車輌用搖枕釣機構の自己振動週期を觧析的に取扱つた論文は従耒二、三発表されてゐるが何れも觧析の方法に不備の点があり、従てそれらの公式には充分の信頼を置き難い。よつて我々は今回周到なる注意の下に新公式を誘導し、T=2π{l/g・(cotφ-2h/a)
2+4(k/a)
2/secφcosec
2φ-(2l/a)(tanφ+2h/a)}
1/2を得た。茲にTは週期、lは搖枕釣の長さ、φは搖枕釣の懸垂角、aは搖枕の長さ、hは搖枕から車体の重心までの高さ、kは重心の周りの回轉半径である(第1図)。而してその結果を実驗結果と比較したところ第7図に示す如く極めて良く一致した。又新公式を在耒の諸公式と比較した一例は第8図及び第9図の通りで両者の間には相當の差異が認められる。
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