からの熱分解ガス化・メタノール合成利用により、廃食用油のBDF化のみを実施している京都市現状のシナリオと比較して7.8%の削減が見込まれた。
今後の課題として、コスト評価など、GHG以外の項目についても評価することが必要である。また、紙ごみ利用や家庭系厨芥類を分別収集にしたシナリオなどの効果試算も必要と考えられた。
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